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氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
諦めの迷宮踏破編
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腐敗臭

重要な玄室のルーム・ガーダー、クリスタル・ゴーレムを撃破した恩恵は大きい。

ここから先は、ランダム転移陣を踏まなければマッピングの精度も維持出来る。

フロアを隈なく探索し、転移陣の接続先を確認。

その繰り返しで、たった一日の間に九層のマッピングが終了した。


繰り返すルーティン・ワーク。

一週間の間に、到達最深部である十四層をも攻略。

幸運にも十四層までの転移陣は既存のものと接続されていた。


十五層、その最初の転移陣。


「何処だ?」


と、いうイザベラの声に反応したのはロザリー。


「まずは三叉路を探すよ」


そこでコンパスを見る、そうすれば、該当する三叉路が四分の一程度に絞れる。

そこからどちらかの壁伝いに移動、最初に出くわす地形で、さらに場所が絞れるはずだ。


「アイシャは、斥候に集中するべきだな」

「私とロザリーで地図照合」

「会敵に備えてシャアリィは準備」


イザベラの的確な指示で、パーティ・メンバーが動きだす。

三叉路から右壁伝いに移動した先には玄室の扉。

地図上で該当する箇所は三つ。


「引き返して逆側の地形を確認しよう」


イザベラの指示で現在の地形が把握出来た。

T字型の通路の先、その全てが玄室に繋がっている。


「未踏破領域だね」


ロザリーの一言でパーティに緊張が走る。

イザベラが新しい方眼紙に地形を描き込み、玄室突入準備完了を報せた。


「じゃあ、開けるよ」


アイシャが選んだのは、最も魔物の密度が薄いと感じた扉。

するすると開く扉の向こうから漂う腐敗臭。

それは迷宮の深部では、かなりまずい兆候。

強力なアンデッドとの遭遇を意味する。


四人が玄室の中に見たのは、腐肉の塊。

だが、その質量は人間にすれば十人分もあるだろう。

その正体を最初に看破したのは、シャアリィだった。


『ドラゴン・ゾンビィ!』


剥き出しとなった頭骨の中に光る赤い瞳。

半ば崩壊している身体からはずるずると臓物の残骸が伸び、それを自らの足でぶちぶちと踏み潰しながらゆっくりと向かってくる。

通路に逃げるのは危険極まりない。


「玄室の中に!」


アイシャが状況を判断した上で、パーティ・メンバーを誘導する。

本来であれば、イザベラがヘイトを放ちターゲットを固定する所だが・・・


「イザベラ、ヘイトはナシだ」


先日の戦闘でさえ、厳しい戦いだったことを考えればターゲットの固定は危険。

アイシャが言外に伝えたのは、


『遊撃戦』


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