姉妹の再会
妹を前にし、アイシャは案内役の修道士に尋ねる。
「私と、シャアリィ、リーシャだけで話をしたいんだが」
可能か?と、続ける前に修道士は、
「残念ですが」
と、手短にアイシャの申し出を拒絶した。
リーシャが、それに憤慨する。
「妾の姉であるぞ?」
「不服があるならば、申してみよ」
年に似合わぬハスキーな声の一喝は雷鳴。
修道士は脚も声も震わせながら健気に体裁を繕う。
「御身は教皇様も認める才人でありますれば・・・」
「何卒、ご理解下さいますことを・・・」
そう吐き出すことが精いっぱいだった。
だが、尚もリーシャに鉾を収める気配はなく、
「ならば、ショットを呼べ」
「直々に説き伏せようぞ」
枢機卿のファースト・ネームを口に出す無礼、それをリーシャは許されているのか。
アイシャは身が凍る思いで、自身の申し出を下げる。
「リーシャ、無理ならばいいんだ」
だが、リーシャは折れない。
シャアリィの姿を目に捉え、
「姉上、構うことはありません」
「・・・姉上の赦した者以外は疾く、失せよ」
「妾が機嫌を損ねる前にな?」
遊びではないと言わんばかりに、リーシャの指先で黒い霧が渦を巻く。
「畏まりました」
「何卒、ご容赦を」
次の瞬間には、アイシャが選んだ三人を残して、皆、退室し、静かに扉が閉じた。
アイシャは、それに安堵し、リーシャを見つめ話し掛ける。
「久しぶりだね、リーシャ」
「随分と出世したみたいで、私も誇らしいよ」
「目は・・・どうしたんだい・・・不自由はしてないかい」
そう問われたリーシャは、まるで幼子のように言葉を溢れさせる。
「大丈夫だよ、姉様」
「私、聖女の試練に失敗してしまって、この方と同じに・・・」
「瞳の色は、その時の後遺症、否、変質だね」
「ああ、姉様だ・・・本物・・・私に会いに来てくれた」
「ずっと、寂しかった・・・でもね、今は大丈夫」
「ほら、脚だって、もう、平気」
平気と言いながら見せた脚は、鋼の融合義足。
信じられないほど精密で、形さえもが普通の脚と変わらない。
ただ、鈍く光る鋼鉄製というだけで・・・。
アイシャの目にはそれが痛々しく映った。




