第10話 惑星キュビズムからのお客様の巻
帝都外務省は朝から緊張していた。
今日は惑星キュビズムから代表が帝都を正式訪問する日なのだ。
外交官たち「マクワチャの悲劇を忘れるな!何が起こっても気絶するなよ!」
(惑星マクワチャで一体何が起こったのか?!?!?!)
外務省職員「惑星キュビズムの代表団のお着きです」
外交官は拍手をもって代表団を迎える。
惑星キュビズムの代表はAさんとBさんである。
市川博士のヘンなお菓子で惑星キュビズムに飛ばされた
猫ロボクインテットに親切にしてくれた人々である。
Aさんは幾何学模様が織り込まれた美しいローブをまとっており、
三面の顔に、にこにこ笑顔を浮かべている。
Bさんは、立体的に仕立てられたローブを着ている。とても凝った仕立てだ。
Bさんも三面の顔ににこにこ笑顔である。
外務省大臣が「ようこそ、フォルディア帝国首都へ。
遠路はるばる、ようこそお越しくださいました。
これからあなた方と我々は友好の橋をかけましょう」
A「#%^&@@¥_$$$$$$?!“「^_^=+*%#####%%%^^^$$$$」
通訳官「歓迎してくださって嬉しいと仰っておられます」
B「#y@@@@@@¥&林《。¥&@€£~$_”””**^%###%%^*+===\\\\\\\」
通訳官「えー、友好を私たちも求めていると仰っておられます」
外交官「おもてなしとして、オレンジケーキと
オレンジジュースをご用意致しました」
A「=+++¥&@€£€£@&¥%%%%#####’n@;:;:@@@」
通訳官「オレンジジュースの飲み物の容器を四角柱にして欲しいとの事です。
その方が、より美味しく思えるそうです」
外交官小声で「探せ!四角柱の容器を!!!!」
調理師「牛乳パックをカットする形でいいですか?」
外交官「いい!早く早く!!!」
B「#y&@####*^^!!!?¥&l;:%#%%%@@&_$$$$¥^_^~%#####」
通訳官「ケーキも鋭角にカットして欲しいとの事です。
美しい角度だと美味しさもアップするそうです」
外交官小声で「鋭角ってどれくらいだよ?45度?」
外交官・数学科出身「10度でいけ10度!!!急げ!!!」
調理師「10度でカットします」
ケーキはケーキナイフみたいになった。
A「¥&@€£~£€$$$$$$$^%#¥&@@@@@£€~^^^***#%#%#%%%%」
通訳官「ケーキを載せる皿は丸ではなく、四角か六角形で、と
仰られております。丸では美味しさがなくなるそうです」
外交官「四角の皿は無いのか?!?!」
調理師「ティッシュの箱を切れば何とか、、、」
外交官「急げ急げ!!!」
四角柱のドリンクカップと四角い皿が出来上がった。
調理師がオレンジジュースを注ぎ、ケーキを皿に載せる。
カップと皿は全部紙製だが、いいのである。
ーー外交とは「カタチ」だ。
AとB「#,&&@¥%#$$$_@@&¥&“「」^_^%%%#%^*+++=\\\\$$@&¥」
通訳官「とても美しいもてなしだ、最高に嬉しいと仰っておられます」
外交官「良かった、、、、」
外務大臣「友好を記念して乾杯しましょう!」
通訳官がAさんとBさんに通訳している。
通訳官「喜んで、だそうです」
その場の外交官たちとキュビズム人たちが
牛乳パックのカップを上に掲げる。
その時、飲み物からチョコレートそっくりな香りが漂った。
外交官「何事?!」
通訳官「友情を記念して、キュビズムの果汁を少し混ぜたそうです」
外交官たち(覚悟を決めて)「乾杯!!」
外交官(角ばった味がする、、、、)
フォルディア帝国と惑星キュビズムの友好関係は強固なものとなった。
外交官の皆さん、通訳官の皆さん、調理師さんたち、お疲れ様。
今日もまた、帝都の外交は奇跡的に守られたのであった。
補記6
「マクワチャの悲劇」とは、フォルディア帝国外交使節団が、
初めて「マクワチャ」を訪れた時、
マクワチャ側が大変喜んで
地酒「サルミッケン酒(アルコール99度・黒い・甘塩苦薬草風味)」で
乾杯したいと言ったことに発する。
「乾杯』と言ってサルミッケン酒を飲んだ
外交官総勢30名のうち、
25名がサルミッケン酒のあまりの味に耐えられず気絶した。
気絶しなかった者は旧地球北欧圏に先祖を持つ者だったらしい。
この事態にフォルディア側もマクワチャ側も焦ったが、
何とか友好的に丸くおさまった。ーーーーこの事件?を称して『マクワチャの悲劇』という。
新人外交官は必ず聞かされる話ーー外交官たる者、丈夫な舌と胃を持てと。




