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氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
教皇争奪戦編
425/444

珍客(刺客)

フランコがレリットランスに立ち寄った理由。

それは二つある。

一つは踏破記念治癒院の視察。

アネモイとの約束を果たすべく、余裕の出来た教会資金で医療改革をするための研究だ。

そして、もう一つは大型キャラバンの車両制作の依頼。

船であればグリーンノウズでなければならないが、車両制作であれば流通網の中心部、レリットランスが最も技術が高い。

車両さえあればすぐにでも取り掛かれる事業だけに、フランコは急ぐつもりだ。


もうすぐ、九月。

そろそろシャアリィも十八才になる。

昨今のサプライズ合戦にも慣れてしまったので、アイシャは普通にファイヤー亭で祝うつもりだ。

久しぶりに開けるファイヤー亭の扉。

そこには奇妙な客人が待っていた。


「お目に掛かるのは初でござるな」


・・・ござる?

その服装から見て、ミヤマのひとだろうか?

と、シャアリィが頭に疑問符を浮かべると、アイシャが耳元で囁く。


「人斬りラモンだよ」

「ミヤマの屋敷を抜けて、賞金首狩りをしてるひと」


そのまま、アイシャが受け答えすることに。


「人斬りのおじさんが、なんでここにいるの?」

「ここじゃ、鶏肉は切るけれど、ヒトは斬らないんだが」


ラモンは、突拍子もないことを言う。


「竜殺し、どちらでも良い」

「某と手合わせを願いたい」


シャアリィは、簡潔に答える。


「嫌だよ?」


当たり前だが、取り付く島もない拒絶。

ラモンは食い下がる。


「まぁ、某が相手ならば逃げるのも仕方あるまい」


アイシャが溜息を吐く。


「あなたと殺りあっても、私達には得がないでしょう?」


ラモンは、得意気に言い放つ。


「ははは、良い逃げ口上、土産話にはちょうど良い」

「所詮は小娘であったわ」


それを聞いていたフランコが笑いながら、


「なんとかは死ななきゃだ」

「相手をしてやればいいじゃないか」

「少しでも息があれば、私がなんとかするさ」


そこでアレックスがキレる。


「おい、生臭い話はここではするな」

「燃やすぞ?」


シャアリィが腹を抱えて笑い、


「ほら、怒られた」

「しょうがないから受けてあげるよ」

「その代わり治療費は請求するからね?」


ラモンとシャアリィ一味は、衛兵所に立ち寄る。


「このひとが私と勝負したいらしいので、ちょいと門の外をお借りしますよ?」

「間違って、うっかり殺しちゃっても同意の上だから、捕まえないでね?」

「おじさん、これでいいよね?」


ラモンは、無言で頷いた。


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