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【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
新しさの発見

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129 スキル時間と情報集中

明日もお昼ー夕方更新です。

 それは、山の方からヒラリと現われた。


 レッサー・ドラゴンよりは小さい。

 けれど飛竜よりは大きい。


 体長は20mと言ったところだろうか。……これが火竜か。

 一概には言えないが、レッサー・ドラゴンよりは、かなり小さいから、幼体と言えない事も無い。上位竜は、体も大きいらしいからだ。


 こちらを見つけたかと思うと、超・低空飛行で撫でるようにスピードを出して、ぐるりと頭上を飛んでいく。

 今度は、こちらが態勢を整えたかと思うと、反対周りにぐるりと飛んでいく。


 完全におちょくっている。本来、ドラゴンにとっては、人間など暇つぶしにもならない。それを好んで襲ってくると言う事は、単純に人間をなぶるのが好きな個体なのだ。


 悪趣味だ。

 襲われた人間は、荷物を残しただけで、残らず食べられたらしい。


 高度を上げて空中でホバリングしたかと思うと、ゴウッと翼を使って、こちらに強風を送る。


「ベルジュ!シールド!!」


『広範囲には張れんぞ』

 

「それでもいいから!」


 私の周りには魔法使い組が固まっている。まずはドラゴンを落とさないと話にならない。次の超・低空飛行で、ベルジュにシールドを展開してもらう事にした。


「通り過ぎたら、すぐに呪いの力で足止めして。私も王笏を使うから」


『おう』


 ドラゴンは、右往左往する人間の上で、たまに口を開けて恐怖を感じている人間を見て、ご機嫌なようだ。


 さしものベルジュもドラゴンを相手にした事は無いらしい。ずっと遺跡に居たら仕方ないか……。しかし、昨夜は力こぶを作るような仕草をして息巻いていたので、やる気には溢れているだろう。それを信じたいところである。


 ーーーーーーーーちなみに、ベルジュに力こぶは見られなかった。


 しかし、次の行動は私の予想とは違った。

 早々とブレスで一部を焼いてみようと思ったのか、横を向いて息を吸う。

 もっと逃げるさまを見て楽しむかと思ったのだが、予想より行動が早い。


 すぅぅぅぅぅぅ。


 長く長く息を吸って、溜めを作っている。


 これは躊躇している暇は無いな。そう結論付けて、私も手遅れにならない内に逡巡せずに腕を傷つける。

 ”支配の王笏”は、使用者の血を吸えば吸う程力が強くなるのは、実験済みだ。


 後ろでセイカさんが息を飲む音が聞こえたが、そんな事に構っている暇は無い。王笏はぐんぐんと血を吸っていき、普段の黒い色から、赤黒くなった。貧血にならない程度で止血をする為に腕を縛っていると、それを見かねたのかセイカさんが回復をしに来てくれた。

 

 彼も、今は文句を言っている場面では無いと判断したのか、無言で治療してくれる。


「”支配の王笏”!」


 今回はいつもより多くの血を吸わせたせいか、いつもより断然、荊の量も長さも比べ物にならないくらい迸った。


 ギュオッ


 まさか人間が反撃してくるかと思わなかったのか油断していた所へ体を傾げられ、火竜は口に溜めたブレスをあらぬ方向に吐いた。私の力だけで火竜を固定できるわけでは無いので、後ろを向いて魔法使いに声を掛ける。


「お願いします!」


 端的な言葉を汲み取ってくれて、魔法使い達は一斉に風魔法でかまいたちを、雷魔法で天から雷を落として被膜を攻撃する。もちろんそれだけでは弱く、翼は傷ついてはいるが穴は開いていない。


 動きが止まったのを確認して、騎士隊長が大声で号令を出す。


「撃て!!」


 それに従い、カタパルトが一斉に放たれる。ガンガンと轟音が響き、火竜の翼に着弾すると爆発が起こり、魔法と合わさって穴が所々開く。ようやく少し被膜を傷つけることが出来た。


 カタパルトは次の発射に備えての弾込めの為に、一時的に後ろに下がらせる。


「”支配の王笏”!」


 再度”支配の王笏”を使うと、翼の穴に荊が入り込み、被膜を貫通する。翼を使えないようにすると、流石に飛ぶことが出来ずにたまらずに地に落ちた。

 

 巨体が空から、轟音を立てて墜落する。


「ベルジュ!」


『言われんでも分かっておる』


 ベルジュは、私の肩から黒い呪いを噴き出させて、火竜にまとわりつかせた。

 それにより視界が遮られたのか暴れだして、私にも御す事が出来なくなり、荊が名残惜しそうに消える。


 後方に控えていた前衛が竜目掛けて走って来る。

 それぞれ首を狙って攻撃しているが、然程効いているようには見えない。


『セルフィ、”解析”を使え』


「分かった」


”解析”


 スキルを使うと同時に、辺り一面の情報の奔流が目に入ってくる。

 目を凝らして火竜にピントを合わせていくと、そこで視界が弾けた。見る対象が複雑で有れば有るほど、持続時間は短くなる。以前だったら、この時点で私の目は使い物にならなくなっていただろう。


 まわりの人間の情報まで入ってしまって、情報が絞り切れなかった。


”解析”


 再びスキルを使うと、ドラゴンの情報を絞っていく。


 今度はもっと集中して視てみる。

 

 首は……違う。

 頭は……違う。

 角は……違う。


 もう、どこが弱点なの!


 スキル時間縛りと弱点の見つからなさに若干イライラしてきてしまうが、とうとう一点が赤く光っているのを見つけた。


 …………有った。


 私は、とうとう弱点を捕捉した。


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