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80話 報われる者

 フェイクとラグナの戦いが終わった十数分後――ラフェール鉱山があった上空で魔獣と思われる五メートル近い巨大な鳥が空を飛んでいた。背中には踊り子のような格好の上から黒いローブを羽織った女性――ベティが乗っており、携帯で何者かと通話している最中だった。


「――はい、戦いは終わりました。やはり『黒い月光』の使い手には勝てず消滅したようです。しかし……」


 ベティは冷や汗をかきながら十キロにも及ぶ巨大なクレーターを見つめた。


「……どうもフェイクは幹部の方々の前では本来の実力を隠していたようです。敗れはしましたが『神月の光』へ至った『黒い月光』の使い手と互角以上の戦いを繰り広げていました。その結果、ラフェール鉱山を含む周辺の地形は変化し……もはや原形が残っていません……」


『――――』


「――はい、了解しました。このまま撤収します。それから……」


 ベティはクレーターの中心で倒れるラグナを見つめた。


「……ラグナ・グランウッド様についてなのですが……現在意識が無く倒れていらっしゃるようです。……お連れした方がよろしいでしょうか?」


『――――』


「……日を改めて、ですね。かしこまりました。では失礼します――ブルゴエラ様」


 電話を切ったベティはあらためて眼下で倒れる少年を見つめる。


(……それにしても……『黒い月光』の力が不完全にもかかわらずあの絶望的な状況を生き延びるなんて……『神』の正当なる担い手はどんな状況でも生き延びる、か……正直ロンツェの命令でラグナ様を攻撃することになったときは内心肝を冷やしたが……結果的にあの方が傷を負うことはなかった……その後も圧倒的に不利な状況が続いても最終的にはいつも勝利をおさめている……まるで運命に守られてるとしか思えない……結局全てブルゴエラ様、ひいてはシャルリーシャ様の言う通りだった…………けど……だったら……どうして千年前ヴァルファレスは…………いや、私の考える事ではないか……)


 ベティは遠方からやってくるヘリの音に気づくと、鳥の首にかかっていた手綱を引き鳥をヘリとは別の方向へ羽ばたかせその場を後にした。



 ラフェール鉱山での戦いが終わってから数日後の朝、ラグナはダリウスの病院にある一室で新しく支給された軍服に袖を通していた。病院服から着替え終わると同時に左手首に刻まれた新たな術を深刻そうな顔で見ていると不意に扉がノックされる。


「はい、どうぞ」


 ラグナが言うと扉が開けられフィックス、テトア、ミリィの三名が現れた。三人が病室に入ってくると少年は笑顔で彼らを出迎える。


「おはようございます。もしかして退院の見送りに来てくださったんですか?」


「ええ。テトア、ミリィ」


 フィックスがそう言うと、テトアとミリィは手に持った小さな花束をラグナに差し出す。


「ラグナ兄ちゃん、退院おめでとう!」


「おめでとうお兄ちゃん!」


 花束を差し出されたラグナはそれを嬉しそうに受け取った。


「綺麗な花束ありがとう。すごく嬉しいよ」


 ラグナの笑顔を見たテトアは照れくさそうに笑い、ミリィは満面の笑みを浮かべる。それを見た少年はフィックスに向き直った。


「ここに搬送された時からブレイディアさん達と一緒に毎日お見舞いに来てくださったんですよね? 看護師さんから聞きました。それなのにこんなに綺麗な花束まで。本当にありがとうございます」


「いえ、そんな! 見舞いに来るのは当然です! 貴方達のおかげでこの町は解放されたのですから! ……本当は町の他の住人も毎日来たがっていたのですが……なにぶん小さい病院ですので全員は無理でして……代表して私たちが来ていたのですが……皆も本当に感謝していました。ですのでせめて退院の日は見送りに行こうとすでに皆、駅に集まっています」


「え、そうなんですかッ……!?」


「はい。……あ……サプライズのつもりだったのですが……ご迷惑だったでしょうか……?」


 恐る恐る問いかけてくるフィックスに対してラグナは表情を崩し首を横に振る。


「いいえ。とても嬉しいです」


 それを聞いたフィックスは安心したようにホッと胸を撫で下ろした。その様子を見ていたテトアが急に横から口を挟む。


「……でもほんとにもう退院しちゃって大丈夫なの? ラグナ兄ちゃん、戦いの後三日間ずっと眠りっぱなしだったじゃん。起きたのだって一昨日だし。もうちょっと寝てた方がいいんじゃないの……?」


「心配してくれてありがとう。でも、もう平気だよ。昨日検査してもらったけどどこも異常はなかったからさ。それに早く王都に戻って今回の事件の調書を作ったりしたいんだ。一段落はしたけど、まだ戦いが終わったわけじゃないからさ」


「……そっか」


 テトアが寂しそうな顔をするとミリィはからかうように言う。


「テトアお兄ちゃん、ラグナお兄ちゃんがいなくなっちゃうのが寂しいんだよねぇ?」


「ば、ミリィッ……! 変な事言うなよッ……!」


 テトアが顔を赤らめて拳を振り上げるとミリィがわざとらしく悲鳴をあげラグナの後ろに隠れた。そんな二人の様子を見ていたフィックスは諌めるように言う。


「こら、二人とも。ラグナさんはまだ病み上がりのような状態なんだ。静かにしなさい」


「俺なら大丈夫ですよフィックスさん。二人の元気を分けてもらってもっと元気になれそうです」


「本当にすみません……。ところでブレイディアさんたちの姿が見えないようですが……」


「駅で落ち合う予定になってます。全員やることがあるみたいで昨日会ってそうすることになりました」


「そうだったのですか。皆さんにもあらためてお礼を言いたかったのですが、そういうことでしたら駅で――」


 フィックスが言いかけた時に再び扉がノックされる。また誰か来てくれたのだろうと思ったラグナは声をあげどうぞと言い再び来客を招き入れようとする。すると扉が開き簡易な服装に身を包んだ二人の中年の男女が姿を現した。男女は少年騎士に頭を下げたため、少年も同じように会釈する。と同時に見慣れぬ男女について考察し始めた。


(……誰だろう……ダリウスの町の住人なんだろうけど……見覚えが無いような……まあでも全員の顔を正確に覚えているわけじゃないし……)


 ラグナは首を傾げながら考えていたが、ふとフィックスとテトア、ミリィの様子がおかしいことに気づく。三人ともまるで幽霊でも見るかのように驚きながら男女のことを見ていたのだ。驚愕しながらも小さな少年は唇を震わせながらつぶやく。


「……どうして……死んだはずじゃ……」


 テトア同様フィックスも震えながら口をあんぐりと開けていたが、突然ミリィが泣きながら男女に抱き着き叫ぶ。


「パパぁ! ママぁ!」


 ミリィがその名を呼んだことで二人の男女の正体が判明しラグナもフィックス達同様仰天する。



 ウェルはダリウスの騎士団支部の取調室にて尋問を受けていた。机を挟んでの取り調べはかなり長い時間を要したが、全ての質問に嘘偽りなく答えていたため調書自体はスムーズに作られている。対面には王都から派遣されて来た丸刈りのいかつい顔をした男性騎士が眉間にシワを寄せながら喋り、その様子をもう一人の短髪の男性騎士が別の机でパソコンを打ち記録していた。変わり映えのしない光景が長時間続いていたが、それもようやく終わりを迎える。


「――ではこれで取り調べを終わりにする。この後は独房にて待機していろ。明日中にはお前を王都へ連行しその後裁判にかけることになる。……いいか、ぐれぐれも――」


「ああ、わかってる。暴れたりしねえよ。大人しくしてるさ」


「……ならいい。それと最後にもう一度だけ確認するが、ゴルテュス子爵の館にあった財宝の件……本当にお前は知らないんだな?」


「盗まれた財宝だっけ? 本当に知らねえよ」


「……王都に着けばもう一度取り調べを受けることになる。お前の記憶を読める能力者も立ち会うことになるだろう。そのうえでもう一度聞くぞ。本当に知らないんだな?」


「本当に知らねえって。嘘じゃねえよ」


「……そうか。ならば独房に――」


 男性騎士が言いかけた瞬間に取調室のドアがノックされ直後開かれる。扉を開け現れた人物を見て丸刈りの男は驚き立ち上がるとその名を呼んだ。


「副団長ッ……!?」


「ごめんね急に開けちゃって。今いいかな? ちょっとウェルさんに話があって」


「ええ……取り調べは終わったので構いませんが……」


「ありがと。それじゃあちょっと二人だけにしてもらえるかな」


「……了解しました」


 一瞬だけ怪訝そうな顔をするもすぐに元の表情に戻った丸刈りの男は短髪の男を引き連れてその場を後にした。残ったブレイディアはウェルの対面に座ると声をかける。


「どう? 戦いが終わってから数日経つけど元気にしてた?」


「……まあまあだ。怪我も完全に治ったわけじゃねえし連日の取り調べで流石にヘトヘトだけどな。……ところで他のダリウスの駐屯騎士たちの処分はどうなったんだ? 取り調べの騎士に聞いても『こちらの質問にだけ答えていろ』の一点張りでよ」


「安心して。全員脅されて従ってただけだしそれほど重い処分は下されないと思うよ。ただ事情聴取とかの関係でしばらくの間は身柄を押さえられて騎士としての活動は出来なくなるはずだからダリウスには王都から派遣された別の騎士が駐屯することになる」


「……そうか。まあ事が事だし時間がかかるのは仕方ねーか。だが副団長のアンタの口から重い処分が下されないと聞いて安心したぜ。他の騎士が言うのとじゃ安心感が段違いだ」


「……でも貴方に関しては他の駐屯騎士たちと一緒ってわけにはいかなそう。……ごめんね」


「謝る必要なんてねーよ。全部自分で蒔いた種だ。他の駐屯騎士たちが大丈夫なら俺はどうでもいい。ま、自分のために町の住人を犠牲にしようとしたバチが当たったんだろうよ」


「バチが当たった……か。……ねえウェルさん。貴方、本当は町の住人を犠牲にするつもりなんてなかったんじゃないの? ……貴方に頼まれたっていうコンサートホールを守ってた傭兵の人たちの証言から廃墟群の隠れ家にいたある人たちのことを聞いたよ。それでその人たちに会って事情は全部聞いた」


「…………」


「生きてたんだね――テトア君とミリィちゃんの両親は。貴方は二人を殺したフリをしてゴルテュス子爵たちの眼を欺いて治療を施すと同時に廃墟群にある地下施設に匿った。そうでしょ? ……どうしてもっと早く教えてくれなかったの?」


「……アンタらがゴルテュスたちや『ラクロアの月』に負ける可能性もゼロじゃなかった。そうなればアンタらの口から二人の情報が漏れるかもしれないと思ったんだよ。アンタに負けた後に真相を話そうとも思ったが、ゴルテュス子爵たちをアンタらが倒した後もゴタゴタが続いたしよ。戦いが終わった後に今度こそ伝えようとしたが、フェイクとの戦いで消耗してアンタを含む数名を除いてラフェール鉱山頂上にいた連中はほぼ全員気絶しちまっただろ。俺も気絶した一人だ。んで、眼を覚ました直後に王都から来たって言う連中に問答無用で捕縛されて牢屋に入れられちまったからな。しかも今までは取り調べ続きだったし。単純に伝える暇が無かったんだよ。ラフェール鉱山に向かう前に傭兵連中に伝えておいたことがうまく伝わったようでよかったぜ」


「……なるほどね。まあ色々あったし仕方ないか。自分に何かあった時のために傭兵たちに事前に伝えておいたわけだし、テトア君の両親たちも自由に出歩けるまで回復してたもんね。いづれは保護されただろうし結果オーライってことにしておくよ。それと……ウェルさん、一つ聞いていい。これは私の推測なんだけど……貴方がゴルテュス子爵たちの側についたのはお金の為だけじゃないんじゃないの?」


「……どういう意味だよ」


「町の人たちを守るために貴方はあえて悪人の側についたってことだよ。そうすればゴルテュス子爵たちの私兵に好き勝手やらせずに済むし自分が直接手を下せる分被害を最小限に抑えられるうえ子爵たちの動向も常に把握できるからね。実際貴方はテトア君たちの両親を助けてる。ダリウスの駐屯騎士の人たちもみんな言ってたよ。貴方はゴルテュス子爵たちに隠れて町の人たちのために死ぬ気で頑張ってたって。みんなで貴方を庇ってた」


「……俺があの坊主やお嬢ちゃんの両親を斬ったって事実は変わらねえし、ゴルテュスに命令されて町の住人を弾圧してたことも本当のことだ。金の為に動いたってこともな。今更何を言おうとこれが現実だ」


「……全部自分のせいにして終わらせるつもりなんだね。でもそれだと貴方の娘さんはどうなるの? 貴方がいなくなったら一人ぼっちになっちゃうんだよ」


「…………」


 ウェルは虚空を見つめた後、小さくため息をつく。


「……確かにな。一人で死なせることになっちまうな。……本当に俺は駄目な親父だ。結局娘の手術費も稼げなかった。それにアンタらが来なかったらゴルテュスたちはともかく『ラクロアの月』から町の住人を守れたかどうかも怪しいところだ。……結果だけ見れば俺は娘を助けることも出来なければ町の住人を救うことも出来なかった。何一つ成し遂げられなかったんだ。人としても騎士としても最低な野郎だよ。……だからもう俺の事は放っておいてくれ」


「……自暴自棄になってるね。でも、貴方が何と言おうと私は貴方の事を尊敬してるし力になりたいとも思ってるの」


 ブレイディアはポケットから一枚の名刺を取り出し机の上に置くとウェルに見せた。


「これは王都で凄腕の弁護士さんの名刺。きっと裁判になると思うからその時はこの人を頼って。私からもお願いしておくから」


「……気持ちは嬉しいが、罪が軽くなったって俺にはもう帰る場所なんてないんだ……手術が受けられない以上、エルミナはもう助からない……裁判が終わるまでにあの子の命は……」


 ウェルが唇を噛み拳を硬く握りしめて震えていた時、ブレイディアが静かに呟いた。


「貴方の娘さんなら手術を受けられたよ」


「……は……?」


 ウェルはポカンと口を開けてブレイディアを見つめた後、慌てて喋り始める。


「い、いやいや……何言ってるんだよッ……! 手術を受けられたって……そんな金どこに……」


「なんかどこかの誰かさんが真相を知って貴方の代わりに手術費を肩代わりしてくれたみたいだよ。たぶん町の人たちのために頑張ったご褒美じゃない? いやー、いるもんだね。気前のいい人ってさ」


「気前のいい人って……いや、そんなもんいるわけ――」


 言いかけて脳裏に先ほど取り調べをしていた騎士の言葉が甦る。それはゴルテュス子爵の館から財宝が盗まれたという話だった。思い出した瞬間、ウェルはブレイディアの顔を見つめる。その片目をつぶって微笑む顔はいたずらがバレた子供の様だった。


「……アンタ……まさか……」


「――娘さん、手術成功したってさ。貴方の帰りを病院のベッドで待ってるよ」


 その言葉を聞きウェルの眼からボロボロと涙が流れ始める。それを見たブレイディアは立ち上がると涙を流す騎士に背を向ける。直後、鼻声が取調室に響いた。


「……すまねぇ……ありがとう……ありがとう……」


「――お礼なら私じゃなくてどこかの誰かさんに言ってよ。それと、さっき貴方は何一つ成し遂げられなかったって言ったけど、それは間違いだよ。私たちが来るまでに町の人たちや娘さんを守ったのは間違いなく貴方。この結果を勝ち取ったのは誰でもない。貴方なんだよウェルさん。そのことを忘れないで」


 その後、涙を流し感謝するウェルに見送られブレイディアは取調室を後にした。



 ダリウスの騎士団支部から出て来たブレイディアのもとに包帯を巻いた赤い鳥がやってくると、女騎士の肩にとまる。


「ウェルさんに話してきたのか……?」


「うん。伝えて来たよ。……っていうかジョイ、体の方はもう大丈夫なの?」


「ああ、なんとかな。物資と一緒にヘリで王都に送られるより嬢ちゃんたちと一緒に帰りてえから抜け出してきた。しかし体中火傷の痛みでヒリヒリするぜ……。つーかそれより大丈夫か? ウェルさんが王都で取り調べを受ける時、今の会話の記憶も能力で読まれるぜたぶん。嬢ちゃんがパクった財宝の件、バレるんじゃねえの?」


「大丈夫だよ。私が盗んだなんてウェルさんには一言も言ってないし。今の会話だけで私が盗んだって証拠にはならないよ。物証残すようなヘマもしてないしね。それにもし仮に疑われたとしても私を取り調べて糾弾するようなこと今の上層部に出来ると思う?」


「……あー……無理だろうな……つい最近王都を救った英雄様の一人を表立って処分なんて出来ねえか。それにディルムンドを失った影響もまだ残ってるうちに副団長をやめさせるわけにはいかねえよな。一応フェイクたちの計画は阻止したが『ラクロアの月』もまだ活動をやめたわけじゃねえし。戦闘能力の高い嬢ちゃんに抜けられたら上層部の連中も困るか」


「そゆこと。たぶん勝手に握りつぶしてくれると思うよ」


「うへぇ……そこまで計算づくかよ……やっぱ嬢ちゃん騎士より犯罪者の方が向いてるんじゃね」


「し、失礼な! だいたいあの財宝分のお金はもともとゴルテュス子爵からウェルさんに払われる予定のものだったんだから別にいいでしょ!」


「いや、どんな理由があろうと盗みには違いねえしアウトだろ……ま、でも心情的にはウェルさんに同情できるし俺からとやかく言うつもりはないがな」


「だったら最初から犯罪者に向いてるというふざけた冗談言わないでよねまったく」


「いや、それは冗談じゃねえけどな。ってか嬢ちゃんはマジで騎士の資格を持った犯罪者だと悪人たちに思われてるフシがあるぜ、ぷくく」


 ジョイが笑いを噛み殺していると不意にブレイディアが真顔になる。


「……そういえばラフェール鉱山に入る時にさ。アンタが囮になった際に私についてずいぶんと面白い事言ってたよね。胴長短足の小型犬だとか。へちゃむくれ鼻フック女だとか。頭のおかしいイカレポンチとも言ってたっけ。極めつけは擬人化したまな板チビ。いろいろあって今まで忘れてたけど騎士の資格を持った犯罪者とかいう言葉を聞いて思い出したよ」


 ブレイディアから放たれる殺気を受けたジョイの体が震えはじめる。


「え……いや……それは……た、助けてくれラグナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ………!!!!!」


「待てこのクソ鳥がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーッ………!!!!!」


 肩から飛び立ったジョイを追いかけて鬼のような形相に変貌したブレイディアは走り出す。


 一羽と一人が向かう先は少年たちと落ち合う予定になっている駅だった。

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