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速秒
今まで止まっていた時計が
秒速の秒針の様に動き始める。
そう感じた。
妹の頭に刺さった剣の切っ先が
額から離れる。
衝撃波は妹の動きより遅れてやって来た。
敵からの攻撃はない。
勝利を確信した穏やかな安堵が
掻き回される。
帝国の兵士は急所を突かれているのか、
みな一撃で倒れていった。
風で吹かれた様に倒れている兵士の先には
司令官と思われる男が
旧式の大砲を片手に立ち尽くしていた。
「いったい、なぜだ。」
男は大声で怒鳴った。
「殺さなくても良いではないか。」
だが、自らを捕らえようとした者に
慈悲はない。
剣を持たない騎士は妹に貫かれた。
急所は外されたのか、
まだ生きている。
妹は男に顔を近づけて何かを言っていたが。
少しすると、男の体は崩れ落ちた。
振り返る妹の鎧には
返り血の一つも付いていなかった。
陽はもう沈んでいた。




