閑話:混合型亜人と変異型亜人
タウロス(ミノタウロス、ケンタウロス)、ラミア、アラクネ、セイレーン。
人間と魔物を混合した姿を持つ亜人。
この世界の混合型亜人の起源は、新人類史初期に遡る。
領土、資源に始まり、宗教、経済に至るまで、戦争に明け暮れた時代。
時の権力者達が求めたのは、優れた兵器だった。
石器から金属へ、銅から鉄へ、鉄から鋼へと武器は進化し、それと同時に兵士も又、より強いものが求められた時代。
魔道学者が提案し、完成させたのが、人間と獣の魔物を合成するという荒業。
その研究は長く、広範囲で行われ、後には変異型亜人をも生み出す。
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変異型亜人は、ウェアウルフ、ウェアタイガー、ウェアベア、ウェアライオン等、多種多様。
特定の集落に、伝統的呪術として残されている。
一定年齢に達した子供に、獣の魔物を封じた魔石を体内に取り込ませ、自らの意志で獣化可能な存在へと個体進化させる。
ただでさえ危険な猛獣が人間の知恵を持てば、その脅威は絶大。
そして、人間社会に紛れることも可能であれば、その恐怖は計り知れない。
だが、集落を出ることは稀。
そういう個体は、大体の場合、冒険者として活動している。
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吸血種は、ウェアウルフから生まれた非常に強力な変異種である。
圧倒的な体力、魔力を有し、独自の文化圏、国家を獲得するまでに発展した。
結果、戦闘技能、術式改良、身分制度や社会基盤、果てには芸術を嗜む程に知性も進化した。
反面、吸血種同士では繁殖能力が極めて低い為、労働力として、人類奴隷や人間と交雑した半吸血種を支配下に置く。
半吸血種でさえも、人間の戦闘能力と比較にならない膂力を持ち、純粋種である吸血種貴族においては、その一人一人が数百人の戦闘能力を持つ。
さらに吸血種貴族は、契約吸血のスキルによって人類を吸血種に変える能力を有する。
人類にとって不都合なことは吸血種貴族の長い寿命。
長命として知られるエルフと同等の長命種だ。
その危険度は単体で二百以上、龍種を単独で討伐可能とされる。
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魔石を核とした合成に手間が掛かり過ぎる故、繁殖による個体数増加が可能な『種』として定着させる研究も行われた。
それが叶ったのが、先述の混合型亜人だ。
異性を必要としない単為生殖である為、ラミア、アラクネ、セイレーンは、その全てが女性体であり、タウロス種のみが男性種、繁殖期に性転換する有性生殖で個体数を増やす。
故に、成体は全て男性体となる。(稀に雌?のタウロスも生まれるが生殖機能はない)
人工的に与えられた繁殖能力は極めて高く、一度の出産で十を超える子孫が生まれてくる場合もある。
但し、寿命においては、人間と同等或いはそれよりも短い。
稀に長寿個体も見られるが、その個体は通常個体よりも危険度が高い傾向にある。
戦争のために作られた魔物故に、その性質は極めて好戦的。
その知性は高く、言葉や合図による意思疎通が可能であり、道具や術式も使用する。
戦闘能力においては個体差によるバラ付きが激しいものの、概ね危険度十以上とされ、中には単体で危険度三十を超える個体も存在する。
体内に魔石を持つ為、人間を超える精霊干渉能力があり、極めて成長が早く、その体躯は大型化し易い。
生後二年で、成体と同等の能力を備え、生後五年を経過すれば、繁殖が可能となる。
その殆どが群れや集落を形成し、その生息域は広範囲、環境に適応する能力も高い。
迷宮設計者たちは好んで混合型亜人が生息しやすい環境を整え、余程の小規模迷宮でもなければ、ほぼ必ず遭遇する魔物になっている。
食性は殆どの場合、雑食。
セイレーンのみが、完全な肉食。
これ程、全世界に繁栄している魔物カテゴリは、ゾンビィ、スケルトンのような人間の死体をベースとしたもの以外には類を見ない。
つまり・・・何処までも人間という生物が、魔物の存在に大きく関わっているという因果応報。
それをも資源として活用しているのだから、最悪の魔物は人類種かも知れない。




