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【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
新しさの発見

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117 切り取りの匣

明日もお昼更新です。

 城の門番に用向きを伝えると、城の鑑定室に案内される。


 ノックをし、入室の許可を取ると、室長が出迎えてくれた。


「話は聞いておりますよ。海路で困っているそうですね。お手伝いが出来ると良いのですが」


 室長に奥に通されると、今回は職員が遠巻きにコソコソと話している。視線の先は、ベルジュだ。以前に大騒ぎをしたので、誰も私を睨んでこない。


 あの陰険メガネさえ恐れ慄いている。ザマァ。


「さて、何をお求めですか」


「切り取りの(はこ)を」


 切り取りの匣と言うのは、一定の距離の光も音も空気さえ切り取る小箱だ。

 コレを持って”氷雪”のある程度の距離に位置取れば、毒の霧も小箱の中へ入る。難点は範囲がそれほど広くないので、近距離戦になるところか。


「こちらです。私の方から上へ話を通しておきましょう」


「有難うございます……!」


 私がかなり前に出なければいけないが、セイカさんの鎮静魔法で、ほぼ恐怖心が抑えられる。

 使い方さえ間違えなければ、この上なく有用だろう。




 ーーーーーーと、思ったのだが。



「だめよ!あれだけの毒のブレスを吐いてくるのに、危ないわ!」

「僕も、流石に同行は頼めません!」

「自分も、今まで散々セルフィ嬢に頼んでいて何だが、今回ばかりは街に残ってくれないだろうか」

「………………」


「イクリス!ちょっと、何で今回は何も言わないのよ!」


 サーリャさんが、大きな声でイクセルさんを責めたてる。


「俺だって、来てくれるのを諸手(もろて)を上げて賛成してる訳じゃない。ただ、そのアーティファクトを正しく使えるのは、セルフィさんなんだろ?

 今、ギルドからの依頼で出られるのが”氷雪”だけだから、セルフィさんに頼るしかない。海路が滞ってるんだから国として死活問題だ。今回は、上から圧もかけられてる」


 イクリスさんは苦虫を噛み潰したような顔をしている。


「そう言えば」


 私が言うと、皆が一斉にこちらを見る。お、おぅ。


「海路にシーサーペントが出て困ってるんですよね?どうやってその島まで行ったんですか?」


 当然と言えば当然だが、海路に困ると依頼が来るくらいなのだから、船で向かえる筈が無いのだ。


「ああ、それは飛竜便だよ」


「飛竜便?」


 飛竜便と言うのは、空を飛ぶ小型の竜を飼いならして、遠距離まで大きな荷物を運ぶ、宅急便だ。小型と言っても10m以上は有るけど。

 勿論、人慣れしている騎獣(狼型や虎型など)で陸路を行く場合もあるが、それと比べると、何しろ障害物が無いので早い。

 普段は荷物を運んでいるイメージなのだが……。しかも、お値段が高いものだし考えてもみなかった。


 確かに、飛竜便なら少人数なら運ぶことが出来るかも知れない。


「じゃあ、私とベルジュがかさ増しされた所で、あまり変わらないですよね」


「セルフィちゃん!」


 サーリャさんは目がウルウルしているが、別に国の為にやっているのではない。

 親しい”氷雪”を手伝いできる部分が有るから、補助したいだけである。これで、もし仮に他のパーティーだったら自分からは言い出さないだろう。


「皆さんが必要としないなら、ただの出しゃばりになっちゃいますけど……《切り取りの匣》でお役に立てるなら行きたいです」


 私がそう言うと、皆黙ってしまった。

 しばらく沈黙が続いたが、イクリスさんが重い口を開く。


「……本当に気が進まないけど、お願い出来るかな。前回失敗したから、絶対守るとは言い切れないけど、依頼をこなすには、今のセルフィさんが必要だ」


 イクリスさんがここまで言うと、流石に他の三人も何も言えないようだった。


「あと、一応ですけど敵の姿とか聞いておいていいですか」


「ああ、体は蛇のように長くて」


 ふんふん


 「エラにひれが付いていて」


 ふんふ……ん?


 「毒霧を吐いたりする」


 ふ…………ん?


「それ、姿だけはリヴァイアサンっぽくないですか?」


「でも、依頼書にはシーサーペントって書いてあるし、そこまで大きくないから俺達も自信無くて。シーサーペントは狩った事無いけど、毒を吐いてきたし。自信が無い」


 うーん、話を聞く限りは、ギルドの辞典で見たようなものと若干似ているようだが違うらしい。幼体だったりするのかな。それとも普通にシーサーペントなんだろうか。

 いや、リヴァイアサンでしょ。


「鱗を持ち帰ったり、傷をつけたりした武器はありますか?」


 それが有れば、そこから解析が出来るかも知れない。


「いや、こちらの挑発に乗って一回陸に上がって来たけど、すぐに帰ってしまって、傷はつけられなかったんだ。その前に毒霧を吐かれて、こっちが満身創痍になったしね」


 うーん……。


「取り敢えず、防具屋さんを片っ端から探しましょうか。《水渡りの指輪》と言う物が必要ですね」


 《水渡りの指輪》とは水の上を歩くことが出来る指輪である、

 水上歩行の魔法は有るが、あれは結構魔力のリソースがかかるらしいし。魔力は節約出来る所は節約するべきだ。指輪自体は高価なものだが、命を惜しむなら、お金は惜しんではいけないのだ。


 こうして、その後は街の防具店、アクセサリー店、古物商の総当たりをしたのだった。 



メガネ新しくして、世界がクリアに見える……と思ったけど、誤字脱字が直っていない不思議。

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