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神様が仕事を放棄して下界に降ります  作者: 三宮 琳
第一章〜ヒズミルの町の残念な人たち〜
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久々の友人と念願の活躍と残念なアホ

 どうしよう。クランネが幽霊屋敷に閉じ込められてしまった。


 「まあ大丈夫か。」


 「ご主人様何言ってんの!?助けなきゃー!」


 いやわかってるよ。ただちょっと⋯⋯面倒事の臭いしかしなくなってきたから、なんとなく関わりたくないなって。


 「とりあえず他に入れるところを探すか。」


 そうしてその場から動こうとした時、後ろから声がかかった。


 「どうかされましたか?シオンさん。」


 振り返るとそこに居たのはヒズミルの門兵で俺の初めて人間界で作った友達である、カイが居た。


 「おう久しぶりだなカイ。ここの屋敷に仲間が1人入って行ったっきり扉が開かなくなってな。他の入口を探そうとしていたんだ。」


 するとカイは考え込むように顎に手を当て何かを思い出したようだった。


 「確かここの屋敷の扉が開かなくなった時は扇情的な服装をした女性を連れていくと開くようになるらしいですよ。」


 なんじゃそりゃ!と言うかなんでカイはそんなことを知っているだ、謎すぎる。そう思っていたら、ちょいちょいと袖を引っ張られる。すると


 「(ニッコリ)」


 得意な顔で胸を張る淫魔さんが居た。


 そうですね。君はそういうの得意そうですね。


 「やっと、やっとこのカラダがご主人様の役に立てるよ⋯⋯」


 感慨深そうに呟くリリ。いつもの軽い口調ではなくなっていた。


 「そ、それじゃあリリにお願いしよう⋯⋯かな?」


 「はーい!!!頑張りまーす♡」


 これで屋敷の中に入る手段は確保出来たみたいだ。本来ならクランネを助けるために一刻も早く屋敷へと入るべきなのだろう。だが、俺はずっと持ち続けていた一つの疑問を解消してから屋敷へ行くことにした。


 「カイ、一つだけ質問があるんだが⋯⋯」


 「何でしょう?」


 「前にあった時、宿屋を紹介してくれたよな?あそこにお前は行ったことあるか?」


 「いえ、ありませんが。僕はこう見えて情報を集めるのが大好きでして、あの時はシオンさんが言った最高級のベッドと客の評価が高い。をもっとも満たすと思われる宿を紹介させていただきました。」


 やっぱり素でやらかしてたー!!!


 カイの中ではサキュバスの宿も普通の宿も同じ宿なんだな⋯⋯。今度から質問する時は詳細に条件を決めないと地雷を踏むかもしれん。


 「え?ご主人様をウチの宿に紹介してくれたのってキミなの?おー!グッジョブだよー!」


 「それは良かったです。では僕は行くところがあるのでこの辺で。」


 「じゃあな。」


 「バイバーイ!」


 さて丁度誰もいないし入るか


 「リリ、その⋯⋯どうする?」


 「まってて、すぐ脱ぐよ!そのまま襲っちゃってもいいよ♡」


 「急ぎだから冗談はそのへんにな。」


 「冗談じゃないのにー!」


 そうしてリリが着替え終わった。というか脱ぎ終わった。


 リリの服装は上下ともに紐みたいな下着でニーソは履いたままだった。剥き出しの太ももに自らの尻尾を巻き付けているところが何とも⋯⋯。流石少女サキュバス、思春期頃のどこか背伸びしつつも幼さの残る色気とミスマッチさを武器にして攻めてきたか。


 よし鋼の理性発動!ふう危ない。


 「ご主人様どーお?」


 「めちゃくちゃ可愛いと思うぞ、神様も落とせそうなくらい」


 「いつもよりめちゃくちゃ好評だった!?え、襲う?」


 「襲わない。」


 と茶番を交えつつ扉の前に立つ。すると扉の奥から声が聞こえてきた。


 「うむ、合格だ。それに男連れならば丁度いい。さあ入ってくるがいい。」


 すごく入りたくなくなったが、残念なことに扉が開いてしまった。


 「リリ、ゴーストは思ったよりヤバいやつかも知れん。気をつけろよ。」


 「いつかはご主人様に気をつけたいなぁ。」


 中に入ると昼間なのに薄暗く、屋敷の奥の方はもっと暗かった。


 「さてクランネは⋯⋯。あいつの事だから扉が閉まったとわかればその場にうずくまって泣いてそうだが⋯⋯見当たらないな。」


 「奥かなー?」


 ちなみにリリには屋敷に入ってすぐに俺の上着を羽織ってもらった。そんないつまでも鋼の理性は続かんからな!


 「アタシはサキュバスだから夜目がきくけど、ご主人様は?」


 見える、と言いそうになって留まる。普通の人間なら見えづらいはずだ。


 「魔法で明るくするか。『(ライト)』そう言って俺は簡単な聖属性魔法を唱えた。」


 「ご主人様って聖属性魔法使えたんだー!ならゴースト来ても大丈夫かな?」


 「初歩しか使えんからな。せいぜい逃げれるくらいだろう」


 もちろんこれは嘘だ。というか聖属性でもっとも強い魔法より俺の本気のデコピンとかの方が圧倒的に強い。


 しばらく廊下を道なりに進むと正面の道は壁に突き当たり、左右へ曲がれるようになっていた。そして、正面の壁の下には人が倒れていた。


 言わずもがなクランネである。


 「あ!クラネっち!大丈夫かー?」


 そう言ってリリはぺちぺちと頬を叩きクランネに気付けをする。


 「うぅ⋯⋯んー⋯⋯。⋯⋯はっ!」


 「起きたか。大丈夫かクランネ、俺が誰だかわかるか?」


 「あなたは⋯⋯私のことが大好きで大好きでたまらないシオンさんですぅ⋯⋯。」


 どうしよう!クランネがゴーストに脳をやられた!


 「くそ⋯⋯間に合わなかったか。」


 「クラネっち⋯⋯ごめんよー⋯⋯。」


 「わたしは正気ですよぉ!」


 正気らしい。本当かー?


 「それでなんで倒れていたんだ?」


 「扉が閉まる音が聞こえてぇ、振り返ってみたら誰も居ないじゃないですかぁ!それで怖くて目をつむって走っていたら何かに頭を打たれて、そのままバタンですぅ。」


 バタンですかー、それ自分で壁に突っ込んで気絶しただけだな。


 「ともかく来てくれて良かったですぅ!ふぇぇん。」


 安心して気が緩んだのかクランネは泣き出した。そのまま近くにいたリリの服に顔を埋め、ずびーっと鼻をかんだ。


 汚ねえ。うちのリリさんになんてことするんだ!それにその上着は俺のだ!


 するとリリが


 「クラネっちご主人様で鼻をかまないで!ティッシュあるから!」


 と言っていた。あれ?抱きつかれていたのはリリじゃないの?


 そう思ってクランネが顔を埋めていた布を見ると


 「ふむ、これが美少女の鼻水か。」


 布が気持ち悪い声で喋っていた。



明日は所用で更新出来ないかも?

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