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解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
ダンジョン&?

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45 螺旋の戦い

只今、昼12時、夜20時更新となっております。

一日1本の場合は、20時目安とさせていただいております。

「アハハッ、久しぶりの戦闘なんて嬉しいわ。あなた達は、どれくらい私を楽しませてくれるのかしら?」


 女は笑いながらも、手から次々と炎の球が生み出す。その一つ一つがかなりの爆発力を秘めているようだ。間髪入れずに打ち出されるその炎が、この空間のいたるところで弾けた。

 

 こちらは、それに対処しながら周りの魔物も片付けなければいけない。敵は蟻のような足の多い物で、顎をギチギチと鳴らして威嚇してきている。


 火の玉は尚も連続して打ち出されて、こちらの逃げ場を狭めていくが、自分が出した魔物でさえも気にした様子も無く巻き込みながらも魔法を使っていく。


「ホーリーシールド!」


 セイカさんが防御魔法を唱えると、私達の体が薄く光り、温かくなってシールドが張られた事が分かった。


 それを待って、前衛3人が散開した。


「影縛り」


 ナユさんがシーフのスキルを使って足元の影を縫おうとするが、女はふわりと浮いて躱す。その隙を狙って、イクリスさんの剣が、女の腰を狙う。それさえ躱し、宙でくるりと回ると、更に炎の球を生み出してきて、今度は後衛を狙う。その爆発は、セイカさんの更に一段階レベルを上げたシールドによって防がれた。 


 こちらを向いている女の背に向けて、ガイアスさんが両手剣で切りつける。女が体を捩って体を移動させようとしたがわずかに間に合わず、わずかにチリリッと脇に血の筋を書いた。


「チッ」


 女は舌打ちをし、地面に降りて、どこから取り出したのかナイフを一本取り出すと、自分の指先を傷つけた。血がぽたぽたと滴ったと思うと、地面に手をつく。それによって魔法陣が浮かび、ぶわりと空気がはじける。それが広範囲に爆発を起こし、シールドを張っているのに、それの勢いに耐え切れず、シールドごしに壁際に飛ばされた。


「エクスプロージョン!」


 それに対抗して素早く体を起こすと、サーリャーさんも広範囲で爆発を起こし、周囲の魔物ごと焼いていく。魔物は手足が傷ついてバランスを崩しながらも、怯まず後衛に向かってきている。


『ふんっ!これでも食らえ!!』


 ベルジュが私の肩から頭に飛び乗り、広範囲にシールドをぶつける。かなりの威力が有ったようで、魔物の大半が瀕死になったようだ。その間にも前衛であるイクリスさん達は、女に攻撃をしかけている。


「”迅速”」


 セイカさんが、素早さを上げる魔法を使うが、既に2つの魔法を長時間行使しながらの新しい呪文なので、冷や汗を流していて相当厳しそうに見える。スピードが上がった事により、3人が女に肉薄していた。


 それによって女は初めてイライラとした表情を浮かべて、手を振って風を生み出すと横に薙ぎ払った。風の刃によって、皆の血が辺りに飛び散る。


「埒が明かないな。”影伝い”」


 ナユさんが壁に手をついて呟くと、洞窟の四方八方の影から女に伸びてきて、幾重にも体に絡みついた。絡みついた影は、ギュウギュウと女を締め付ける。


「ちょっ……何よこれ!!生意気な……!」


 ナユさんが使ったスキルは、女が動けば動くほど締め付ける様で、動きが阻害されていた。


「ふんっ!!」


 それに合わせてガイアスさんが切りつけると、女の血が宙に舞った。それが、後衛の私達までをも赤く染める。もちろん私とて、それを逃す訳は無い。自分が被った血に触れてスキルを使う。


解析(アナライズ)


 目がいつもより急激に熱くなり、視界があっという間に眩しくなった。ギリギリ見えたのは女の中心に見えた紅い球だ。いつもより極端に短いスキルの持続時間で視界がはじける。


「体の中心……下腹部辺りにコアが有ります!それを壊してください!」


 それを聞いてイクリスさんが体勢を低くし踏み込んだと思うと、スピードを乗せて切り込んだ。


「ひっ……」


 僅かに逸れるが、女の体を切りつける事に成功した。ドレスが裂け、服の下から血が滴って来て、態勢を大きく崩したと思うと、そこに膝をつく。


「いやよ……いやだ…………やだ……」


 呟きながらも女の足元の地面が、血で染まって赤黒くなっていく。


 そこへガイアスさんの大剣が、女の体に深く突き刺さるのが見えた。その途端に女の体の中から「バリン」とガラスが砕けるような音がして、空気を震わせた。


「これでは私の迷宮が、消えてしまう……!」


 女は地面に倒れ、そう呟きながら自分の流した血の中に溶けていった。


 それに呼応したように、不気味な裂け目は少しずつ閉じてゆき、やがてスウッっと掻き消えた。その後は何も無かったかのように、辺りの魔物も空気に溶けていった。


「これで解決……したんですかね」


セイカさんが、半ば呆然としながら呟く。


短くも激しい戦闘に気が張っていたのが、一様に力が抜けて、どこからともなくため息が聞こえた。

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