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氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
氷結龍討伐編
219/396

アイシャ・パーティ

――― パーティ。


それは魔物を殲滅するためのチーム。

役割を分担し、単独行では為せない凶悪な魔物すら倒すための。


喜怒哀楽も、報酬も、痛みや食事さえも分かち合い。

同じ時間、同じ場所、命掛けの戦いをその心に刻む。


馴れ初めなどどうでもいい。

その絆は、時に、血を分けたものよりも尊い。


・・・


「テンカウント・キャノン・砲撃!」


雌雄混成のオーガの群れは二十体。

完璧なイザベラの吸引誘導は見事にオーガの群れを縦列の的に変えた。

シャアリィのキャノンを躱しきったのは、最も後方に位置していた雌個体僅か二体。

他の全てのオーガは、死亡、或いは戦闘続行不能。


アイシャは、ウォーター・キャノンに巻き込まれ、行動不能に陥っているオーガを殲滅。

ロザリー、そしてイザベラが、各一体ずつを吸引撃破。


完全無欠の勝利。

その陰で、ロザリーの痛みは限界に達していた。

額に汗が滲み、最早、集中も此処まで。

それに気付いたアイシャが本日の狩りの終了を告げる。


「イザベラ、まさに騎士たる疾走だったよ」

「このまま、この勢いで戦闘を続けたいけれど、今日は終了しよう」

「ロザリーが少々、ダメージを受けているんだ」

「これ以上は、さすがに続けられない」


イザベラがロザリーに問う。


「それは、先ほどの戦闘の影響なのだな?」

「ダメージがあるままに付き合わせてしまって済まない」

「すぐに戻ろう」


ロザリーは首を振り、先ほどのイザベラのように拒絶する。


「問題ないね」

「まだ、やれるよ」


しかし、その指では重いメイスを持つこともままならない。

利き腕ではないと承知しているが、此処で無理をする理由などないはずだ。


シャアリィが、問答無用とばかりに魔石抉りを始めた。

ロザリーも、自分のダガーを使ってそれに倣う。

無言のまま、イザベラまでもが疾走の余韻で足を震わせながら、魔石を抉る。


アイシャは吠えた。


「私がリーダーだ」

「命を預け合っているのに、好き勝手するな」

「魔石の回収が終わったら帰るよ」

「これは、リーダーの命令」


シャアリィは上機嫌に大きな声で返事する。


「わかってるって、そんなに大きな声出したら魔物が来て、また戦闘が始まっちゃうよ、リーダー」


イザベラもにやけながら、同意する。


「好き勝手して悪かったよリーダー」


ロザリーは肩を震わせて涙を堪えた。

初めて知る、パーティの在り方。

この輪の中に自分の居場所があるということに誉れにも似た感情が溢れていた。


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