表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
氷結龍討伐編
223/408

敵陣での休憩

イザベラの走破力、アイシャの索敵、シャアリィの攻撃力、そしてロザリーのリカバリー、その全てが寸分のズレもなく噛み合う時、このパーティの最大能力が発揮される。


その脅威は、呼称名付きとして広く存在を知られながらも、三十年もの間、ハイランド・オーガの長として君臨してきた『三日月』の牙城を荒波のように削る。


「砲撃!」


初見でシャアリィのキャノンを躱すには、類稀な幸運が必要だ。

そして、シャアリィのキャノンを躱した魔物でさえも、その命運は間を置かず尽きる。


二十カウントのウォーター・キャノンは、想定通りの破壊を滞りなく完遂する。

直撃を避けられたとしても余波の水圧でさえ致命の一撃、その直径は三十メートルを超える。

イザベラの完全な吸引誘導で縦列化した群れが、それを避ける方法などない。

ただ後方に位置し、ただ外側を追走していたかどうかだけの運、不運。

たった一頭の雌がそれを成した所で、最早、遁走も叶わぬままに・・・


嵐の痕跡を辿るのは、介錯の刃を持つ騎士と、雪のような白い肌の獣人。

四肢が千切れ、内臓が爆ぜ、意識を奪われ、既に亡骸にも等しいものを虱潰しに壊してゆく。


五十四もの胸を抉り、掌だけを赤く染め、命の石を奪い尽くす。

そして、牙城の主は、この狼藉を未だに知らぬままに、王の玉座たる集落の中央から動かない。


「少し休憩しよう」


アイシャが他のメンバーに提案した。


「ロザリー、イザベラの体力が肝要だ」

「十二分の治癒を頼む」


シャアリィが面白いことを思いついたらしい。


「みんな、水筒出して?」


訳のわからないまま、シャアリィの足元に水筒が集められる。


「凍れ」


目の前に極小のアイス・ウォールを展開し、そこに水筒を乗せる。


「魔力が散逸する前にどれくらい冷えるかなぁ」


それを見ていたロザリーが、


「冒険者あがったら、アイスクリーム屋になるといいね」


などと、ほのぼのしたことを言う。

シャアリィが氷結術で冷やした水筒は、意外にも良い出来だ。


「おお、冷たい水というのは、こんなにも美味いものか」

「水筒も冷えていて、張った筋肉に心地良いな」


アイシャも自身の水筒をイザベラに渡し、


「もう片方の脚も冷やすといいよ」


すっかり気の抜けた顔で水筒の冷たさを楽しむイザベラ。

ロザリーは、その表情を目にしっかりと焼き付けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ