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氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
氷結龍討伐編
218/399

用意周到

イザベラを除く三人が、今日の狩りの中止を求めたが、イザベラがそれを拒否した。


「準備不足だったのさ」

「相手の手の内が分かれば何ということはない」

「私には投射武器を無効化する術式がある」

「それに防御力向上も予め使っておこう」

「それでも未だ足りなければ、戻って作戦会議」

「この屈辱は、此処で取り戻すことが私には必要だ」


それは騎士としての意地。

譲れないと、イザベラは頑なだ。


「約束してくれ」

「二十以上、吸引しない、と」

「それならば、イザベラのやり方に従おう」


それは最低限の妥協案であり、イザベラにしてみれば選択の余地もない。

目の前で昏倒したというだけで、本来であれば全滅必至の状況を生み出したのだ。


「我儘を利いて貰って申し訳ない」

「この借りは何処かで埋め合わせする」


・・・


アイシャが斥候を見つけるか、或いは伐採地で準備を整えるか、どちらかの条件で本日二度目の狩りがスタートする。


「いた」


アイシャの索敵に引っ掛かったのは、またしても斥候、つまりは雌個体だ。

イザベラは獰猛な笑みを浮かべ、意趣返しの準備を始める。


「ウィンド・ウォーク」:移動速度向上

「ストロンゲスト・ボディ」:防御力向上

「ディセイブル・アロー」:投射武器無効化

「マッスル・アップ」:筋力強化


一体どれだけの数のスキルを持っているのだろうか。

イザベラは一人、口角を吊り上げたままで、


「では、行ってくる」


と。


十五分程が経過し、アイシャが索敵範囲にイザベラの疾走を捉えた。

その速力は十分、敵との間合いさえも完璧。


「十六、十七、十八、十九、二十、丁度か」


思わずアイシャも笑ってしまう。

転んでも只では起きないとは、即ち、こういうことなのだと!


「シャアリィ、ロザリー、イザベラは健在だ」

「今度は、我々がトチらないように迎撃する番だよ」

「特にロザリーは、撃ち漏らしの吸収という難度の高いミッションだ」


僅かな沈黙の後、アイシャが号令を発する。


「テンカウント・キャノン、チャージ開始!」


各々が為すべきことを為せば、それが勝利。


「七・・・六・・・五・・・」


イザベラが完璧なタイミングで戻ってきた。

目の前で投石の被弾を浴びても、痛痒も感じていない恐るべき高速戦車(ハイ・スピード・タンク)


「三・・・二・・・」


迎撃チームと擦れ違い様、イザベラは囁く。


「私たちの勝ちだ」


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