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解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
合同探索・遺跡ダンジョン

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84 正攻法は往々にして効かない

明日からは昼更新に戻ります。

 ガイアスさんに見に行ってもらうと、本当に逆鱗がないらしい。変異種だろうか。確か、魔法もあまり聞かないと言っていた筈なので、魔法で逆鱗を攻撃するという事も出来なくなる。


 しかし、反面、それ以外のどこかしらに弱点は存在する事になる。弱点の無い生き物はほぼ居ないのだ。弱点が逆鱗でない以上、正面は危険でしかない。かと言って、正面をがら空きにする訳にもいかない。


 現状は積みだが、これだけの人数が居るのに簡単にあきらめる訳にいかない。


 どうする……どうする?

 

 流石にあの巨体に近づける反射神経と勇気はない。そうなると私の解析スキルは使えないのだ。”鑑定”だけで全てが見えればいいのだが、弱点までは探れない。


「イクリスさん、剣で何とか傷をつけて体の一部を持ってくる事は出来ますか?」


「セイカの強化魔法を使えば、あるいは」


「……じゃあ、お願いします」


 死地に飛び込めという事になるので、頼みたくは無いが、現状は他に手が無い。


「アルファ!ヘイト管理頼んだぞ!」


 イクリスさんが大声で合図を出し、セイカさんがいくつも重ね掛けをしている。


「”迅速””腕力強化””脚力強化””シールド””跳躍”」


 これだけの魔法を重ね掛けを出来るのは幾人も居ないという事は、私でも分かる。ハラハラとしながらも光が重なり輝きが増すが、危険は変わりないので、見送るしかないのが辛い。


「よし、行ってくる」


 イクリスさんとガイアスさんにありったけの強化魔法をかけると、2人は飛び出していった。拘束されながらも前面にいるアルファさんに気を取られている隙に、地面を翔る。


 何しろ体が大きいので攻撃が届く範囲に限度がある。足に攻撃した所で、体を支えるそれが弱い訳は無い。


 後ろに回ると、なるべく動きの少ない尾の付け根を狙う。


 ガッ!!


 激しい音がするが、固すぎて刃が通らない様だ。二人が何度も切りつけるので、ヘイトが取り切れなくて首が尾の方に向いていく。そこでベルジュが呪いを一瞬解くと、シールドの衝撃波を飛ばす。


 ベルジュの衝撃波がそれほど強かったのか、左足で踏ん張るが後ろに一歩下がった。すごい……。


「うわっ……!」


 イクリスさんの方に視線を戻すと、ドラゴンの固い表皮に耐え切れず、剣が砕けていた。



「!!」


 ドラゴンが、ブンッと尻尾を振り切って、尻尾側に居た人をなぎ倒す。


「ぐっ」


 ガイアスさんまで飛ばされて、血を吐いた。

 ドラゴンが大きく動いた事で、私も大きく引っ張られる。今はまだベルジュと一緒に踏ん張れているが、もうすぐ限界がくるだろう。

 

 反対の城の騎士の攻撃は、全くもって通じていない様だ。ぐるっと体を半回転したしっぽになぎ倒されている。


 「!!」



 私の足元になぎ倒された騎士から転がって来た武器が目に入る。


 これだ!


「イクリスさん、その剣をこちらに投げてください!代わりに城の騎士から剣を貰って下さい!」


「えっ……」


「いいから!」


 私の焦った様子を感じ取ったのか、釈然としないながらも地面の上を滑らせて剣を放ってくる。


「ベルジュ、5分程頼める?」


 私がそう言うと、ニィと朝焼け色の目を細め低い声で言う。


「あまり持たぬぞ」


 そうは言っても腕から出す呪いの力を増やし、私のフォローをしてくれる。恩に着るよ!!

 私は足元まで滑って来た剣に手を添え、スキルを使う。剣が砕けたという事は、敵に確かに触れた……私にしてみれば”物が情報を読み取ることが出来る”と言う証左に他ならない。


”解析”!!


 喉……には確かに何も無い、尻尾にも何も無い……。


 行使する時間が長ければ、それだけ体を酷使しているのと同義だ。目はもはや焼けそうに熱く、視界は弾ける寸前だ。もう少し持って……!


 翼……角……目。


 パチンッ


 目の酷使のし過ぎで目が眩んだ。ここの所の冒険への同行で気付いたが、力が強い物を視る時ほど、目の負担は大きいらしい。


「あ…………」


 目を抑えると、隙間からぱたぱたと血が漏れて、地面に染みを作る。


「セルフィさん!」


 思わず片膝をつく私に、セイカさんが慌てて駆け寄って支えてくれるが、私はそれどころではない。


「後頭部の角と角の間を攻撃して下さい!」


 治療してもらっても、すぐに視力は戻らない。無傷な方の目で戦況を見ていると、イクリスさんが城の騎士から剣を受け取り、ガイアスさんと顔の方へ走る。


「私も行ってくるわね」


 サーリャさんも、先頭と合流する為に身を翻した。


『はよせい。一人だと呪いの力の減りが早い』


 この状況の私に更に労働を強いるとか、環境が鬼すぎない?終わったら、ぜぇぇぇったい休みをぶんどるぞ!


”支配の王笏”を構え、一呼吸。


「やっ!」


 気合の入ったそれは、先ほどよりも強い茨を生み出していく。

 肩に呪いのアーティファクト、手には”支配の王笏”。今の私はとんだ危険物だ。肩のベルジュを見ると、いつになく真剣に物事に向かってくれているので、こんな時だけど嬉しくなってベルジュに言った。


「もう、奴隷と主人の関係性から一歩進んだね」


『誰が奴隷か!!』


 ドラゴンの顔の方を見ると、アルファさんと”放浪”の戦士さんがヘイトを取り直していた。イクリスさんとガイアスさんには”跳躍”の魔法がかかっている。これなら頭の上にも行けそうだ。


  視力の戻らない目に、剣の煌めきだけがチカチカと目に入る。”支配の王笏”を行使しながら目を凝らすとイクリスさんがドラゴンの頭の上で、剣を高く掲げている所だった。


宜しければ、★とかブクマとかいただけると、五体投地します。気が向きましたらお願いします。



https://ncode.syosetu.com/n7740mi/

文章とも言えない文章を書いていた時のSSです。

魔王と勇者が手を取りあうお話。

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