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結局、人間は金の切れ目が縁の切れ目

国王「今日はご老体から『ワシ、もうすぐ死ぬから』的なことを言われたときの対処法を考えようと思う」


イナカ「と、言いますと?」


国王「ほら、年寄りって冗談かなんのつもりか分かんないけど、人によってはよく『もうすぐ死ぬ』ってことを軽々しく言ってくるじゃん?。それを言われたときに、なんて言って返せばいいのかをみんなで考えて欲しい」


イナカ「まぁ、おじいちゃんとかそういうことをよく言ってますけど、ここで話し合うようなことなんですか?」


国王「それについてだが、大臣に説明をしてもらう」


大臣「はい。近年、我がエルム王国ではそういう場面に出くわした若者が、返答に困り、その場の空気を悪くしてしまい、そのことについて自責の念にとらわれ、引きこもってしまうという事例が多数発生し、全国の親御さんが子供が引きこもってしまったことに嘆き悲しみ、鬱病になるケースが後を絶ちません」


イナカ「まぁ、我が国民ってコミュ症が8割ですもんね。そういうことになってもおかしく無いですね」


マリア「あら?イナカさんにしては珍しく淡々とこの事実を受け止めるのね」


イナカ「エルムの国民の話は今に始まったことではありませんしね。むしろ、最近そういう話を聞いてなくて、久しぶりにこういう国民の悲惨な実態が見れて感心してしまいました」


クルス「達観してるな」


サンダー「田舎娘が王国で偉くなって会議で達観する話」


国王「うむ、最近こういう話をここでしていなかったからな。原点回帰ということで、久しぶりにこういう話をここにすることにしたんだ。…そういうわけで、なにか案はあるか?」


クルス「私はそういうことを言われたときは『まだ若いんだから大丈夫』という風なことを伝えれば良いと思いますよ。こういうことをいう老人っていうのは、表向きは平然を装っていても、深層心理に潜む死への不安があるから、それを少しでも吐き出すためにこういうことを言っているのだと思います。ですから、その不安を否定してあげた方がご老人の方々のためにもなると思います」


国王「なるほど、本当は若いって否定されたいからそういうことを言ってくるってことだな」


サンダー「まるで自分のことをオバさんオバさんって言ってるけど、本当は若いって言われたいオバさんみたいな心情なんだな」


クルス「うーむ…当たらずも遠からずってところかな…」


国王「っていうかさ、なんで私達がジジババに合わせようとしないといけないんだ?」


イナカ「どういうことですか?」


国王「なんで我々のような若者が、ジジババに気を使って、相手のご機嫌を取らなきゃいけないような回答をしないといけないのか、ということだ」


イナカ「そんな言い方しないでください。年上の人を尊重するのは当然のことじゃないですか?」


国王「確かに、奴らの方が人生の経験は豊富だ。だからといって尊重しなきゃいけないっていうのはおかしいだろ?。人は平等だって言われてるし、少なくとも年代で格差をつけるような扱いはどうなんだ?」


イナカ「それはそうですけど、いま私たちの生活があるのはそういう世代の人のおかげですよ」


サンダー「そういう実感はあまり感じないがな」


国王「まぁ、そういうわけで無理に気を使う義務は無いだろう。だから『もうすぐ死ぬ』なんて言われても、相手を気にせず、言いたいことを言えばいいだろう」


イナカ「言いたいことってどんなことですか?」


国王「遺産は俺に任せといて、とか言えばいいだろう」


イナカ「さすが国王。我々平民では到底及ばないゲスさ」


国王「あるいは、『この壺を100万円で買えば長生き出来るよ』とか言って壺を売るとか」


イナカ「お年寄りに対して容赦なさすぎでしょ!?」


クルス「国王にとってご老人は金ヅルにしか見えないんですかね?」


国王「私が王位に即位する前も後も、上の連中は私に対していろいろと口うるさいのが多くてな…。あまり老人に良い印象を持っていないのだ」


イナカ「私は小さい頃からおじいちゃん、おばあちゃんに囲まれて育ちましたからね。いろいろお世話になってますし、私は大好きですよ」


国王「過疎化が進んだ田舎者出身らしい言葉だな」


イナカ「それは田舎を馬鹿にしてるんですか?」


国王「いや、半分は褒め言葉だ」


マリア「でも、結局のところ、ご老人にもいろんな人がいらっしゃるから…やはりその人その人にあった回答が必要なのだと思いますわ」


サンダー「それもそうだな。優しくて気前の良い人から頭がトチ狂ったやつまでマチマチだ。そしてそれはなにも年老いた老人に限った話では無い。若い世代にだって、中年にだって同じようにいろんな人がいる。そういうわけで、『老人』というカテゴリーにもいろんな人が存在し過ぎるからそういう分別の仕方をするにも限度がある。あくまで彼らは年が離れているだけで我々と同じ人間。生きた時代や文化で育ちも変わってくるが根本的なところに差なんて無い。だから年齢によって人間を差別するのは適切でないと思うのだ」


イナカ「…あれ?良いこと言ってる?」


サンダー「年齢によって人間を差別するのは良くない。歳の差なんて些細なものなんだ。だから俺が幼女とラブラブチュッチュしていようがそれを咎められるのはおかしいと思うんだ」


イナカ「うん、さっきまでのが台無しだね」


国王「だが、サンダーの言う通りだな。確かに数いる老人を『老人』という言葉で一括りにするのはいささか安直であったな。老人にもいろいろな人がいる、だからその人にあった付き合い方が求められるということだな」


イナカ「おぉ、良い感じにまとめられそうだ」


国王「老人にもいろんな人がいる。だから、その人にあった高額な壺を販売する必要があるのだな」


イナカ「結局、お前の目には金ヅルにしか写ってないのかよ!?」


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