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神様が仕事を放棄して下界に降ります  作者: 三宮 琳
第一章〜ヒズミルの町の残念な人たち〜
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職業選択の自由!

 やって参りました、2度目の冒険者ギルド。前回は色々と知らなさすぎたからな。今回こそちゃんと登録できるだろう。


 「すいませーん。登録お願いします!」


 そう言って俺はギルドの扉を開け受付へ向かった。


 「あいつ⋯⋯謎の宗教の⋯⋯。」


 「謎の新人(ルーキー)⋯⋯。」


 「噂だと隠れ邪教徒かもって話だぜ⋯⋯。」


 とたんギルド内の冒険者達が騒がしくなったが、まあそんなことを気にしていたらやってられない。


 俺ははやく冒険者になって、安定した収入を得れるくらい働くんだっ!


 ⋯⋯あれ?⋯⋯休暇中じゃなかったっけ?


 迷走しそうになった思考を頭を振って消し飛ばす。


 「あら、こんにちは。昨日の旅人さん。」


 受付は昨日と同じお姉さんだった。


 「無事スキルを所得できました。登録をお願いします。」


 「そうなんですか!おめでとうございます。ではこの紙に記入をお願いします。」


 そう言って渡された紙に、俺は必要事項を記入した。


 「はい、ありがとうございます。シオンさん⋯⋯年は18歳。所持スキルは⋯⋯3つですか!初めから3つなんて珍しいですよ!『逃亡』、『収納』、『聖属性魔法』と、Aランク冒険者も夢じゃないですよ!」


 そう言って受付嬢は驚いた顔をする。ちなみに冒険者にはその活躍によってランクが与えられ上から順にS、A、B、C、D、Eとなっている。初めは誰もがEランクからはじまるが、Aランク以上になると、所属している国から認められ、特権を与えられる。まあ貴族のようなものになるらしい。


 「Aランクですか?」


 「ええ、『逃亡』はよく分かりませんが、『収納』、『聖属性魔法』は優遇されるスキルですよ!」


 「へえ、それはどんなふうに?」


 「『収納』を持っていると、冒険者稼業と並列して商人にもなることができますし、『聖属性魔法』は回復や浄化の需要に対して使える人自体がとても少ないので、重宝されるんです!それに、かのアルアーラの勇者様も『聖属性魔法』の使い手なんですよ!」


 と少々興奮気味に受付嬢は語る。それに苦笑いしながらも相づちをうつ。


 「それで⋯⋯もう登録は完了ですか?」


 「いえ、最後に冒険者としての『ジョブ』を選んでもらいます。」


 「『ジョブ』ですか。それはどうやって選ぶんでしょう?」


 「この魔道具を使ってですね。」


 そう言って受付嬢はカウンターの上に真っ白な紙を置いた。


 「この紙は対象の人が就けるジョブを表示するものでして、ちょっと魔力を通してもらってもいいですか?」


 そう言われたが神は魔力を持たないので、とりあえず神気を通してみたが、問題なく魔道具は動作した。


 「はいありがとうございます。どれどれ⋯⋯っっっ!!!」


 急に受付嬢の顔色が変わったので、また何かやらかしてしまったかと俺は焦る。


 「すごいです!シオンさんすごいですよ!見てくださいこれ!!」


 そう言って紙を差し出されるとそこには


無職(ノージョブ)』シオン

 可能職業→勇者、聖騎士、大商人、上級神官、斥候


 と書いてあった。聖騎士とか神官はわかるけど勇者??マジで??


 「ヒズミルの町から勇者様が誕生するなんて⋯⋯私、感激です!」


 受付嬢さんも大興奮みたいだ。優しく知性的なお姉さんだと思ってたが、子供みたいにはしゃいでいる。そんなに勇者の職はすごいのか。


 「勇者だと?」


 「あいつ何者だっ!?」


 冒険者たちも驚いてこちらを見ている。


 「この中からなりたいジョブに指を当てて魔力を通して頂くと、この紙がそのままギルドカードに変わります。さあ!どうぞ!」


 「わ、わかりました。」


 急かされるままに俺は紙を受け取る。まあ⋯⋯せっかく手に入れたジョブだ⋯⋯。これにするのもアリだろう。


 そう思い俺は斥候(・・)の文字に指をあてて神気を流した。


 するとギルドカードが淡い光を放ち、手のひらに収まるくらいのカードへと変形した。そこにはしっかりと


『斥候』シオン

 スキル 『逃亡』 『収納』 『聖属性魔法』


 と書かれている。


 「よし、できました。手続きありがとうございました。明日から依頼を受けようと思うのでよろしくお願いしますね!」


 そう言って俺は冒険者ギルドを出ていった。すると1拍遅れて中から


 「えぇぇぇぇ!!!」


 と多くの人の叫びが聞こえてきた。


 いや、勇者になんかなるわけないだろう。前に転生神も言ってた通り、勇者は神に目をつけられる筆頭だからな。


 いやーそれにしても『斥候』のジョブが出てくれて良かった!沢山居そうだしな!身を隠すには持ってこいだ。明日から依頼を頑張ろう!まずはDランクが目標だな。


 そう考え、俺は再び町の観光へと戻った。
















 天界


 「それでは皆の者、第1回妹神様対策会議を行う。」


 「はいはーい!宰相!何をすればボクたちの勝ちなのかな?」


 「む、遊戯神⋯⋯勝ち負けではないが、妹神様が神王城に帰られる前に神王様を連れ戻すことができたら目標達成だな。」


 「よろしいでしょうか。」


 「何だ豊穣神。」


 「妹神様が帰られるまでの猶予は?」


 「二ヶ月だ。何としてもそれまでには⋯⋯。」


 「では、人間界にいる私の派閥の神に声をかけておきますね。」


 「有難い、お前のところの白女神は人間界では絶大な支持があるからな。助かる。」


 「ねえねえちょっといい?」


 「どうした転生神。」


 「神王様ってすごくたくさんの仕事をしてたんでしょ?居なくなって大丈夫なの?」


 「それなら僕と宰相で何とか間に合わせているよ。でもしかしすごい量の仕事だ、兄さんが帰ってきたらもう少し減らしてあげいないとね。」


 「弟神様にさらなる負担をかけてしまい申し訳ありません。」


 「いいんだ宰相、誰が悪いわけでもないのだから。」


 「(騙して仕事させていた、だなんて言えない。)」


 「ふーん。そう、まあいいわ、わたしも勇者君に伝えてみるわね。」


 「そうしてくれ、ただ下級神であれば神王様のことを話してもよいが、人間には話すなよ。神王城の威信のためにもあくまでも天界から逃げ出したはぐれ神ということにしておけ。」


 「わかりました。そういえばですが人間界に居る多くの下級神やその信者達は、神王様のお顔を知らないのでは?」


 「そうね、どうやって探させるのかしら?」


 「その問題もあるな。とりあえずは神気を放つ見知らぬ神は引き留めて天界に報告せよ、と指示しておこう。」


 「ボクがいちばんに見つけてみんなに勝つぞー!」


 「おお、心強いな。ではこれにてお開きにしよう。皆の者お疲れであった。」


 その言葉で会議は終わった。





勇者になんかなるわけないだろ!

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