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僕の幼なじみは今夜も知らない誰かに抱かれる(R15版)  作者: 碗古田わん


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三十八、初出勤

挿絵(By みてみん)

 翌朝。

 塚田(つかだ)純希(じゅんき)、加藤(かとう)小春(こはる)、それに下野(しもの)薫(かおる)と野上(のがみ)沙弓(さゆみ)は、いつものようにエントランスで待ち合わせた。

「メッセで見たと思うけど……」

 沙弓の顔を見た小春は開口一番で告げた。

「例の件、OKになったから」

 それに沙弓はコクッと頷いた。

 未読のメッセは朝早く、既読になっていた。

「よかっ……た」

 沙弓は笑みを零した。

(本当に切羽詰まってたんだなぁ)

 それを見た純希は、心の中で冷や汗笑いした。

「例の件って?」

 一人話について行けない薫が、聞く。

「さゆを仕(・)事(・)に引き込もうって話」

「えっ!?」

 小春の言葉に薫は驚きの声を上げた。

「どうして、そんな話になったの!?」

 そして、小春に詰め寄る。

「僕が説明するよ」

 それを見た純希が間に入った。

 純希はことの成り行きをかいつまんで、薫に説明した。

「そうなんだ……」

 話を聞き終えた薫は神妙な顔になった。

 やはり薫も思うところがあるらしい。

「さゆちゃんは、それでいいの?」

 なので、沙弓に念を押した。

 沙弓はコクッと頷いた。

「本人がいいって言うなら、いいけど……」

 それでも薫は、納得しきれてないようだった。

 思いは純希と同じなのだ。

「お母さんにはバレないの?」

 なので、薫は最後の抵抗を試みた。

「さゆのお母さんは毎晩、帰りが遅いから大丈夫だと思う」

 その問いには小春が答えた。

「万が一、早く変えてきたときは、あたしの部屋で勉強してることにするから」

「それだと、いざ、部屋に乗り込まれたときにマズくない?」

 薫の指摘に純希と小春は、あっ、となった。

 二人ともそこまでは考えていなかった。

「仕方ないなぁ」

 薫は頭を振った。

「わたしの家に来ていることにすれば?」

 そして、ため息混じりで提案する。

「わたしなら、平日の夜は家にいるし、なんとか誤魔化せるでしょう?」

 その言葉は渡りに船だった。

「そうだね……お願いしてもいいかな?」

「うん」

 純希の問いに薫は頷いた。

「ありがとうございま……す」

 沙弓も頭を下げる。

「いいのよ」

 その顔は本当に済まなそうだったから、薫は意識して笑みを作った。

「わたしも仕(・)事(・)仲間だし」

「え……っ?」

 薫は何気なく言ったつもりだったが、沙弓は小さく驚いた。

「言ってなかったの?」

 それを見て逆に薫の方が驚いた。

「そういえば、言ってなかったね……」

 頭を掻いた小春は、引きつった。

「わたしもね、加藤と同じ仕(・)事(・)しているの」

 呆れたように小春を見てから、薫は微笑んだ。

「なにか困ったことがあったら、遠慮なく相談してね」

 その言葉に、沙弓はコクッと頷いた。


 放課後になり、小春は沙弓とともに事務所に向かった。

 そこで沙弓は事(・)務(・)所(・)の代(・)表(・)と面談した。

 小春も同席したかったが、剣(つるぎ)銀治郎(ぎんじろう)に止められてしまった。

 自分のことではないのに、やきもきしながら待機室で待っていると、面談を終えた沙弓が入ってきた。

「どうだった?」

 結果が気になった小春は、食い気味に聞いた。

「雇ってくれる……って」

 沙弓の答えに、小春はホッと胸を撫で下ろした。

「ただし、色々条件付きだがな」

 あとから入ってきた銀治郎が補足する。

 曰く、

 仕事で稼いだ金は、事務所が作る隠し口座に入れること。

 帰りが遅くならないように、仕事の時間を調整すること。

 他にも、細かい約束事が決められていた。

 小春と薫の例があるとは言え、ここまで幼い娘(こ)を預かるのは初めてなので、事(・)務(・)所(・)も慎重に事を運んだのだ。

「それで、ボディーガードは誰がつくの?」

「私が引き受けることことになった」

 小春の問いには、一番後に入ってきた男性(ひと)が答えた。

 年の頃なら四十ぐらい。

 長身で細身の身体をした落ちついた雰囲気をしたイケおじだった。

「宇門さん!」

 事(・)務(・)所(・)のボディガードではナンバーツーに座る宇門(うもん)金芳(かねよし)、だ。

「意外かね?」

 驚く小春に、金芳は柔らかく微笑んだ。

「ううん」

 小春は首を横に振った。

「宇門さんがボディガードにつくなら安心だよ!」

 それから、喜ぶ。

「では、沙弓さん、向こうで基本的な情報を登録しよう」

 金芳の言葉に沙弓はコクッと頷いた。

 そのまま控え室を出た沙弓と金芳は、応接室へと向かった。

 小春はそれを見送りながら、ホッとしていた。


 話し合いの結果、沙弓の源氏名は、『遠藤さゆ』に決まった。

 本来、源氏名と本名は離すものなのだが、沙弓が自分の事を『さゆ』と呼ぶため、それがそのまま採用されることになった。

 遠藤も、両親が結婚していたときの名字だ。

 沙弓は頭が弱いため、あまり手の込んだことはできないだろうということで決まった。

 所属学校は、私立女子学園中学に決まった。

 そして、デビューは来週の月曜日になった。


 日曜の夜、小春はベッドにモグリながら、専用アプリで予約状況を注視していた。

 自分の、ではない。

 沙弓の相手が誰になるか気になっていたのだ。

 沙弓が今週デビューすることは、土曜日の段階で告知されていた。

 そして、深夜の十二時。

 専用アプリの沙弓のページに予約項目が追加された瞬間に、沙弓の予約はあっという間に埋まってしまった。

「凄っ……」

 小春は思わず呻いた。

 小春自身のページもこれぐらい瞬殺だったのだが、久々に予約合戦を見て小春はあらためて驚いた。

「さゆのデビュー戦の相手は誰かな?」

 スマホをタップして、画面を切り替える。

 専用アプリのスタッフアカウントでは、自分だけでなく他の娘(こ)の予約状況を確認できるようになっていた。

「ああっ……」

 その名前には見覚えがあった。

 宮野(みやの)友彦(ともひこ)。

 自分より年上の娘にゴミ扱いされると愚痴をこぼしていた男性(ひと)だ。

「この人なら、大丈夫そうかな?」

 自分としたときのことを思い出して、小春は独りごちった。


 翌朝、純希たちは、いつものように一緒に登校した。

 沙弓はいつにも増して濃い色香を発していた。

(今日のさゆは、凄いな……)

 純希は心配した。

「今朝、ひとりでし(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)の?」

 同じく心配になった小春が、沙弓に囁く。

「したけ……ど……」

 それに沙弓は頬を朱色に染めた。

「今日のことが楽しみすぎ……て……」

 全然、満足できなかったのだ。

 それを聞いた小春は冷や汗笑いした。

「とにかく、今日は誰の誘いにも乗っちゃ駄目だからね」

 それから、念を押す。

 沙弓はコクッと頷いた。


 そして、放課後になった。

 小春は校門で沙弓と待ち合わせて、事(・)務(・)所(・)へと向かった。

 私鉄を乗り継いで新横浜まで来る。

 そして、ほんの数分歩いて事(・)務(・)所(・)の入るビルに辿り着いた。

 事(・)務(・)所(・)に入ると、既に金芳が待機していた。

「じゃあ、着替えよ」

 小春が声を掛けると、沙弓はコクッと頷いた。

 与えられたロッカーの前に立った沙弓は、ドラを開けるとまずブレザーを脱いだ。

 それをハンガーに掛けてしまい、次にジャンパースカートの左肩のホックを外す。

 そして、左脇のファスナーを下ろすと、足から抜いた。

 それもハンガーに掛けて、ブラウスのボタンを外す。

 ブラウスを脱いで、ハンガーに掛けると、ブラ透けよけのキャミソールを脱ぐ。

 事前に小春から、着ない方が客受けがいいと聞かされていたからだ。

 これで沙弓を包むのは、紫のブラと水色のストライプ柄のショーツのみとなった。

「それ、自前?」

 同じく下着姿だけになった小春が、沙弓に聞いた。

 沙弓はコクッと頷いた。

「下着も言えば、買ってもらえるから、白とか用意した方がいいよ」

 沙弓の答えに、小春はアドバイスした。

 小春も今日は朝から、最近新調してもらった白のブラとセットのショーツを着ている。

「……?」

 だが、沙弓は意味がわからず、首を傾げた。

「おじさんたちは、あたしたちに白を求めることが多いんだよ」

「そうなんだ……どうしよ……う……」

 それを聞いた沙弓はオロオロした。

「今日のところはそれでも大丈夫だと思うよ」

 しまった、と思った小春は慌ててフォローする。

 そんな小春の言葉に、沙弓は安心して、コクッと頷いた。

 それから、ロッカーの中から制服を取り出す。

 紺のセーラー服だ。

 それを頭から被り、左脇のファスナーを下ろす。

 次に同じく紺のプリッツスカートを取り出すと、それを履いて左脇のファスナーを上げた。

(破壊力抜群だなぁ)

 既に専用アプリの紹介ページで写真は見ていたが、色香を全身に発する沙弓に小春は冷や汗笑いした。

 着替えが終わり、小道具の学生カバンを持って沙弓は、小春とともに更衣室を出た。

「準備できまし……た」

 そして、待機していた金芳に声を掛ける。

「では、行こうか」

 ソファーから立ち上がった金芳は優しい笑みで告げた。

 沙弓はコクッと頷いた。

 そのまま事務所を出た沙弓と金芳は、エレベーターで地下駐車場まで下りた。

 そこで黒いメルセデスAMGGLEに乗り込むと東京に向かって出発した。

「今日のお客様は、宮野様だ」

 GLEが首都高速に乗ったところで、金芳は口を開いた。

「常連様なので、女性の扱いには慣れている」

 沙弓は金芳の説明をジッと聞いていた。

「なので、わからないときは身を委ねても問題ない」

 その言葉に沙弓はコクッと頷いた。

 そうしているうちに、GLEはホテルに到着した。

 ロビーでチェックインを済ませた金芳は、キーカードを沙弓に渡す。

「一人で大丈夫かな?」

 すると沙弓は不安そうな顔で金芳を見る。

「なら、一緒に部屋まで行こう」

 その視線を感じて、金芳は優しく応えた。

 沙弓は緊張を緩めて、コクッと頷いた。

 二人は、エレベーターで部屋のある階まで上がった。

 物珍しそうにキョロキョロと周りを見ながら、沙弓は金芳の後をついて行った。

「ここだよ」

 目的の部屋の前で金芳は立ち止まった。

「ここにキーカードをタッチして」

 金芳に言われたとおり、沙弓はキーカードをタッチした。

 ガチャッとドアのロックが解除される。

「あとはわかるかね?」

 金芳の問いに沙弓はコクッと頷いた。

「それでは、私は車の中で待つとしよう」

 そう言ってから、金芳は念を押した。

「最初に説明したとおり、なにかあったらすぐ連絡を」

 沙弓はコクッと頷いた。

 部屋に入った沙弓は、灯りをつけてから学生カバンとともにソファーに座った。

(いよいよだ……)

 沙弓は緊張した。

 元々人見知りなので、仕方ない。

 だが、その一方で期待もあった。

 この熱りを冷ましてくれる相手であることを祈って。

 今は、見ず知らずの相手と会うことよりも、その方の気持ちが勝った。

 期待と不安が入り交じって、沙弓の鼓動は自然と早くなった。

 すると、ドアがノックされた。 

「暗号解読コード……は?」

 ドアに近づいた沙弓は、あらかじめ教えられた合い言葉を口にする。

「ベーターツー」

 返事はすぐに返ってきた。

「正解で……す」

 その答えに沙弓はドアを開けた。

 そこには友彦が立っていた。

「こんばんは、さゆちゃん」

「こんばん……は」

 友彦はできるだけ優しく微笑んだが、緊張マックスの沙弓は危うく噛みそうになった。

(凄い色香だ……)

 沙弓を見た友彦は思った。

 一目見てわかるぐらい、沙弓は色香をダダ漏れさせていた。

「さっそくだけど、いいかな?」

 それに当てられて友彦は、興奮した。

 部屋に入ってすぐに、沙弓に尋ねる。

 コクッと頷いた沙弓は、目を閉じて唇を突き出す。

 その仕草さえ色っぽい。

 我慢できずに、友彦も唇を重ねた。

「……じゅるじゅるくちゅくちゅ……くちゅじゅるじゅるれろれろ……じゅるれろれろ……じゅるちゅぱ……」

 舌と舌を絡めて、二人はベロチューをした。

(あっ……気持ちいい……)

 友彦の舌使いに、沙弓は感動した。

「……れろれろれろれろれろ……じゅるじゅるじゅるれろ……れろくちゅ……れろれろ……」

 友彦とのディープキスに、沙弓はうっとりとした。

「……れろちゅぱれろ……じゅるくちゅくちゅ……くちゅじゅるじゅる……ちゅぱくちゅ……」

 そして、貪るように舌を絡める。

「ちゅぱっ……」

 そこで友彦は唇を離した。

 沙弓は、物足りなそうな顔で上目遣いに友彦を見た。

「続きはベッド、ね?」

 友彦の言葉に、沙弓はコクッと頷いた。


 ♢♦♢♦♢♦


 結局、ベッドで二回戦、風呂で一回戦して沙弓の今日の仕(・)事(・)は終わった。


 そして、翌日。

 朝、いつものように塚田家で朝食を取った純希、小春、薫はエントランスに下りた。

 そこでは、沙弓が待っていた。

「おはよう、さゆ」

「おはよう、じゅんお兄ちゃん、こはお姉ちゃん、かおるお姉ちゃん」

 まるで憑き物が落ちたようにすっきりとした沙弓を見て、純希はうまくいったことを悟った。

「どう? 気持ち良かった?」

 そんな沙弓に、小春はこっそりと耳打ちした。

 頬を朱色に染めながら、沙弓はコクッと頷いた。

「なら、よかった」

 その答えに小春は笑みを零した。

「じゃあ、行こうか」

 純希の誘いに、沙弓はコクッと頷いた。

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