類は友を呼ぶ
単独行とは違い、パーティでの狩りはまさに一方的に狩るものだ。
メンバーの誰かがターゲットリーダー、つまり、どの相手を狙うかを決める。
そして初撃を与えるか、メンバーに攻撃指示を送る。
その後は集中的のその相手を攻撃し、防御する暇を与えることなく倒してゆく。
しかし、この方法では今回参加しているロザリーには、回復しか仕事が回ってこない。
勿論、聖職者であれば、それは正しい狩りの仕方、作法のようなものだが。
このパーティにおいては、皆が近接戦闘の達人ということもあり、ロザリーの申し出によっては狩りの仕方を変更するべきか考えた。
つまりは、FAの後、敵との交戦にロザリーが防御する形で割り込み、無理やりターゲットを惹くという方法だ。
こうすれば、ロザリーにも攻撃の機会が生まれ、狩りの旨味を分かち合うことが出来る。
アイシャの申し出にロザリーは、
「サボれるなら、サボりますよ」
という、予想の斜め上の返事をした。
いわゆる聖職者スタンスで、降り掛かる火の粉は粉砕するが、それ以外にはヒーラーやエンチャンターに徹するらしい。
昨日と同じ狩場に到着すると、ご丁寧にも恐らく同じ顔ぶれのハイランド・オーガが待ち受けていた。
どうやら、なんらかの術式か、或いは体力の底を割ることなく持ち堪えたらしい。
当然、意趣返しとばかりに先制の火蓋を切ったのは、片腕のオーガ。
まるで不良少年の抗争のような立ち位置で横列こそバラバラだが、縦に格付けされたフォーメーションだ。
先鋒にアイシャ、次鋒はイザベラ、大将はロザリーだ。
オーガは、片腕を先頭に、後は一番体格の大きな大将らしきオーガを最後列に据える。
「刃には鑢を、その身体に天使の加護、悪魔の祝福を与えん」
後方からロザリーが軽い三節のエンチャントを呟いた。
その威力は、例え三節であっても簡易呪文ではなく恐らくは上級守護術式!
まるで全身の魔力が倍に膨れ上がったように感じる効果。
手負いの獣は手強いというが、この術式があればただの壊れかけに思える。
初手の切り結びで、オーガの攻撃を完全に見きったアイシャは、ただ、敵の首を一閃する。
その近くでは、すでにイザベラと敵の次鋒による衝突が始まっていた。
「さすがは低級な亜人」
「無作法、無遠慮、無粋、そうして無能!」
ハイランド・オーガーが狙うはイザベラの直上、頭蓋目掛けた正中線。
そんな攻撃があたるのは、冒険者の中でさえルーキーだけだろうに・・・。
イザベラから放たれる豪奢な香水の匂いに騙されたのか、戦闘に不向きな華奢な雌と判断したのかわからないが。
渾身のひと振りを躱された後、イザベラの大剣が、逆にオーガを真っ二つにする。




