第9話 市川博士の『次元フルーツタルト』の巻
帝都科学技術省第七ステーション所長執務室
午前10:30
ネコトロン「ティータイムのお時間ですにゃ。
今日はイングリッシュブレックファーストですにゃ」
アイゼル「ありがとう、いい香りだ」
次の瞬間、応接テーブルの上に何かが実体化し始めていた。
アイゼル「来たっ!……アイツだっ!!!近寄るなッ!!!」
実体化したのは直径1mはあろうかというフルーツタルト。
果物盛りだくさん、カスタードクリームは艶々といかにも美味しそうである。
アイゼル「食べるなよっ!食べるなっ!!!」
市川博士からホログラム通信が入る。
市川「やあやあ、皆さんお元気ぃ?
おやつの時間でしょ。
ウチの栽培システムで実った果物を
たっぷり使ったフルーツタルトだよ。
名付けて『次元フルーツタルト』!
美味しそうでしょ!楽しんでね!」プチッ!通信は切れた。
アイゼル「『次元』だとぉ!!!
食べるなよッ!!!」
ところがネコロンが美味しそうなタルトに惹かれて端っこをパクり!!!
ネコロンの身体が、タルトの中に吸い込まれていく!!!
ネコトロン「ネコローーーンッ!!!助けるですにゃっ!!!」
ネコルン、ネコラン、みーちゃんまでタルトの中に
吸い込まれてしまった。
タルトも消滅してしまう!!!!!
アイゼル「何処へ消えたぁあーーーーーーーっ!!!」
アイゼルは猫ロボクインテットたちが、どこに行ってしまったのか解明しようと
するが、量子レベルで痕跡が消えている。
その時、ホログラム通信入信の音!
アイゼル「市川かっ!?!?」
ホログラム通信は皇帝府からだった。
アイゼル「皇帝府?!?!……な、何で?!?!」
アイゼルは通信を開く。
画面には苦虫を噛み潰したような顔をしたメルケル侍従長。
そして侍従長の後ろには、果物まみれクリームまみれの猫ロボクインテットたちの姿。
アイゼルは真っ青になった。
メルケル「テイラー博士。
あなたのところの猫型AIが皇帝陛下執務室の冷蔵庫に
転送されてきました。
現在、冷蔵庫から救出は致しましたが、
これは一体どういうことですか?」
アイゼル、土下座せんばかりの勢いで、
アイゼル「も、申し訳ございません……実験の失敗でございます」
(タルトを送ってきたのは市川なのに、
何で俺が謝罪させられるんだよ!!!!)
メルケル「猫型AIたちは転送でそちらにお返しします。
以後はこのようなミスがないようにしてください」
アイゼル「ははっ!心得ましてございます!
誠にあいすみませんでした……」
通信は静かに切れた。
皇帝陛下執務室ーー
皇帝陛下「タルトは美味かったがの」
メルケル「次回の晩餐会の目玉としてもよろしいかもしれませんね。
直径1mのフルーツタルトはインパクトがございます」
アイゼル所長執務室ーー
猫ロボクインテットたちは果物クリームまみれで帰還した。
みーちゃん「冷蔵庫は寒かったみー……マスター……」
ネコルン「ロイヤル冷蔵庫はすごくでっかかったにゃ……」
ネコトロン「ロイヤル冷蔵庫の温度湿度管理は万全でしたにゃ……」
ネコロン「タルト、美味しかったにゃ」
アイゼル「ネコロン!学習しなさいっ!!!」
市川博士からホログラム通信。
市川「飛んだ?飛んだ?
ほうほう、陛下の執務室冷蔵庫まで!
ウチのタルトは御前直送可能っと!(メモしている)」
アイゼル「お前が飛べぇぇぇぇええええええええーーーーーーっ!!!」




