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「皇帝閣下。」
男は恭しく言葉を詰まらせる。
目の前には椅子に深く座り、
マントで顔を隠した者がいた。
「確縛を与えたか。」
ひびのない氷の様な声が空気を伝わる。
周りの者達の焦りを恐怖に変える。
「男が捕獲の邪魔をした様です。」
別の若い男が発言する。
さらなる緊張が走った。
「男…か。」
氷は周りの者の心を
凍らせようと纏わりつく。
しかし、皇帝と呼ばれた人物は
それだけ言うと、椅子から立ち上がる。
日が暮れているのに
灯を点けていない。
異様な暗さの中に皇帝は消えた。
それに続いて取り巻きは
厳かに部屋から出て行った。
夜の闇は一層、暗くなる。




