表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
氷結龍討伐編
256/395

歴史の頁に

小さな勇者に先導され、楽団が通りに現れる。

整列し、観衆に頭を下げて討伐劇が始まった。


鳴り響くシンバルと共に歌劇役者による解説が加わる。


♪レリットランス開闢百年、この扉が開け放たれてから、幾人もの勇者が倒された。

♪そこにいるのは六本の腕を持つ恐ろしい魔物、スタチュー。

♪その手に持つのは、弓矢と剣盾、残る二本は拳が凶器。


♪エドワード、治癒を頼む、シャアリィは足止めだ。

♪マジック・ソードを掲げ、アイシャが部屋に踊りこむ。


♪任せろ、俺が二人を死なせはしない。


♪私が敵を凍らせるから、アイシャは必殺の一撃を!


・・・


所々、変更されてはいるものの、大筋、史実通り。

物語の終盤、観客は涙する。


♪お前の名前を聞いておきたい。


♪敗者に名乗る名などないさ。

♪楽しかったよ、アイシャ・セロニアス、シャアリィ・スノウ、エドワード・ルッツ。


♪スタチューは、敵ながら見事な最後を遂げて宝玉を残して消える。

♪傷ついたパーティ・メンバーに最後の魔力を振り絞ったエドワードのヒール。

♪神の加護に照らされた三人はこうして迷宮を踏破した。


・・・


シャアリィとアイシャは、少しばかり笑ってしまったが、この方がドラマティックで教会も面目が立ち、何より客受けがいい。

よく考えられた脚本は、シャアリィやアイシャの重要な情報に触れず、皆を楽しませるエンターテインメントとして、良く出来ていた。


何処から見ていたのか、領主アネモイが登場し、その護衛が、シャアリィ、アイシャ、エドワードの三人を見つけ、小さな英雄たちと並べる。


「こちらが、皆さんもご存じの迷宮踏破者三名です」

「如何でしたか?」


と、台本なしに水を向けられ、シャアリィが応じる。


「とってもよく作られていて、すっごく楽しい劇でした」

「小さな英雄さんたちも恰好良かったです」


観衆に愛想良く手を振る三名、その顔は少々引き攣っていた。


小さな英雄、楽団とインタヴューが続き、三人はファイヤー亭前に戻ってきた。

どうやら、アレックスもオルチェも劇を観覧したらしく、


「あんなすげえのと殺りあったんだな・・・改めて脱帽だぜ」


と、アレックスが言えば、オルチェも、


「居酒屋の女将で良かったよ」


と、真面目な顔で言う。


アイシャは思う。

これが毎年ここで伝統行事のように開かれるのかなと。

少しばかり英雄の気分になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ