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神様が仕事を放棄して下界に降ります  作者: 三宮 琳
第一章〜ヒズミルの町の残念な人たち〜
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シオン先生のスキル講座

 翌朝、シオンはスッキリと目覚める。


 「ふあー⋯⋯。流石、最上級のベッドだな⋯⋯。最高の寝覚めだ。」


 気持ちよさそうに伸びをする。


 「『サキュバスの宿』⋯⋯至福のひと時を謳うだけあったな。何でこんなところに泊まってしまったか今でもよく分からんが、結果的には良かったかもしれない。」


 そう言って彼は町へ繰り出すための朝支度を済ませ、鍵を返すために受付へ向かった。


 「ひどいですよーお客さん!部屋に何か細工しましたねっ?せっかく癒してあげようと思ったのにー!扉も窓も屋根裏も開きませんでしたー!」


 すると昨日の受付のサキュバス少女が拗ねていた。


 ちなみにもちろん細工した。具体的にいうと部屋に結界を張ってみた。そりゃもう全力で神気を込めて。上級神くらいの一撃なら完璧に防ぎきれるくらいのやつを。



 「もしかしてお客さん女の子に興味無いんですかー?」


 「そんなことない。昨日だって理性を保てるかどうかわからなかったから結界を張ったんだ。」


 とりあえずは相手の顔をたててみる。


 「なんだー。良かったー、アタシに魅力ないのかと思っちゃいましたよー。でもぉ、せっかく据え膳が飛び込んできてくれるんですからー、ちゃんと食べなきゃだめですよー♡」


 サキュバス的にはその言い訳で正解だったようで、サキュバス少女⋯⋯確かリリだったか、は機嫌をなおしたようだった。


 「また来てねー♡」


 そう見送られ、俺は宿を出た。


 「さて、今日の予定は⋯⋯まずは冒険者ギルドにもう一度行って冒険者登録だな。」


 前回はスキル授与を済ませてなかったので冒険者になることができなかった。


 ちなみにスキルのシステムに関しては本来、教会で詳しく説明されるのだが、悲しき事件のために有耶無耶になっていたので、シオンは本の知識をもとに自分なりにまとめてみた。


 通常、スキルは16歳の成人の儀と共に授かる。


 授かったスキル以外にも己の修練によりスキルを手に入れることが出来るが、そのスキルが発現するのは教会でスキルを授与された以降である。


 成人になる前までにスキルを手に入れることが出来るほど修練に励んでいた場合は、成人の儀の時に複数のスキルが発現する。


 またその人間の経験にならって新たなスキルが神から与えられたり、既存のスキルが上位互換へと進化したりする。⋯⋯こんなもんか。


 つまり俺にも『逃亡』スキル以外のスキルを手に入れることが出来るわけである。


 が、しかし!俺は人間界に休暇に来たわけであり、スキルのために修練をして時間を割かれるのは面白くない。


 そこで注目したのがこの部分、


『新たなスキルが神から与えられたり』


 はい解決!!!自分でスキルを作って自分に与えちゃえばいい!


 そもそも何故、わりと全能である俺がこんな面倒臭い一手間をかけてからスキルを手に入れようとしているかというと


 スキルも持っていないのに、神の力を使ってスキルと似たようなことをすると悪目立ちすると思う。するとスキルを授与するこの世界の神に目をつけられるかもしれない。


 そうすると休暇を満喫するのが難しくなってくる。それは絶対に嫌だ。


 だからといって俺の力をそのままスキルという形にするとたぶん『なんでもできる』スキルとかふざけたものができると思う。それも目立つので同じ理由でだめだ。


 だから俺は、俺の力を小分けにしてスキル化し、自分に与えることにした。


 これならちょうどいい量のスキルを取れて、鑑定された時も誤魔化せる。


 我ながら良案だと思いながら、さっそくスキル制作をはじめた。


 と言っても神であればだれでもスキルを与えれるため、作るのも簡単で、神気を込めながらそのスキルで具体的に『何』ができるかをイメージし、与えたいと願うだけだった。


 そこで俺の追加で取ったスキルはこの2つだった。


『収納』⋯⋯魔力量に依存した体積の空間を作り出し、そこに物を出し入れできる。生物は不可。


『聖属性魔法』⋯⋯聖属性の魔法が使える。


 1つ目の『収納』を取った理由は簡単。持ち歩いてた本が邪魔くさかった。それだけ!


 2つ目の『聖属性魔法』を取った理由も大したことはない。俺は人間界では旅人として振る舞うとは言ったけれど、パンツやらサキュバスやら余りにも神っぽくないので、せめて聖なる力でも持っておこう。そんな心からだ。


 うん、我ながらくだらない理由で決めちゃったな。でもいいか、便利そうだし。


 ちなみに魔力量依存の『収納』は俺が使うと神気量依存になるみたいだ。つまり無限。やったね!チートだ。もちろんこの事は隠すがな!


 チートなんてバレたら有名になって神様の耳にまで届くかもしれない。


 あくまでもゆっくり旅しながら人や文化、自然と触れ合っていくのが俺の理想だ。


 まあその理想を叶えるために、冒険者として働かないといけないというのは少し本末転倒な気もするが⋯⋯。人間界の文化体験ということで目を瞑った。


 スキルに関しては長くなってしまったがこんなもんだ。よし、改めて冒険者ギルドへ行こう。


『神王』は『スキル』を2つ手に入れた。





冒険者になれるまでが長いシオンくん。

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