表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
新しさの発見

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
128/132

127 逃亡禁止

明日もお昼ごろ更新です。

「セルフィちゃん、隣国への街道沿いの山に、火竜の幼体が出たの」


 出勤して更衣室を出るなりギルド長室に連行されたかと思うと、ギルド長は、いきなり爆弾を落としてきた。


「は、えっ、うぇ?山に居るのなら、放っておいても良いのでは……?」


「それが、来る商隊、通る冒険者、無差別よォ。行動範囲が広がって来てるから、先に何とかしたいのよねェ」


 今日は紅茶の他に、アフタヌーンパーティーのような菓子の充実さだが、朝ごはんを食べたばかりなので、食指が全く動かない。カロリー過多だ。


 それよりも、火竜は飛ぶ竜だ。

 捕まえられる訳がない。


 「そこは、セルフィちゃんとベルジュちゃんよね。竜に普通の弓矢なんて効かないものォ」


 そんな重大な任務を任せると申すか。


「”支配の王笏”とベルジュちゃんの呪いの力ね。出来れば”解析”もだけど魔法使いも氷や雷の魔法で翼を狙うけど……一番最初に少しでも行動を鈍らせないとね」


「どういう構成で行くんです?今回は国の騎士は出るんですか?」


「一応居るわよー。カタパルトは準備していくけど、それも有る程度動きが鈍くならないと当たらないでしょ?そこで二人の出番なの」


「冒険者は、どこが出るんです?」


「”氷雪の鷹”と”放浪の旅路”ね」


 ”放浪”かぁ。あそこは勧誘の圧がすごいから苦手なんだよね。


『あの、けしからん奴らか』


 ベルジュが眉間に皺を寄せるような表情で、嫌そうに呟く。激しく同意だ。


「そうそう、”放浪”が、今回はセルフィちゃんが着いてきて欲しいって言ってね。いつも”氷雪”の方に居るから、たまには自分達の方へ来て欲しいって。流石に二回目ともなると、今回は断れなかったわ」


 火竜と言う、私にとって未知の敵との戦闘の上に、慣れていない”放浪”との同行はきつい。


「断れない……ですよね?」


「そうね。今回やりすごしても、国の方からも何回でも指名が来るかも。国外にでも行かない限り、流石に私も断れないわね」


 うっ、逃げたら、お尋ね者になってしまうではないか。ひどすぎる。


「一週間後には出発するから、準備しておいてネ。準備資金はそこに置いていくわね!」


 組織の末端である私には、結局は命令に逆らえないのである。


 ギルド長は足音軽く部屋から出て行ってしまったが、私は死刑宣告を受けた罪人のような足取りで、下の階の仕事場に降りる。

 結局、討伐に行く事になってしまった。


『お前の組織の長は、随分と暴君なのだな』


「そだね……転職しようかな」


『お前は、他の仕事が出来るのか?』


「飲食業とか?」


『そうは言っても、この街に居る限りは、隠れるのは無理だと思うぞ』


 ぐぅ。


 今回はあまりに大所帯なので、その中で自分の分だけ炊事をする訳にいかない。せめて、ドライフルーツを混ぜた、シリアルバーを作って持って行くのが関の山だ。配給される固形食糧は、味を犠牲にしてカロリーが高いものなので、食べるのに一苦労するのだ。それなら、自分で作っていくに限る。


 あとは快眠の為の枕と下に敷くクッションだ。せめて疲れを最低限にしたい。


 流石にテントくらいはサーリャさんと一緒だと思うが、日中は”放浪”と行動しなければいけない。歩調を合わせてくれるかさえ分からない。流石に途中までは馬車を使ってくれるだろうが、竜の行動範囲に入る少し手前で徒歩に変更だろう。不安しかない。


 出発一日前には休みを貰えるので、それまでは通常通り仕事だ。なので、必要になるものは前日に揃える事にする。


 私がショックを受けつつ、ふらふらと窓口に座ると、隣のアリスさんがギョッとする。


「セルフィ、顔色わっる!またギルド長に無理言われたの?」


「いつもの話ですね……はは」


 私が口から魂を飛ばしながら言うと、アリスさんは眉間に皺をよせる。


「最近、外部の仕事が多くない?ギルド長って、セルフィの”解析”が強いからって、重い仕事任せすぎでしょ」


 それには、深く頷きたい。

 しかし、大っぴらに言えない事だが、残念なことに私の装備の能力がバージョンアップしてしまったので、不本意ながら”か弱い女の子”では無くなってしまったのだ。


 それも、ギルド長が仕事を押し付けてくる一因だろう。


「もっと、イージーモードで生きるつもりだったんですけどねぇ」


 私は、ため息を吐くしかなかった。

 準備期間内に少しづつ片付けねば、一日なんてあっという間に過ぎる。


 あとは、季節は春に差し掛かってきているとは言え、まだ朝は寒いので、上着を新調せねば。


 私は頭の中で予定を組みながら、げんなりした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ