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【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
新しさの発見

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125 第?回、氷雪会議?

明日もお昼更新です。

「で、なーに。そのまま帰ってきちゃったの?」


「イクリスさんって、チキンですね」


 サーリャの言う事に、自分は何も言い返せないし、セイカも、珍しく口が悪い。


 聖ノエルの次の日、”氷雪”メンバーを集めて話を聞いてもらおうとしたが、元々、もうセルフィさんを仲間の内の一人とみなしている他のメンバーからは、俺の行動に非難の声しかない。


「イクリス、セルフィ嬢の意思が、一番大事ではないのか?」


 ガイアスさえこれだ。自分の味方は一人も居ないのである。


「だからって、好きな子を死地に立たせたいやつがいるか?」


 詰まるところは、そこなので有る。自分達と行くという事は、危険な目に遭う事と同義だ。最近は依頼のランクも上がって来た。普通の女の子を連れて行くのはどうしても気が進まない。


「セルフィ嬢は、普通ではないような……」


「好きなを子悲しませるなんて、どこが男だっての!」


 サーリャが、からかい半分で茶々を入れてくる。


「でも、実際セルフィさんが居ると、戦略的にも圧倒的に有利になるんですよね。最近は一緒に居ないと落ち着かない感が有りますし……。体力作りしていると言うだけ有って、シーサペント戦もヒールの回数かなり減ってましたし」


「あとはイクリス次第だが、セルフィ嬢に来てもらった方が、棺桶に入る確率がぐっと減るのではないか?」


 ガイアスにしてみれば、嫌な例えをする。


 自分が「ごめん」と言った時の、愕然とした表情。あんな顔をさせたのは自分だ。


「これは傷心の所を突かれて、ナユ辺りに落ちちゃうかも?」


 サーリャが、無責任な事を言いだした。


「セルフィさんが、そんなフラフラとする訳がないだろう」


「じゃ、イクリスがきっぱりフラれてから、新しく付き合った方がいいかもね。彼はセルフィちゃんと付き合うなら遠出はしないって言ってたし」


「え……」


 ナユはフリーのシーフだ。引く手あまたでは有るが、逆に、組む相手を選べるという事だ。自然と依頼の内容を選択出来るという事になる。


 俺がショックを受けていると、ガイアスが肩にぽんと手を置く。


「自分の気持ちと共に、パーティーとしての利点、何よりセルフィ嬢の気持ちを考えろ。あれだけ外に出る事を嫌がっていた彼女が付いてきたいと言ったのだぞ」


「…………………………」


俺が黙っていると、サーリャは両手を合わせて、ぱちんと手を打つ。


「それじゃ、特に私らが出来る事は無いって事で、出発!」


その声を皮切りに、皆はぞろぞろと部屋から出る。


「ちゃんと考えてあげてくださいね。彼女の事も、僕らの事も。さ、ギルドに依頼探しに行きましょう」


セイカはそれだけ言うと、背を向けて部屋から出て行った。





・・・・・・・・・・・・・・・・



「セールーフィーちゃーん、昨夜(ゆうべ)はお楽しみでしたか?」


 朝からハイテンションのアリスさんが、聖ノエルの次の日から、もうオヤジ臭い。


「お楽しみどころか玉砕ですよ。私のプレゼンは失敗しましたので、これからはビジネスライクに行きます」


「えー、それは極端じゃない?」


 アリスさんは上目づかいをしながら耳元の髪の毛を、くるくると(もてあそ)んでいる。


「うーん、好きだからって理由だけじゃなくて、パーティーに貢献できる点を上げたんですけどねぇ。こうなったら、これまでみたいなお付き合いの仕方は、私にはちょっと難しいですね」


 アリスさんは、ふーん?と言っているが、仕事はいつも通りにすればいいのだ。出来るぞ、と自分に暗示をかける。


「さ、始業時間ですから窓口に出ましょう」


 そう、こんな時でも私は窓口に回されてしまうのだ。無情である。


 そして、昨日の今日で”氷雪の鷹”の面々に会ってしまった。サーリャさんが小さく手を振るので、私も小さく手を振り返す。


「ビジネスライクじゃなかったのぉ」


 隣で、アリスさんが頬を膨らませている。可愛い。


「別に知り合いでなくなる訳じゃないですからね。普通の顔なじみ程度にはなりますよ」


「何か納得出来ないなー」


 隣でまだアリスさんがブツブツ言っているが、私の窓口に影が差す。


「この依頼を、お願いしたいんだけど」

 

 イクリスさんである。私はざっと目を通すと本人に確認する。


「スナイプベアーの依頼ですね。依頼ランクA……”氷雪の鷹”ランクS。特別個体の集まりなので、気を付けてくださいね」


 私のあっさりとした対応に、イクリスさんが面食らっている。


「もしかして、怒ってたりする?」


「いいえ?」


 私が勝手に暴走したのだから、怒るのは筋違いだ。


「…………」


 イクリスさんは懐からメモ紙を出すと、スラスラと書いて、依頼書と交換で窓口の前に置いた。

 困るなぁ、こう言う事。


「じゃあ」


 彼は短く言うと、メンバーの元へ戻って行った。……サーリャさんに杖でどつかれていたが、いつものツッコミだろう。私は淡々と業務をこなし、滞りなく就業まで片付けた。

宜しければ、★とかブクマを宜しくお願いいたします。

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