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氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
氷結龍討伐編
263/416

闘牛その一

翌日、ジョンソンへの宣言通り、シャアリィとアイシャは冒険者ギルドに足を向けた。

今日はアイリーンが非番なのか、別の受付嬢・・・否、受付婆がいた。


「んんんん?物売りなら間に会ってるよ?帰りな」


状況を飲み込めないシャアリィが、問う。


「あは、お婆ちゃんこそ、こんなならず者が来るような所にいちゃあ、危ないよ?」


その言葉に老婆が沸騰する。


「おお?小娘、よくぞほざいた」

「老いちゃあいるが、あたしは元冒険者だ、ギタギタにしてやるから表出な!」

「年寄だからって舐めてると・・・」


そこに(しか)めっ面のジョンソンが現れる。


「母さん、そいつらは俺の客だ、しょうがねえなぁ」

「すまん、ちゃんと言っておいたつもりだったが・・・」


アイシャは、呆気に取られた後、吹き出す。


「ギルドの留守番に母親使うって、どんだけ、経費節約してるのさ」

「まさかとは思うが、アイリーンも身内じゃなかろうな?」


図星を付かれたジョンソンは、


「姪っ子だよ、言っとくが愛人とかじゃねえからな」


言い訳なのか、弁明なのか、よくわからない返答をした。


・・・


最初の討伐。

その相手を決めたシャアリィとアイシャの前に、詳細な情報が明かされる。


「右耳の迷宮地下三層、南側壁面に横道がある」

「それが派生玄室への通路だ」

「一度でもここの迷宮に潜ったことがあるなら、知ってるだろうが、グリーンノウズの迷宮はどれもこれもとんでもねえ数のゾンビィ、スケルトンがいる」

「現地に着くのさえ厄介な仕事だ」


シャアリィとアイシャは、熟知しているなどとボロは出さない。


「ああ、せいぜい気をつけるさ」

「でも、魔石はあって困るもんじゃないし、沢山獲れるなら大歓迎」


アイシャが、如何にも舐めて掛かっている冒険者を装う。


シャアリィは悪戯に、先ほどの戯れを蒸し返す。


「そうだ、お婆ちゃん、私とどっちがゾンビィの魔石持ってこれるか勝負しない?」

「さっき、ギタギタにしてやるって言ってたじゃん」

「さすがに私も老人を虐待する気にはなれないから、そういう勝負でどう?」


金色の瞳で老婆を射抜く。


「あわあわわわわ、か、か弱い老人の戯言を間に受けて・・・」

「年寄を虐めると地獄に墜ちるぞぇええ」


ジョンソンが、老婆に代わり謝罪する。


「なぁ、冗談だろう?」

「勘弁してやってくれよ、俺からも謝る」

「これも土地柄ってことで、多めに見てくれよ」


シャアリィは舌をちろりと出して、


「長生きしてね、お婆ちゃん」


と、悪戯に笑った。


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