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氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
氷結龍討伐編
254/396

収穫祭

レリットランス到着から一夜明けて、冒険者ギルドに顔を出す。

シャアリィとアイシャの、『三日月』討伐は、既にギルドに届いていた。


「相変わらず派手にやってるらしいな、アイシャ、シャアリィ」


来賓室のテーブルで、ロートシルトが二人を出迎えた。


「もう、手当たり次第という感じだが、此処には生憎、お前たちの次の戦歴に加えるような魔物もいないからなぁ」

「そういえば、踏破記念治癒院には、もう顔を出したのか?」


アイシャが身振りを交えて答えた。


「すごいですね、アレ」

「建物もですが、何より仕組みがすごい」


ロートシルトは笑顔で説明する。


「ああ、アーシアンからきた新しい領主が考えたようだな」

「どうやればナセルバに人口が流出することを食い止められるか、と」

「この街は、北側と南側の中間点で大きな物流がある、迷宮都市から緩やかに商業都市へとシフトする計画なのだ、と」

「私も、自分が生きているうちに迷宮踏破が叶い、大きな責任を果たすことが出来た」

「もう、何時引退してもいいんだが、新たなギルドマスター候補が見つからなくてな」


シャアリィとアイシャには残念ながら、人選に叶うような知り合いはいない。


「街が騒がしいみたいですが、何か催しでも?」


シャアリィが問うと、ロートシルトが顎髭を梳きながら答える。


「収穫祭、というものが今年から行われることになった」

「教会の慈善の場、農耕関係者への労い、祭りが増えればそこに金が動く」

「外部からの観光客が来るようになれば、さらに上乗せ」

「新しい領主は、本当に抜け目のないやり手だよ」

「四日後だが、時間があるならば見ていくといい」


シャアリィとアイシャは互いの意志を確認して、


「ええ、急ぐ旅路ではなくなったので、是非!」


夏祭りに続いて秋も祭り。

それもシャアリィが故郷のように思うレリットランスで。


「ファイヤー亭は、露店出すのかな?」

「ていうか、私達で露店やればよくない?」


シャアリィの思い付きは、アイシャを何時も楽しませる。


「でも、シャアリィ、そうすると私達が露店廻り出来なくなるよ?」


そこまで考えていなかった、という顔をして、シャアリィはあっさり廃案を決めた。


「ファイヤー亭の手伝いくらいにしときますか」

「そうすれば、アレックスやオルチェも露店廻りくらい出来るだろうし」

「ナッチェもエレナも、休憩時間を増やせる」


じゃあ、エプロンくらい買いに行こう、と。

冒険者ギルドを出て、職人街へと歩き出した。


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