総当たり
その場にいる5人はそれぞれ思いついた合言葉をウィンディから順番に、シュデン、ホルス、ラオト、アレスの順で機械に入力していった。入力すると言っても、機械を知らないラオト以外の4人は自力で文字を入力する事が出来なかった為、思いついた合言葉を皆に発表し、それをラオトに打ち込んでもらうという方法で機械に入力していた。
「まずは私からね、、、起動して!」
「そんな安直な合言葉なんてないだろ」
「もしかしたらあるかもじゃん!」
ラオトは機械に「起動して」と入力したが、機械は何の反応も示さなかった。
「違うっぽいな、次はシュデンだ」
「それでは私は、、、あ!」
「あ?」
「はい!一文字なら起動にも時間がかからなくてお得ですよね!」
「いやいや!それじゃあ合言葉の意味ないから!」
「「こんな感じにパスワードを適当に設定するやつも居たなぁ)」
ラオトは昔の世界を懐かしみながら、機械に「あ」と入力した。しかし、機械から反応はなかった。
「違うな、次はホルスだ」
「俺は、、、魔王軍最強!!」
「、、、確かに、魔王軍以外使いたがらない合言葉だね」
「(我と発想が同じだと!?)」
ラオトは「魔王軍最強」と機械に入力したが、これも違うようだった。
「違うな、それじゃあ次は俺の番だな、ここはシンプルに、、、プリズン山脈!」
「地名なら忘れにくいよね!」
「そうですな!」
ラオトは機械に「プリズン山脈」と入力したが、どうやら違うようだ。
「違うか、それじゃあ次はアレスだ」
「我は、、、魔王軍こそ至高!!」
「、、、あれ?なんかホルスと似てない?」
「傲慢な魔王軍の事だ、このような自画自賛な言葉でも合言葉にしていると思ってな」
「まぁ、それが一番あり得そうだよな」
ラオトは機械に「魔王軍こそ至高」と入力したが、これも違うらしい。
「違うな、それじゃあもう一回戻ってウィンディから」
「はいはーい、それじゃあ、、、」
この後も合言葉を言い合うのは続き、十周目に到達した頃、、、
「、、、違う、次はウィンディだ」
「使用を許可する!」
「、、、違う、次はシュデンだ」
「では、、、魔!」
「、、、違、、、あれ!?」
ラオトが機械に「魔」と入力すると、なんと全く動かなかった機械の画面が変わり、この機械を操作する為の画面へと移り変わったのだ。つまり、この機械のパスワードは「魔」だったのだ。
「う、動いた!?」
「えぇ!?本当に一文字だったの!?」
「魔王軍、意外と合言葉とか雑なんだな」
「私めがお役に立てて良かったです!」
シュデンは自分の合言葉が当たり、皆の役に立てた事に心底嬉しそうだった。




