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解析スキル「アナライズ」で有能設定だけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!  作者: 夢咲みやと
呪物と契約でエンジョイ社会人ライフ

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13 ツテは有れば有るほど良い

冒険者ご用達アパートって騒音問題がすごそうですよね。(偏見)早朝出かけたり早朝に帰ってから寝たり。

 サンド・ホエール討伐隊の編成には、時間がかかっているようだった。討伐設定ランクも上げられたし、国も頭を悩ませているらしい。


 砂漠方面に行く冒険者もめっきり減り、クリムゾン・スコーピオンの討伐も、報酬額を上げる事で何とかするしか無かった。今の所はそれで済んでいても、これ以上砂漠を超えてくると、冒険者がよそに拠点を移しかねない。

 冒険者と言っても、命は大事だ。稼ぐ方法も安全では無くなれば、自由な彼らは住居もすぐに移せる。


 冒険者ギルドとしても頭を悩ませていると、海の向こうから新しいパーティーが来たと聞いた。

 冒険者は拠点を移すと、移した先の冒険者ギルドに申告しなければいけなくなる。その内に顔を会わせることになるだろう。


 そうこうして2週間程経つと、とうとう噂のパーティーが拠点移動の申告に来た。


 プラチナの鎧の騎士と、鋼色の鎧の背の高い戦士。若草色のローブの魔術師と麦わら色のローブのヒーラー。ナイト・戦士・魔術師・ヒーラーと、構成だけ見たら理想のパーティーだろう。


 私の二つ隣のエリンさんの窓口で手続きをしていたので見ていると、プラチナ鎧のリーダー格の男が、するっとわざらしく手をかすめるなどして、都会に出て来たばっかりで男に慣れてないエリンさんの顔を真っ赤にさせている。


 なんとけしからん男か。


 思わず眉を寄せてむむっっと唸ると、小声で隣のアリスさんに囁く。


「アリスさん、一応イケメンですよ。どうですか」


「だめね。あれは作られた養殖物イケメンよ、不自然ね。私は中身も良い、天然物が好きなの」


 何を言ってるかは分からないが、どちらにしろタイプでは無いらしい。チャラそうだしな……。


「セルフィこそ、どう?イケメンだとは認めるんでしょ?」


 横目で隣を伺っていたかと思えば、こちらを見て小声で返してくる。


「いやー、あの鎧見てるとアレルギー出そうなんですよね。私、金属アレルギーなんで」


「今まで、そんな事聞いた事無いわね」


「そうですね、今まさにこの瞬間からなりました」


 拠点移動の申告が終わると、新しいパーティーはギルド内の女性に愛想を振りまいて帰っていた。


・・・・・・・・・・


 ギルドを閉めると、拠点移動してきたパーティーの情報がギルド内で共有される。


 パーティー名『悠久の風』ランクS

 ・構成はナイト・戦士・ヒーラー・魔術師

  犯罪歴は無し。拠点の住所は、冒険者の住民が多い「アパートメント・サウスウィンド」。



 因みに、ヒーラーと言うのはクレリックとは違う。回復に特化しているが、神に仕えているクレリックとは違い、聖魔法が使えない。下位互換と言う訳では無いのだが、方向性が違う。全方向カバーOKのセイカさんの顔が思い浮かぶ。彼って優秀だったんだな、あんなに可愛いのに。


 それはそうと、今回【悠久の風】が来た事で、【氷雪の鷹】とアライアンスを組むと言う事になってサンド・ホエールを討伐しに行くという事になるそうだ。


 ・・・・・・・・・・・・


となると、私の出来る事は一つ。


 次の日、私は鑑定室長のツテの更に裏技を使って、生物学科に来ていた。本来なら城内の部署に庶民が個人的に頼み事など出来ないが、生物学科にサンド・ホエールの骨格の一部があると聞いたのだ。室長に生物学科のドアまで連れて行ってもらうと先に室内に入って行き、私の紹介をしている。


 そうして私を部屋に招いてくれる。


「話は聞きましたよ。サンド・ホエールを解析スキルで見たいそうですね。私としても、情報に興味が有ります。城の鑑定士では大まかな事しか分からなかったのです」


「ご迷惑をおかけします。今回の討伐対象に手こずっているので」


 生物学科の部長は、応接室の隣にある資料室に案内してくれる。


 室内には貴重な剝製や骨格標本、化石などの劣化を防ぐために遮光の為にカーテンが引いてあって薄暗い。


 中央の机には、サンド・ホエールの骨格の一部が置いてある。胸鰭(むなびれ)だけで3mも有って、その大きさを想像するだに恐ろしい。体長は20m~25mにもなるらしい。この巨体が砂に潜って姿を見失うと、別の場所からジャンプして襲ってくると言うので、相当迫力があるだろう。これまでの遭遇例も少なく、これも外国から取り寄せた骨格標本らしい。


 部長は手元が見えるように、机にそっとランプを置いてくれた。


 流石に希少なものなので買取に持ち込まれるのは見た事が無く、初めての対面だ。標本に手を添えて静かにスキルを使う


 誰かの喉がごくりと鳴るのが聞こえた。


解析(アナライズ)


 やがて目が熱を持っていき、本来ならここにない、全体の影がぼんやり浮かんできた。

 なるほど。分かり辛いが、背中側がざくざくして見えるので、これが水晶に見える外皮なのだろう。


 更に目を凝らしてゆくと、クジラの顎の下が赤く光って見える。おそらくこれが弱点なのだろう。


「顎の下が弱点みたいですね。背中側の外皮を傷つけるのは、かなり難しいみたいですね」


 この個体は相当な回数肩を切られたようだが、剣の方が傷ついたのではないのであろうか。私が視る事が出来るのは触った事の有る個体なので、倒した方の冒険者の影は分からないのであるが。


 私が視えた情報を生物学科の部長は、研究が進むと相当喜んで手帳に書き込んでいた。今度外国に行って調査してみるそうだ。


 とにかく必要な情報は得た。後は情報を持ち帰るだけ。

養殖イケメンと天然イケメンって何だ。セルフィはイケメン嫌いと言う訳では無いのですが、安定志向なのでフツメンが好みです。自然体が一番ですよって話ですねっていう。

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