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解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
お仕事は夢を見る事です

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49 夢見る派遣のお仕事

只今、昼12時・夜20時体制になっております。忙しい日は20時更新です。一日一話はお届けする予定です。

※昼に、47&48を更新しております。遡ってお読みください


 私は冒険ギルド、鑑定科に勤めている、セルフィ・ミストレスである。

 解析という、物に触れると過去見とも言える、物の情報を見る事が出来るのが私のスキルだ。そんな裏方業務の私だったのだが、最近は窓口嬢業務に重ねて、(もっぱ)らフィールドワークを押し付けられている。


 そろそろ、ストでも起こそうかな。

 いや、いよいよ引退するか?


 最近は、ずっとその考えがぐるぐるしている。人の役に立つのが嬉しい気持ちが無いわけでは無い。しかし、仕事内容が危険すぎるのよ……。私のモットーである、安心・安定・安全はどこへ行ったのだ。


 ただ今この時間は昼休憩。私は屋上のベンチに座ってサンドイッチを食べながら思想に耽っているが、呪いの願望器たるベルジュは、私が食べ終わった方のサンドイッチの包装紙を丸めて、バレーボールの様に上に打ち上げて遊んでいる。もう最近は自分が呪いのアーティファクトだと忘れているフシが有る。


 面倒くさがりの割に、血の気が多い。アーティファクトだから多分、血は流れて無いけど。


 私はお昼を食べ終わると、ベルジュが遊んでいた包装紙を取り上げ、自分のゴミと一緒にゴミ箱へシュートした。ナイス・シュート!





「お城への出張鑑定ですか」


 私は、今日も今日とてギルド長室に呼ばれている。紅茶は出ているが、お茶請けは無い。最近は豪華だったので期待してしまった。人間、贅沢に慣れるのは良くないね。

 ベルジュはティーカップの外から手をかざして、魔法だけで水面だけ揺らすという良く分からない遊びをしている。手持無沙汰なのだろうか。


 「呪物らしいんだけど、ベルジュちゃんが憑いてるセルフィちゃんなら、呪われずに鑑定できるんじゃないかって」


 確かにベルジュは強い呪物なので、更に上の力を持つものでは無ければ、契約によって守られてる私自体は呪いが効かない体質になっている。でも、ベルジュより強い呪物だったら、私が危ないんですが……。


そこの所、どう考えているのか伺いたい。


「城からの要請だから私も流石に断れないのよ」


 のぉぉぉぉぉ。

 街のギルドでは、お国には逆らえないか……世の不条理をまざまざと見せつけられてしまって悲しい。


「はぁぁぁ、行ってきます……」






 迎えの馬車に乗り、ほどなくして城につく。今回の出張先は、お馴染みの鑑定科だ。

 ノックをすると、ドアを開けて室長が迎えてくれる。


「よくきてくれました、ご足労痛み入ります」


「いえ、お力になれれば」


 今日は室内に入ると、何故か誰もが目を逸らした。そんなに危ない物を解析させられるのか。私、だいじょぶそ?あの嫌味メガネですら、何も言ってこない。


 別室に案内されて机の上を見ると、何やら汚れた女の子のぬいぐるみが有った。


「こちらなんですが……」


「なるほど、ぬいぐるみ繋がりのお仕事なんですね」


 私が一つ頷くと、ベルジュがカンカンになって肩の上で地団太を踏む。鬱陶しいので、やめて欲しい。


 そのぬいぐるみは、布がクタクタで目がボタンで出来ており、今にも崩れてしまいそうだった。まあ、解析してみなければ分からない。


解析(アナライズ)


 手を添えてスキルを使うと、目に熱が集まる。このぬいぐるみに毒される気配は無いので、ベルジュよりは力が強くないのだろう。


・夢への道標(呪)

 古代イズラ王国の呪物。

 近くにいる者を夢に引きずり込み、夢を吸い尽くし目が覚めない。


 うん、まごう事無く呪物である。


「これは、神殿で解呪案件じゃないんですか?」


「そちらはウチでも鑑定出来たのですが、周りの職員が夢にとらわれて意識不明のまま目覚めなくなってしまったのです。神殿に解呪をお願いしたのですが、難しいと言われてしまって、藁をもすがる思いでお呼びしたのです」


「うーん」


 私は藁か。

 既に犠牲者が居る上に解除も不可ときたか……。私が考え込んでいると、事も無げにベルジュが言う。


『簡単に解呪出来るぞ。壊せばいいのだ』


「え?じゃあ簡単じゃない?」


『まあ、夢に取り込まれた者は死ぬが』


 ちょっと待って!


「うーん、もう少し見てみましょう」


解析(アナライズ)


 目に更に熱がこもっていき、視界がオレンジ色になる。



・夢への道標(呪)

 古代イズラ王国の呪物。近くにいる者を夢に引きずり込み、夢を吸い尽くし目が覚めない。夢に入り、呪物の主を倒す事で解呪出来る。



「夢に入るってどうすれば良いんでしょうね。私にはこの呪物は効かないようですし、呪われないんだったら私も夢に入れませんよね」


『夢に入れるだけなら、ワシにも出来るぞ』


 あっけらかんとベルジュは言うが、その言い方だと私が入らねばならないかのような口調だ。


「セルフィさん、お願いできませんか」


 室長さんが私に懇願してくるが、自分の父親より年上の男性に頼まれると拒否しにくい。私はチラっとベルジュを見る。


『夢に送る事は出来るが、ワシは一緒に行けぬぞ。夢から引き上げる者が居なくなるからな』


「そうしたら、私一人で行くの?流石に攻撃力も無いのに、呪物の主とか倒せなくない?」


『それならおるだろう。ソレ、あの……』


 にやっとした……気がした顔でベルジュが「シッシッ」っと笑う。


「困った時の”氷雪の鷹”」


 巻き込まれ体質にも、程が無い!?

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