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氷結のシャアリィ  作者: 黒猫テラス運営部
氷結龍討伐編
199/450

殲滅戦カルテット

午前九時、冒険者ギルド。

閑散とした依頼掲示板、欠伸を噛み殺す受付嬢。


そこに揃ったのは、宝石のような瞳をした四人の少女。

白銀のアイシャ、琥珀のシャアリィ、百錬のイザベラ、鏖殺のロザリー。


最早、混みあうこともないギルドカウンターで、殲滅戦開始を宣言した。


「シャアリィ!行くのか?」


たった、一人見送りに来ていたのは、アンソニーだ。


「へへへ、行ってくるぜ」

「見送り、ありがとうね」


シャアリィの背中の向こうに控える白毛獣人の少女は、少しだけ済まなさそうにアンソニーに頭を下げた。


「先方にアイシャ、同じく同列に私、中央にシャアリィ、殿はロザリー」

「小規模の群れなら、私とアイシャで迎え撃つ」

「シャアリィの魔力は温存だ」

「それ以上なら、シャアリィが先制して足止め、後、各個撃破」

「エンチャントは最低限でいい」

「その分、戦闘でロザリーにも活躍してもらおう」


イザベラが戦術指揮を執る。


「言うまでもないが、シャアリィへの敵接近は絶対に許すな」

「私か、ロザリーでオーガを必ず吸引する」

「このパーティで最強の切り札はシャアリィの火力だからな」


それぞれが応じる。


「じゃあ、のんびり行こう」

「道程は長い」


シャアリィは、くるくると回りながら、本当に楽しそうに今日もピクニック気分。

昨日までトリオだったチームが、今日はカルテット。

まるで、荘厳なシンフォニーから、派手なマーチへと演目が変わったかのように。


「知ってた?」

「アイシャって、耳としっぽで、大体、気分がわかっちゃうの」


ほう、と、ロザリーが興味を示す。


「シャアリィ、余分なこと言わない」

「私の気分とか、パーティでの戦闘にあまり関係ないでしょ」


そうでもない、と、イザベラがニヤリと笑う。


「パーティでの戦闘だからこそ、各自のコンディションは大切なのさ」

「一人トチれば、みんなが大変な目に遭う」


その通り、と、ロザリーも続く。


「特に惚れた腫れたが絡んだコンディションは、始末が悪いね」


身に覚えがある二人は、


「間違いないね」

「同感だ」


と、今日ばかりは素直に受け取る。


暫く歩いて最初の目印である農場を越え、次の目印である森林限界の稜線。

普段ならば、通ることもない原生林の獣道。


アイシャが最初の提案をする。


「鬱蒼とした曲道をぐねぐねと行くのは面倒だね」

「早速だけど、シャアリィ、テンカウントのキャノンを見せておかないか?」

「上首尾ならば、ショートカットも出来る」


シャアリィが思わず吹き出す。


「まぁ、魔物除けにもちょうどいいかもね」

「ぶっぱなすとしますか」

「イザベラ、許可を」


勿論、実力の片鱗を戦闘前に見られるならば、断る理由もない。

まだ『三日月』の集落は遥か向こう、ぶっつけ本番より得策。


「面白い」

「じゃあ、見せてもらおうか、ネームド・キラーの実力の片鱗」


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