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解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
合同探索・遺跡ダンジョン

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69 ミッション・コンプリート再び

次は昼に一回更新します。

*いつもは昼更新です

  その後は順当に魔物を倒しつつ、例の部屋に着く。床も壁もツルツルしていて白一色で、相変わらず落ち着かない。


 職員さんは部屋に入った途端に、遠足の自由時間の児童のように散って行くのだが、我らが用が有るのは奥の空間だ。出入り口は”放浪”の戦士さんが見張ってくれている。


 と言っても何故か、この中には敵一匹も出ないのだけれど。


”放浪”のシーフさんが、行き止まりの壁をあちこちをコンコンとノックする。


「ここの右の辺りに隠し扉が有るっぽいね、あんたが開けようにも、今までみたいに白いプレートも無いし……」


 なぜ私を見るのだ、何かの実験にでも使う様な目で見ないで欲しい。


「まあ、こういう所は大抵は何かしら有るから、少し待ってて。空洞が有るって事は、どこかしらに仕掛けが有るってことだから」


 確かに一方通行じゃ、扉の意味が無くなってしまう。奥に空間が有る限り、何かしらはそこ入る方法が有るのだ。シーフさんは今度は手袋を外し、手で細かく探って行く。


 実は裏からじゃないと入れません!な可能性も有るけどね。この建物に入ってからは、殆ど分かれ道は無かったんだけど。


 壁自体は縦3m、横4mくらいで大して広くは無いのだが、探す方にとってはかなりの手間だろう。

 奥の扉を探る事1時間、途中で飽きた私は水筒からお茶を飲んでまったりしていたのだが、突如シーフさんが立ちあがって叫ぶ。驚きすぎて口からお茶を吹き出だす所だった。


「っんだよ!正面の壁に扉があるのに横にスイッチあるのかよ!」


 はぁーっと彼はため息を吐くと、左の壁の下の方に有る小さな模様を引っ搔いた。

 そうすると、4センチほどの板がスライドして開き、小さなボタンが有った。どうやらこれが目の前の扉を開けるスイッチらしい。


「開けるが、準備はいいか?」


 このエリアに入ってから敵は出てこないと言う物の、念の為に備えておくに限る。私は後方へ下り、”氷雪”と”放浪”が前に出る。シーフさんがボタンを押すと、ガコンと音がして扉が開いた。


 魔法使い達が灯りで照らすと、そこは一際大きな空間だった。高さは10mくらいあるだろうか。硬質な4m四方の廊下が続いていたが、その中で急に広くなった。


 その中心にある、1mくらいの高さの土台の上に、長方形の透明なケースが乗っていた。シーフさんが仕掛けを見る為に近寄ろうとすると肩の上にいるベルジュから鋭い声が飛ぶ。


『触るでない!その台座の物は呪われておる。セルフィよ、解析するが良い』


「う、うん」


 ベルジュに促され、台座の前に行く。ケースの中は、白い霧に覆われて、何が入っているか怪しさ爆発だ。しかし、あろうことか解析出来るのと呪いが効かない体質は私だけなので、私が行くしかない。ケースに触れると、それだけでケースは蜂蜜のように溶けて消えてしまったではないか。


 中から現れたのは、台座から浮遊した王笏である。多分この為にこの空間は作られたんだろうな。


解析(アナライズ)


・古代イシュカ大国時代に作られた、支配の王笏(おうしゃく)(呪)

 権力の証で、絶大的服従をさせる精神干渉が使える


 なるほど、また呪物か。過去の人間と言う物は碌な考えを持たなかったらしい。今回もベルジュの方が呪いの力が強かったらしく、私は何でもない。


 しかし、呪われた物を触って来いって、ベルジュの力が負けてたら私が呪われてしまう訳で。結構、鬼じゃない?


「呪物同士お揃いだね!」


『ワシと、そんな棒っきれとを一緒にするでない!』


 棒っ切れて。そうは言っても、呪立派な王笏だけど、呪われてるしなぁ……。


「何はともあれ、ミッション・コンプリート、ですかね?」


 私が後ろを振り返ると、苦笑いしている”氷雪”と、バケモノを見たような目つきの”放浪”が居た。自分を改めて見ると、呪いの人形と、呪われた王笏を装備している。ちょっとした支配者だ。支配者になるには、カリスマも威厳も無いんだけど。


「これ、呪われてるけど、どうしたらいいんですかね……」


「とりあえず職員に見せて、城に持ち帰りじゃないかな。途中で試してみる人が居ないと良いけど」


 私がイクリスさんとそう会話しているとベルジュが頭の上から降りて、肩に座って言う。


『阿呆なやつらだから、みなで手に取るかもしれんぞ』


 手を口にあてて、くつくつ笑う。

 扉を開ける時のプレートの話を思い出す。流石に全員試すとは思わなかったな。求道者と言う物は、時には愚かになるものなのだ。


 私達は”支配の王笏”を持って職員さんの所に戻ると、説明をした。危ないと言うのに触ってみたいと言う人が続出して、ベルジュに片っ端から意識を刈り取られていたが。


 呪われた人間はこれまで経験してきているので、お腹いっぱいお代わり勘弁である。


『お前が望めば、この都市が全部手に入るかもしれんぞ』


 ベルジュは小憎らしく笑い声をあげるが、そんな面倒な事は私はお断りだ。



 こうして二回目の探索も終わり、本の整理も少し進んだ。

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