第3話 市川博士の『クロノ・モンブラン』の巻
帝都科学技術省第七ステーション所長執務室
午前10:30
ネコトロン「カフェ・ブレイクのお時間ですにゃ。
今日はホットカフェ・オ・レですにゃ」
アイゼル「うん、休憩しようか」
その時!
応接テーブルの上に突如実体化したどでかい魔導ボックス!!!
魔導ボックスは某猫型ロボットの四次元ポケットと同じで、
内容量は無限大。好きなだけ入れられる。
市川博士からホログラム通信が入る。
市川「やあやあ、皆さん、お元気ぃ?
おやつの時間でしょ、
美味しいお菓子を送ってあげたよぉ!
名付けて『クロノ・モンブラン』!
食べたら季節感を感じられるお菓子なんだ!
感想聞かせてねぇ〜じゃあねぇ〜」
アイゼル「『じゃあねぇ』ではない!!!
近づくなよっ!!!」
魔導ボックスがバカっと開く!
山のようなモンブランが出てくる!!!次から次へと!!!
アイゼル「この量!!!転送で送り返せ!」
スイーツ大好きなネコロンがつい、モンブランをパクリ!!!
途端に執務室に晩秋の冷たい風が吹く(窓を閉めているのに!)。
窓の外に舞う枯れ葉!!
ネコルン「枯れ葉よ〜にゃ〜ん」
ネコトロン「有名シャンソン歌ってる場合じゃないですにゃっ!!
さっきまで季節は春でしたにゃっ!!」
ネコロン「気象コントロール装置の故障かにゃ?」
ネコトロン「違いますにゃっ!!
市川博士のヘンなお菓子のせいですにゃっ!!」
みーちゃん「猫じゃらしは春と夏しか生えないみー(泣)」
ネコラン「どうするにゃ?!?!」
ネコトロン「戦いですにゃっ!!『食戦』ですにゃっ!!
皆、スプーンを持つですにゃっ!!
食べて食べて食べて食べまくるですにゃっ!!
この季節を食い尽くすですにゃっ!!」
アイゼル「そうだな、『食戦』開始だっ!!
私も食べるぞ!」
ネコロン「食べるにゃ!!モンブラン大好きにゃっ!!」
ネコルン「カロリーなんて気にしないにゃっ!!」
ネコラン「吸引装置稼働っ!!!」ゴガーッ!!!!
みーちゃん「頑張って食べるみー!」
皆、モンブランの山に突撃ーーーーッ!!
数時間後ーーーー
ネコトロン「、、うっぷ、、、後、、ふたく、、ち」
ネコロン「、、胸、、焼け、、」
ネコルン「、、もう食べられ、、にゃい、、、」
ネコロン「、、、お腹、、いっぱ、、い、、」
ネコラン「(スプーンを持ってうつ伏せ、、、戦死)」
みーちゃん「あと、、二口は、、みーが食べるみー!!」
みーちゃん、パクパクッ!!!
空気がキラキラーン!
春の空気が戻ってきた。
帝都の人々は知らない。今日の異常気象を正したのが、小さな5匹の
猫型AIたちの奮戦だったことを。
アイゼルは篤く猫ロボクインテットたちを労った。
アイゼルはご褒美にカフェ・オライオンのオレンジケーキを奢ろうとしたが、
猫たちは「当分甘味はいいにゃ、、、塩煎餅最高!」と言っていた。
補記2
第一ステーションは、農業技術に特化した研究施設である。
軍事防衛省とも共同で、軍用レーションの開発を行っている。
所長の市川康治博士は、明るく気さくな人物で、部下からの信頼も厚い。
――ただし。
新作の試作品が完成するたびに、周囲を巻き込むトラブルを引き起こすため、
第七ステーションでは密かに「お菓子テロリスト」と呼ばれている。




