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【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
新たな敵と奔走

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115/132

114 食事の後は

ちょっと短いです。

明日はお昼〜夕方更新です。

「まあ、それはともかく、少し休んだらまた新しい依頼受けないとね」


 サーリャさんが、ポリポリと揚げパスタを食べながら言う。ちょっとお行儀が悪い。


『冒険者と言うのは、根無し草なのだな』


「それでも私達はマシじゃない?それぞれ、家を借りてるもんね。本当に根無し草だったら、宿屋で済ましてるわ」


『フム……そういうモノか』


「そういうモノよ、ベルジュちゃん」


サーリャさんはベルジュとお店の紙ナフキンを使って、紙相撲をしている。


 ベルジュは地上に出てからというもの、私と同じタイムスケジュールで動いている。朝明るくなってから起きて、定時に退勤するのが普通だ。冒険者の生活は、ベルジュにとっては不思議なのだろう。


「次は、セルフィさんを休ませてあげられる依頼が良いですね」


「そうだな。ここの所ずっと同行を頼んでいる」


 セイカさんとガイアスさんは先ほどとは反対に落ち着いていて、こちらの事を慮ってくれた。

 嬉しいような、嬉しくないような。


 視線を感じてイクリスさんの方を見ると、何とも言えない渋い顔をしていた。私と同じで複雑な心持ちなんだろうか。私はへにょっと笑い、小さく手を振って見せる。


 私を休ませる依頼か……嬉しいような寂しいような。



「正直、暫くは明るい場所の依頼が良いですね。僕らも暗い場所ばかりの依頼だと体がおかしくなりそうですし。そうなると、うーん……外の討伐系ですかね」


 サーリャさんも頷く。屋内だと打てる魔法も限られてるのよね。爆発系とか出来ないし」


 サーリャさんはトトトン!と指で机をノックして、ベルジュの駒を倒す。ベルジュは四つん這いになって悔しがっていた。相変わらず負けず嫌いだな。


 それより、サーリャさんの魔法は、あれ以上に強いと申すか。十分怖いんですけど!


「では、屋外の討伐系で探そう」


 ガイアスさんの言葉に、皆で首肯する。


「各々5日くらいゆっくりしてから、ギルドの依頼ボード前に集まろうか」


 五日後に集まる予定を立てて、その日は解散となった。


「セルフィさん、この後の時間は暇?」


「ええ、今日は休みを入れてますけど……」


「じゃあ、せっかくだし、デートしよう」


 イクリスさんは私の手を軽引き椅子から立たせると、上着を持ってきて、肩にかけてくれた。私はそのスマートさに驚くばかりだが、慣れるって事は、それだけ付き合ってた人がそれなりに居たのかもしれない。私は宙をみながらぐぎぎと歯ぎしりすると、横からイクリスさんが顎を肩に乗せ、すり寄せて腰を引き寄せる。意外に犬っぽい所が有るんだな。


私はイクリスさんの過去の事情など彼方へ飛んで行ってしまい、頭をなでなでした。

そうすると、イクリスさんが大きく目を開き、驚いた顔をする。


「あれ、頭を触られるのとかダメでした?」


「いや、そんな風に扱われるのは初めてで、ビックリしただけ」


 そう言えば、恋人間で女性が男性の頭を撫でるのってどうなんだろう。今まで「そういう経験」が無かったから、何が正解か分からない。


「私が嫌な事したら、嫌って言って下さいね」


「多分無いと思うよ」


 イクリスさんが口の中で「寧ろ俺が……」とブツブツ言っていたが、よく聞き取れなかった。


『お前らの仲は、スカラベの歩みより遅いな』


 どういう例えだ。


 ベルジュが目を眇めて、ため息交じりで言うが。これ以上、速攻で来られたら、私が死んでしまう。

 兎には分からないだろうけど、人の歩みはそれぞれなのだ。


「さ、行きましょう」


 私は家を出た時と反対に、自分からイクリスさんの手を引っ張った。イクリスさんは一瞬手をこわばらせたが、素直に私に従う。


 さて、この後はどうしようか。娯楽と言えば美術鑑賞とかオペラ鑑賞、図書館かショッピングくらいしか思い当たらない。



「どこに、行きたいですか?」


「それ、大体の場合は、男が女性に聞く事だよね。そうだな、映画館とかどう?」


 なるほど。たしかにデートと言えば映画館と言えない事も無い。私達は手を繋ぎ、映画館へ足を向けた。

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