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解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
合同探索・遺跡ダンジョン

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71 古代人の名残

明日は夕方頃に投稿に来ます

 カツンカツンと硬質な床を歩く音だけが辺りに反響している。何かの口の中に入って行くような閉塞感を感じて不安だ。どんどん息苦しくなる。


「鎮静魔法かけますか?」


 横から話しかけてくるのは、セイカさんである。


「そんな顔色悪かったですか?」


「ええ、かなり」


「……じゃあ、お願いします」


 セイカさんは私の前へ回り込み、おでこの辺りに手の平をかざす。


「”鎮静”」


 そうすると不安な気持ちがすーっと収まってくる。私は軽ーいとは言え、暗所恐怖症と閉所恐怖症なのだ。ダンジョンと言うのは、私にとって過酷なのである。両方とも、他の人が居るとマシなので我慢できる程度なのだが。


 そういう意味では、今はベルジュがいるので助かっている。


 しばらく歩いているといると、私達でも分かるドアの輪郭が見つかる。例の如く横にプレートが有り、タッチして反応させてからドアを潜る。


「これは……」


 室内は、ほぼ同じ形の住居が並んでおり、ぬいぐるみや洋服、生活用品などが散らばっている。


「これは、何かが起こって都市から逃げたんでしょうね。書庫だけは厳重に守っていたようですが」


私は散らばっていた洋服を手に取る。何千年も前の物なのに、新品のように、ほつれも汚れも無い。


”解析”


 スキルを使ってみると、服の持ち主と思われる影が、手に何かを握って、私達が入って来た方へバタバタと走ってゆく姿が見られる。周りを見回して、次々スキルを使っても影が走る先は同じだ。


 それを考古学科の職員さんに言うと、頷きながらも思考に耽っている。


「この発展した都市でも、対応しきれない何かが起きたんでしょうね。おそらく、その為に住人が一斉に逃げ出したのでしょう」


 なるほど。都市がまるで新品のように見えるわりに物が散らばっているのは、そういう訳か。私達は辺りをキョロキョロしながら奥に進む。




 随分な時間歩いたと思っていたが、都市の端は見えてこない。かれこれ2時間は歩いている。正直、私はバテバテだ。


「おお、公園だな」


 ガイアスさんの言う通りに、ベンチが有り、樹木も美しく、あまつさえ噴水まで動いている。

 そこはまだ奇麗に保たれている公園で、雑草なども無く、人が居ないのが不思議なほどだった。


「ここで少し休んで行こうか、ベンチも有るし」


 イクリスさんはそう言うと、何故か私の手を引いてベンチの前まで連れてくる。

 そうしてマントを外すと、ベンチにかけて、その上に私を座らせる。


 こ、これは本で見た事あるやつ!


 私が1人であわあわしていると、考古学科の職員さん2人の目が点になっている。私の目も点になってるよ。


 そんな慌ててる私を尻目に、ベルジュがマントをシワシワにしてゆくので、指で摘まみ上げて鞄に括りつける。


 ベルジュは『そんな奴のマントの上に座るなど!!』と怒っていたが、ここまでずっしりお尻で乗っておいて。今更いいですとは言えない。逆に失礼でしょ。


 せっかくの休憩なので、果実水のジュースを出す。流石にこれは私の手作りではない。

 そうして満遍なく飲み物を回した後、しばし無言でまったりする。


「ここまで結構歩きましたけど、まだ端には着きませんね。地下に作られたから、そんなに広いと思わなかったんですが」


 セイカさんの言う通り、単に暗いと言う訳では無く、果てが見えない。

 そこで、サーリャさんが魔法の灯りを灯すと、上に向かって高く高く打ち上げた。激しい光が辺りを照らす。上には高さの限度がちゃんと有ったらしく、見上げられる範囲に天井が有った。


 「天井が有るなら、広さにも限度が有りそうだな。もう少し歩いてみよう。サーリャは魔法の高度は落としてもいいから、なるべく高く頼む」


「分かったわ」


 私としては疲労困憊だったのだが、もう少しだけと言う事で、休み終わってから探索を再開する事にした。願わくば、私以外の人が言う”もう少し”と私の思う”もう少し”に差異が無い事を祈るばかりだ。


 更に歩く事2時間、私的には全然”少し”では無い。いっそ、気絶したい。ぜえぜえと肩で息をしていると、ようやく果てが……と言うか、不自然に一部だけ土がむき出しになっている場所が有った。それによく見ると、そこが大きい洞窟であることが伺える。その穴が、天井に届かんとしているので、相当に大きい物だ。


 逃げる人影はみんなこちらから走って来ていたので、原因はここにあるのだろう。


「洞窟の入り口の様子だけ見てみよう」


イクリスさんの言葉に一同頷いて、洞窟の中を覗く事になった。



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