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間話「リニスとリニス」
水の中で溺れているみたいに息が出来ない。
あの男が言った事は嘘だって分かってる。
だってあんなに優しい人が私を殺そうなんて考えるはずがない。
それくらい私にだって理解できる。
でも、心の奥底にいるモノが私の考えを否定する。
『目ヲ覚マセ』と。
私はもう解放されたいと思っているのにアレは、心にしがみついてくる。
疲れたな。
顔も身体も何だか痛いし、でも感覚もだんだん無くなってきた。
このままアレに全てを投げ出したら楽になれるのかな?
『クレルノカ?』
「うん。私をあげる」
『スベテヲカ?』
「アナタが望んだ私の全てを」
『ナラバオマエガ望ンダオマエニナロウ』
「私が望んだ私……?」
『兄ヲ超エル存在ニ』
「……そんな事を望んでたの?」
『ソウダ』
「アナタは一体誰なの?」
『リニス・アルファール』
「アナタも私……。どっちが本当の私?」
『ドチラモ同ジ』
「そっか……分かった……」
『ナラバ少シ休メ』
「うん。もう眠たくなってきたから……」
冷たく暗い意識の底から、激しく沸き立つ『怒り』『憎しみ』『悲しみ』『嫉妬』に包まれたリニスは、安心したようにゆっくりと意識の底、奥深くへと堕ちて行った。
『サア、目ヲ覚マそう、リニス・アルファール。狩りの時間だ』




