中国古代の王朝~「周王朝 春秋時代」 覇者の特権~
覇者となると、特権が色々とついてくる。まず「会盟」をある程度覇者の都合のよいときに行うことができる。「会盟」とは、傘下にある諸侯を集めて行う会議のことである。また、会盟の主宰であるからには、議題も覇者足る侯が決められるので、あまりに私欲に依るものであれば諸侯の軽蔑を受けて覇者でいられなくなるが、一定の理解が得られれば覇者のリードする方向に議論を進めることができる。例えば「夷敵が自国と他国に損害を与えて目に余るから諸侯で討伐する」や「逆心を抱いた諸侯かいるので誅する」といった議題は、例え覇者たる国の利益になったとしても、表だって反対は出来なかった。
また、直接の利益として「貢ぎ物」が挙げられるだろう。覇者になると諸侯を夷敵やら、楚の国やらから守らなければならなくなる。その代わりに、諸侯は莫大な貢ぎ物を覇者に贈るのである。君主のみならず、この頃は有力な貴族が国を動かしていた事からその貴族にも贈る必要がある。そのため、これに絶えきれず、会盟で討伐対象となった諸侯もいたほどである。
晋が覇者となり、楚の国と対峙するとその間にある「鄭」の国は度々戦場となった。鄭の国は晋と楚の両方に貢ぎ物をせねばならず、時に晋のみ、あるいは楚のみと両面や片側への外交を強いられる苦しい国情があった。中間地点での商売による富はかなりの物であったようだが、両面への貢ぎ物は国の財政に負担をかけるものとなる。それでも、戦場となって戦費を使うよりはましだったことを考えると、やはり戦争は金喰虫である。




