表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
解析スキル「アナライズ」で有能設定だけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!  作者: 夢咲みやと
呪物と契約でエンジョイ社会人ライフ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/23

16 幕間1 その頃の氷雪①ー2

引き続き氷雪側のお話。

 サンド・ホエールは砂を巻き上げながら、自由自在に浮き沈みして泳ぐ。その軌跡は、まるで海のさざ波の様だ。何度もジャンプはするが、それ自体の高さは無く、顎を見る事も出来ない。


 まるでこっちを嘲笑しているように、縦横無尽にぐるぐると回る。


 合間合間に鳴き声を上げるのも忘れない。精神防御をかけていても、その音は頭に響き集中力を阻害する。


 エンリケにヘイト(敵意)を取ってもらってジャンプをした隙に他の戦士職が横から体の下に滑り込もうという考えだったのだが、ヘイト自体がとり切れなくて、俺たちも攻撃をしあぐねていた。戦士3人にナイト1と言えど、ヘイトを取ってこそのナイトだ。


 ヘイトが分散して、それぞれに攻撃を加えて行く為にこちらの狙いも定まらない。あちらが潜ってからランダムで攻撃してきて、それを防御する事しか今の所対処出来ていないのが実情だ。


 それでも尚、浮上しては大きな口を向けて、こちらの効かない攻撃をわざと受けては砂を巻き上げて潜っていき俺たちを翻弄する。


「自分も助力に行く」


「おい!お前にヘイトが集中するぞ!」


 呼び戻そうとしたが、ガイアスは砂をかき分けながら既にエンリケの方へ走って行ってしまっていた。


「くそっ!!」


 このままサンド・ホエールのヘイトが安定しなければ弱点をつくことも出来ずに、魔法を打っても無駄打ちになり、いたずらに魔力を消費する事になる。これ程の巨体だったら、一気に大きな魔法を使った方が効果的だが、背中側を向けている限りその水晶のような虹色の背中には攻撃が通らない。このままではじり貧だ。


 一通り浮いたり潜ったりを繰り返したと思うと、急にぐっと周りの砂を巻き込んで潜って行く。どれだけ深く潜っていたのか分からないが、暫く時間が経った後にエンリケの足元がぐっと盛り上がって急浮上して彼を吹き飛ばした。ギリギリ大きな口でバックリ食べられなかったのは幸いだ。


「埒が明かないわね!アイスハーデン!!」


 サーリャがしびれを切らして浮上した瞬間にサンド・ホエールに氷魔法をぶつけると、その尾が大きく固まり土に潜る事が出来なくなった。


 ピュイイ-----------!!!!


下に見ていた人間からの、初めて命中した攻撃に対する怒りの為か、また頭に響く高い音が頭の中で響く。


「熱砂だからあまり持たないわ!急いで!!」


 まるでサーリャの声を理解したかのように、サンド・ホエールは氷から逃れようと滅茶苦茶に暴れだす。そうすると徐々に尾の氷が溶けて来た。地上に出ているタイミングを逃さずに、ガイアスが下から強力な突き上げを行う。それを受けてサンド・ホエールは、体が斜めになったまま動きを一時停止した。


「おい、行くぞ!!」


ガイアスと、固まっていた”悠久”の戦士に声を掛けると、ハッとして喉に向かう。


「ここに一気に叩きつけるぞ!!せーのっ」


 掛け声をかけると、剣と大斧で一か所を集中して切り込み、それを逃さずにセリアンと”悠久”の魔術師がその切り込みを風魔法でずたずたに切り刻む。流石に弱点であると言うべきか、そこに大きな穴が開いた。追い打ちとばかりにサーリャがその穴にサンダーボールを打ち込む。


 集中攻撃を食らって、サンド・ホエールは瀕死だ。


「セイカ、頼む!!」


「はい!」


 阿吽の呼吸で身体強化魔法をかけてもらって、傷口に力をかけて打ち込む。


ドン!!


 大きな音がして、サンド・ホエールの体が一瞬二つ折りになる。シンとすると力無くばたりと砂に横たわり、体の痙攣が小さくなってゆき、やがて息絶えた。


・・・・・・・・・・


「やっと死んだか……。」


 汗を拭っていると、サーリャが水魔法で頭の上から霧をかけてくる。気付いたら、砂漠の熱と太陽で頭がかなり熱されていた。


 他のメンバーにもかけているようだ。


「攻撃が一か所しか通らないって言うのが厄介だったわよね」


「うん。セルフィさんが調べてくれなかったら、倒せなかった」


 サーリャとセイカが話していると、ガイアスが攻撃のあおりを食らって飛ばされた場所に座り込んでいたエンリケに、手を差し出していた。


「大丈夫か」


「あ。ああ……」


 そう言ったっきり、エンリケ他、”悠久”はぼんやりとしていてエンリケにも反応が無いので無理矢理手を取って立たせる。


「とにかく動こう、安全な場所までは移動したい」


 俺がそう言うと、各々頷いている。荷物をまとめてひとまず焚火が出来る岩陰まで歩いて行く。少し風が出て来たので遮蔽物が有った方が良いからだ。今日は激しい戦闘が有ったので疲れを取る為に早めに休む。帰りも油断はせずに行かなければいけない。


 火を守りつつ交代で番をし、朝の涼しい時間を狙ってゆっくり帰ろう。


 隣の焚火がやけに静かに感じる。

 彼らは今日の戦闘で何を思ったのだろうか。


 この時間はガイアスが火の番なので、自分の分が来るまで岩に寄りかかって気絶するように眠った。


こうか は ばつぐん だ


オンラインゲーだと、前衛職の敵意ヘイトを集中させる人間が居て、敵の注意を自分に固定させて周りが攻撃するんですね。ヘイトとるのが下手だと、敵がくるくるくるくる回ってしまうという悲しみ。


調べてみたんですけど、実際のくじらの声(音?)って低いんですね。脳に響く音と言うのはイルカの鳴き声的なものが高周波がめっちゃつよつよ版なのを思い浮かべて下さい。

個人的にイルカの鳴き声自体は好きなのですが、あくまでイメージなので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ