表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
大商人街道編
429/450

まずは掃除

その街は聖職者の巡礼地。

その迷宮はアンデッドの巣窟。

そこにある教会は、アーシアン連合国西地区の最高権威教会。


白い壁と青い海、緑風と熱砂、生者と死者。

伝説の魔人マーヴェリック・エルゴ・ダインの故郷。



新しい枢機卿としてグリーンノウズの地に戻ってきたフランコ。

帰宅と同時に届く、様々な貢ぎ物。

これは面倒だと頭を抱える。


シャアリィも、アイシャも、グリーンノウズ改革に手を貸すことになり、また、暫くフランコ邸での生活が始まる。

最初の仕事、それは『掃除』だ。

勿論、屋敷の掃除ではない。


今まで深く根差していた三竦みの関係を悉く破壊すること。

セブール商会、領主府、教会・・・これを正しい在り方に戻さなければならない。

つまり最初の仕事はセブール商会の裏稼業の駆逐。

自由経済にまで口を挟むつもりはないが、必要であればこの地からの排除も厭わない。


「あいつ、まだ、いるかな?」


シャアリィが、あいつと言えば『(エレファント)』こと、ブラットン・ジョンソンのことだ。

アイシャはその言葉で、成程と納得する。

ジョンソン程、裏の世界を知る一般人はいない。


「フランコ、彼を領主府か、衛兵監督署に捻じ込めるか?」


アイシャはジョンソンを起用することに賛成のようだ。

それにはフランコも同意する。


「彼や家族の安全性を考えるなら、衛兵監督署だね」

「ただ、我々の思惑よりも先に、ジョンソンの意向を聞こうか?」

「お膳立てをした所で、彼がやりたい仕事かどうか」

「無理強いはしたくない」


今日は旅の疲れを癒し、本格稼働は明日から・・・。

そう決めて、ジョンソンの所に向かい前振りだけを話すことにした。


・・・


相変わらずの開け放たれた両開きの扉・・・グリーンノウズ冒険者ギルド。

カウンターにはネイルの出来栄えを眺めるアイリーン。


「よう、コネっこ」

「帰って来たぜ?」


シャアリィの声に驚くアイリーンが叫ぶ。


「マスター、キラーズが戻ってきたよー」


その声にすぐさま反応し、ドタバタと奥の扉から現れるギルド・マスター、ジョンソン。


「久しぶりだなキラーズ」

「ああ、今はドラゴン・スレイヤーか」

「おまけに結局、『廃棄の王』まで殺ったらしいじゃねえか」

「どんだけ稼げば気が済むんだよ」

「で、何の用だ?」


それに応じるのは、フランコ。


「きみをスカウトしようと思ってね?」

「この仕事辞めたがってただろう?」

「私の枢機卿就任祝いに、衛兵監督署のポストをプレゼントしようじゃないか」


あんぐりと口を開け、ジョンソンが固まる。


「まじか、坊ちゃん」

「枢機卿になったのは知ってたが、俺はあんたに貸しなんてないぜ?」

「どういう風の吹き回しだか、わからねえ」

「何を企んでいる?」


アイシャがフランコの前に出て、凛とした声で返す。


「この街を掃除するのさ」


ジョンソンはパシンと音を立てて、己の顔を右の掌で覆った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ