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【完結】 解析スキル「アナライズ」でチートだけど、私は鑑定士なので受付嬢と冒険者はお断りです!~呪いの兎型アーティファクトを添えて~  作者: 夢咲みやと
第二部 オーバーキルと宝石と

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103 潜入・奇襲と招待状

昨日、誤った話数を更新してしまいました!

訳分らなかったと思います(汗

更新し直しておりますので、一話戻ってお読みください


明日はお昼にきます

 先を歩く男女の後を付けて暗い廊下を複雑に曲がって行くと、慣れている人しか来れなさそうな扉を見つけた。突き当たった場所で腕を組んでいた男女は部屋の中へ消えて行く。


 ガイアスさんと顔を見合わせて頷き、扉から体を滑らせこませる。


「!」


 その空間は異様なものだった。男女がお互いにしなだれあい、酒を飲みながら明らかに正気では無い様子で談笑している。


 部屋の真ん中には異常な大きさの例の宝石が有り、上部に鏡を張っていて、宝石の中がどこからでも見えるように投影されている。更に香が焚かれており、煙いほどだ。このただれた環境を作っている人物を探し、外で控えている騎士に引き渡すのが私達の役目だ。


 私とガイアスさんは事前の打ち合わせ通りにソファに座り、或る程度距離を縮めた。この部屋の男女程べったりくっつくわけではない。そうしたら、ガイアスさんに逆セクハラを働いた事になってしまう。部屋の中に入ってからあちらこちらに視線を走るが、先ほどの男女は居ない。


「ここの支配人って館の主なんですかね?」


 扇の影で私が言うと、ガイアスさんも小声で答えてくる。


「そうとも限らない。縁者に貸しているだけかも知れん」


 なるほど。私が考えを巡らせていると、ドレスポケットからベルジュが顔を出した。


『あの宝石を壊せばいいのか?』


 そんな暴力的な解決な訳は、無いでしょうよ。


『フム……ワシが先ほど見た、あいつらの行った先を見つけてくる』


「本当?」


『”世界の遺跡100選”の図鑑で手を打ってやるぞ』


 また、そんなに場所と金を取るものを……。


「分かったから、行ってきて」


 ベルジュは一つ頷くと、ちっちゃい体で床をちょこちょこさせて歩き出した。40m問題は有るのだが、この部屋はそこまで広くは無いので、手がかりは何かしら有るだろう。


 その間にウェイターから飲み物を渡されたが、こんな場所のドリンクに手を付けられる訳もなく。何が入っているのか、分かったもんじゃない。


 10分くらい経つと、ベルジュが無事に戻って来た。ひょいとソファによじ登ると、ピッと、ある方向を指し示す。


『あちらのカーテンの後ろに扉が有る。合言葉を使っておったぞ』


「でかしたベルジュ。最高~!偉い!」


 若干わざとらしく褒めた形になってしまったが、ベルジュは気が付いていない様で、鼻高々としているような仕草をした。本人は気付いていないので、問題無しだ。


「合言葉は聞けた?」


『《赤い薔薇が黒く染まる》だった』


 悪趣味な合言葉だ。

 私達はゆったりとした足取りでカーテン後ろの扉に向かう。それを扉の番をしていた男が阻んだ。


「合言葉をどうぞ」


「《赤いバラが黒く染まる》」


 男はドアを開けると、私達を中に通した。


「これは……」


 先ほどの部屋も大概だったが、こちらは更に酷い。狂乱しているような笑い声とともに、エロい意味で、組んずほぐれつがおっぱじまりそうな雰囲気だ。みんな一様に首から宝石を下げており、それが不気味に光っている。


 「これはこれは、新しいお客様かな?」


 顔は仮面で分からないが、身なりの良い壮年の男性が近付いてきた。


「ええ、私達、とある方から誘われましたの」


 私が扇で口元を隠して声色を変えて喋ると、ガイアスさんが胸から偽造した招待状を見せる。


「おぉ、あの男爵家の御子息のご紹介ですか」


 しかし、途端にニヤリと口元を歪めたかと思うと、ぐしゃりと招待状を握りつぶした。


「ここに来れる人は、、1人に一つ、必ず石を持っているのです。あなた方は二人で一つしか持っていませんね?どこの家の指図ですか?」


「それはお前の知った事では無いな」


 ガイアスさんが戦闘態勢に入ると、男が何やら指示を出し、何人ものボディーガードがワラワラと出て来た。


 ガイアスさんが私を後ろに庇うと、牽制用のナイフを出す。私の方はドレスポケットからベルジュが飛び出て肩に乗り、いつでも反応できるような体制を取った。壁際まで下がって背中がつくと、上に小さな窓がある事に気付いた。前に居るガイアスさんは、何人もの意識を刈り取っている。


 私は肩に居るベルジュにコソリと小声で伝える。


「あの窓、破れる?」


 大きな音がして、潜入している誰かが気付いてくれるかもしれない。ベルジュは心持ち上を見ると目を細める。


『ハッ、やってやろうではないか』


 ベルジュは肩から降り立つと、上の小窓にシールドをぶつけた。手加減したのか、壁が崩れるまでには至らない。

 しかし、音はしたのだから、誰か気付いてくれただろう……と思ったら中の人も気付いてしまって、扉の外に居るボディーガードもワラワラ来てしまった。何て事だ。


 私が天井を仰ぎ見て考えを巡らせていると、外から聞き覚えのある声がした。


「セルフィちゃん、窓から離れて!」


 サーリャさんの声だ。


「ウィンドカッター!」


 風の刃が壁を崩していく。その後ろからセイカさんとイクリスさんが前に来る。


「セルフィさん、大丈夫ですか?って、うわ、酷いですねココ」


 セイカさんが中の状況を見て、驚いた声を出す。

 イクリスさんも出てきてボディガードを次々と昏倒させていくと、男はまずいと思ったのか、背中を向けて走り出した。


「バインド!」


 サーリャさんが拘束魔法を掛けると、男が床から出て来た手にからめとられ前に倒れた。イクリスさんが私を追い抜き、男を後ろ手に縄を掛けて拘束する。


 イクリスさん達が外に合図をしたのか、仮面舞踏会会場にも騎士団が入ったようだ。

 かくして狂瀾の仮面舞踏会は終幕となった。

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