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【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
新たな敵と奔走

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110 五つのアーティファクト

明日も昼更新です。

 私とベルジュは側面で控え、ドキドキしながら壁に貼りつく。事前にセイカさんに鎮静魔法をかけてもらったのだが、それを突き破る程の緊張が私を襲っていた。


 ダンッとイクリスさんが踏み込むと、同時にガイアスさんが尾の方から狙いすます。尾と同時に顔を動かすのは、キマイラにとっては場所を変えるのには難しいらしく、前と後ろを固定させて、無駄に動かないように固定させる。


 尾を振りながらも、前足でイクリスさんを引き裂かんとし、腕を振るが、僅かに届かない。それならばと炎で焼こうとし、グルルッと鳴きながら口を開けた刹那、サーリャさんの氷魔法が口の中へ詰め込まれた。


 しかし、魔法の力よりもキマイラの炎が強かったのか、バリンと氷をかみ砕き、更にゴォッと炎を吐く。だが、それはセイカさんのシールド魔法により防がれた。後ろの方は、と見ると、素早く動く尾にガイアスさんも苦戦していた。


 蛇はガイアスさんを毒の牙で噛みつこうとするが、それを食らうガイアスさんではない。


 ギャンッ!


 と正面からキマイラの声がした。イクリスさんが首を切りつけたのだ。

 それなりに深かったのか、キマイラは痛さに叫びながらジタバタと暴れていて、そこにサーリャさんの氷魔法が傷口に直撃し、今度はターゲットをサーリャさんに変えた。


 体がグッとしなったと思うと、高く飛び上がり、サーリャさんの喉笛を食いちぎらんとするが、セイカさんがまたもや防御魔法で、それを弾いた。


「ベルジュ、今が使い時だよね?」


 私は”支配の王笏”を握り、肩にいるベルジュに話しかける。

 ベルジュは緊張感無く足をブラブラさせながら『今しか、お前にスポットライトは当たらんな』などと言う。こいつは私に被害が及ばない限りは、気が向いた時しか戦闘に加わらないのだ。


「”支配の王笏”」


 杖の先から黒い荊が伸びていき、キマイラを締め上げるが、前足で弾いただけで、霧散した。


「え」


 レッサー・ドラゴンにすら効いたのに、キマイラは荊を一閃したのだ。


「ベルジュ、おかしいって。効いてないよ!?」


 私がスキルアップしてから、この王笏を上手く扱えていない気がする。「はぁ」とベルジュがため息を吐いた。


『もう一回”解析”してみろ』


「言ってる場合!?」


『いいから、やれ』


 私は焦っていたが、王笏が効かなければ今出来る事が無い。


”解析”

・古代イシュカ大国時代に作られた、支配の王笏(呪)

 権力の証で、絶大的服従をさせる精神干渉が使える。主人の血を吸わせる事で、威力が上がる。


 これか……!


『魔力が上がった事で、扱いきれなくなったのだ。説明通りにやってみよ』


 私は念の為にと装備していた腰のナイフで、躊躇無く指を傷つけると、王笏の先端に血を垂らした。


「セルフィさん!?」


 セイカさんの焦った声が、この空間に木霊した。


「お叱りは後で受けます!”支配の王笏”」


 王笏の先からは今までと比べ物にならない無数の(いばら)(ほとばし)り、確実にキマイラを締め上げていった。


 グッ、グルッ!? 


 戦闘力に数えていない私からの攻撃に焦ったのか、キマイラの口からは焦った声が漏れていたが、もはや荊は口さえも締め上げている。


「今です!」


 ハッとしたのか、その隙を見て前後から同時にイクリスさんとガイアスさんがそれぞれ頭と尾に攻撃を仕掛ける。切りつけてから合図を送って二人が離れた後に、サーリャさんの魔法が炸裂する。


「”サンダーボルト”」


!!!!


 キマイラから、声にならない音が漏れる。


「”聖なる息吹”」


 ダメ押しでセイカさんの魔法で光が降り注ぐと、もはや焦げ臭いにおいが辺りに漂い、荊が緩くなった所にはキマイラは事切れていた。そのまま王笏の荊はザッと音を残して消えた。


「セルフィさん、どうしてあんな事したんですか!」


 セイカさんがダッシュで走って来て、回復魔法をかける。


「威力が足りないので、王笏を細かく”解析”したら術者の血が必要だと出まして」

 

 私のやった事は”氷雪”の皆には、相当無謀に見えたらしい。


「あと、セイカさんが治してくれると思ったんです」


「戦闘が長引いたらどうするんですか。こんな事、もうしないでくださいね」


 私は曖昧に、ヘラッと笑って誤魔化す。

 皆の役に立てるのなら、多分またやるだろう。(腰が抜けていない時に限る)


 キマイラの死体が、何故か地面に吸い込まれるようにスッと消えたかと思うと、その場所に四角くく白い台が現れた。これ、支配の王笏の時と同じ感じだな。


 台には、それぞれ片手剣、両手剣、杖、聖なる書物、指輪が置いてあった。


 なにはともあれ”解析”をする。


・古代最大文明、キャペル帝国のアーティファクト

  それぞれ、個人の能力の1.25倍の能力を発揮出来る。


 ”氷雪”の各々に渡った武器はともかく、この指輪は何だ。私が首を傾げていると、ベルジュが顔の横からぬっと現れた。

『その指輪はお前の物だな。詳しく”解析”してみよ』


「私の?」


『どうして、そこまでアーティファクトを引き寄せるのは疑問だが……ソレは、お前にしか使えまい』


 ふぅん?


 私は、一つ頷いて指輪をはめる事にした。


「ちょっと待って」


 それなのに、何故かイクリスさんに指輪を取り上げられた。

いつも有難うございます。宜しければ★とかブクマを入れて下さると、夢咲が家の中でうさぎ跳びを10回します。嘘です、5回で勘弁してください。

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