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二十六話 精霊の試練~それぞれの道~


  次の日からリンは女王から紹介された精霊魔術師に精霊魔法の訓練をつけてもらっている。その間の俺はと言うと、スワンと一緒に狩りや、訓練をしたり、女王にエルフの里の案内をしてもらったりしていた。女王を元に戻すきっかけにもなったおかげもあって、エルフには良くしてもらっているが、中にはやはり人族がエルフの里にいること自体好ましくないと思っているエルフもいる。代表的なのはいつも女王の側にいるンポポのじいさんエルフだ。


「姫様!人族にエルフの秘宝を見せるなんてどうかしてます!」


 目の前にはショーケースに入った綺麗な宝飾のついた髪飾りが飾られていた。


「これは?」


「これは色欲の髪飾りって言うの!」


「色欲?」

(リンの指輪も色欲だったよな。)


「なんじゃ!?人族の!色欲の髪飾りを知らんのか!?これを身につければどんなエルフも人もみんな虜にさせてしまう髪飾りじゃ!!」


 俺は女王の方を見ると舌を出して「テヘッ」と笑ってるように見えた。

(これは、俺の強欲の大剣と同じパターンかな!?)


「ところで斗真さん!リンさんにプロポーズしたんですって!?」


 予想もしない問いかけに俺は驚き、


「えっ!?誰からそれを!?」


「誰ってリンさんが嬉しそうに言ってましたよ。「俺の子供を産んで欲しい!」ってプロポーズしたんでしょ!!人族はストレートにプロポーズするんですね!!」


「ちょっ、ちょっと違いますよ!そんなストレートには言ってないですよ!!」


「ふふっ。斗真さん!リンさんを幸せにしてくださいね!決して離さないでね。私たちの分まで、、、」


「は、はい。」

(最後なんて言ったんだろ?聞こえなかった。)




 エルフの国に来て10日ぐらい経った。リンは相変わらず精霊魔法は使えずにいた。今日は二人とも女王に呼ばれて女王の部屋に来ている。


「ここに座って。ちょっと大事な話があるの。」


 大事な話と言われると不思議と背筋を伸ばしてしまう。


「あの、、このまま訓練をしてもリンさんが精霊魔法を使えるようになる可能性は低いわ。」


「そんな。。」


 リンの目から涙が溢れていた。昔から使えていたものが使えなくなるのは想像以上に辛そうだ。


「でもね、、あまり言いたくはないのだけど手がない訳じゃないの。リンさん!あなたどのくらい時間止めてたかわかる?」


 リンは首を振ったので、次は俺に聞いてきた。


「ほんの一瞬ですね。まばたき一回分ぐらいでしょうか!?」


「そう。。それならリスクは少ないかもしれないわね。ここから話すことは誰にも言わないで欲しいけどいい?」


 俺とリンはお互いの目を見て、それから女王に向き直り頷く。


「実は私もその指輪を使って時間を止めたことあるの。時間はそーねー、、、、三秒くらいかしら!?そのあと私も精霊魔法が使えなくなってしまったわ。でもね、今は使えるの!」


「どうしたら!?」

 おもわずリンが立ち上がって女王に問いかける。


「……代償を支払ったの。あなた達も見たでしょ!?感情のない私を。私が精霊に支払った代償は一部の記憶と感情よ。」


「そんな。。。」


「心配しないで。止めた時間の代償だから。リンさんは私の1/10ぐらいだから代償はずっと軽いかもしれないわ。精霊は気まぐれで、好奇心旺盛で、優しく一途。でも繊細で苛烈、時に残酷な一面もあるわ。」


「俺は反対だ!危険なリスクをおかしてほしくない!リン!俺は君を守ると約束したじゃないか!?」


 俺はリンの方を向かって言うが、リンはうつむいたまま何も言わない。すると女王が、


「精霊魔法は精霊に力を貸してもらうの。でも、色欲の指輪は違うわ。強制的に精霊の力を行使して、消滅させてしまうの。だから、使用した者は精霊に嫌われて使用出来なくなる。再び使えるようになるためには精霊の代償を受け入れるしかないわ。その代償は誰にもわからない。。。」


「二人でよく考えて結論だしたらどう?」


 リンはうつむいていた頭を上げ、


「私は、守って欲しいけど、、、矛盾してるかもしれないけど、、足手まといにはなりたくないの。私は斗真の隣にずっといたいの。でも、精霊魔法が使えないと隣にはいられない。」


「そんなことないよ!」


「そんなことある!斗真強いんだもん。一気に私を追い抜いて、これからもずっと先に行ってしまうわ。斗真が困ったときには頼られる存在になりたいの!」


「…………私精霊の代償受けようと思うの。」


「リン!」


「守ってくれるんでしょ!?お願い。。。」


「リン………わかった!どんな代償だとしても俺がリン守ってみせるよ。」


 俺とリンは抱きしめあうと、咳払いが、、、


「ん、んっ!私がいるの忘れてない?」


 俺たちは慌てて離れてお互い照れて顔が赤くなってしまった。


「まぁ、いいわ!じゃあ今から精霊の祠に行くわよ!」


「「精霊の祠?」」


「そうよ!精霊が生まれ、帰る場所よ!私もそこに行ったの。でもあなた達を連れていくとうるさいエルフもいるから……」

(ンポポのじいさんかな?)


「精霊よ!私に力を貸して!イリュージョンマジック!」


 女王が精霊魔法を唱えると俺とリンが髪が金色になり、耳がとんがり、顔もエルフっぽさ変化した。


「じゃあこれに着替えて!着替えたら世界樹に行くわよ!そこに祠があるから!」





 俺たちは誰にも気づかれずに世界樹の祠までたどり着くと、変化を解除された。


「じゃあ斗真さんはここで待ってて。精霊魔法を使えないと入れないの。リンさん!準備はいい?」


「はい!行ってくるね。」


「あぁ。頑張れ!」




 世界樹の祠の前で待ってるいると、どこから嗅ぎ付けたのかンポポのじいさんがやって来た。


「ここにおったか!わしが目を離すとろくな所にいかんわい!」


 俺は日本人特有の笑って誤魔化していると、


「まぁ、ええわい!貴様には感謝しとる!貴様がこなんだら、姫様はずっとあんな感じじゃったろ!それより、貴様にジャックと言う名前の奴から至急で渡して欲しいと手紙を預かっとるわい。ほれ。」


(ジャックから!?まさか依頼が溜まってきたから帰ってこいって書いてあるんじゃないだろうな!?)


 俺は何か嫌な予感を感じながら手紙を読んだ。


斗真。お前に頼みたい事がある。一度帰って来て欲しい。お前がエルフの国に旅立って三日後に東の国でクーデターが起き、王権が失脚した。西の国としても東の国とは争いたくない。引き続き取引を続けて欲しいと伝えた所、条件を一つ提示された。それは斗真、お前に一度東の国に来て欲しいとの事だ。交渉が長引けばお互いの国に溝ができる。これ以上人族同士の争いはおこしたくない。ギルマスには申し訳ないが、エルフの国での人探しは一先ず先送りにしてくれ!ギルマスもきっとわかってくれるはずだ。よろしく頼む。ちなみに新しい東の国の君主の名は


「鷹取 京介」


「えっ!?京介が王様?ってかこの世界に来てるのか!?」


驚いていると祠から女王が走って出てきた。


(なにか嫌な予感がする……)


「リンがこの世界のどこかに転移させられたわ!」





 ~第1章 完~


これでとりあえず一章終わりです。初めて書いたので至らない点がたくさんあったかと思いますが、読んで頂きましてありがとうございます。二章は鷹取京介を主人公に書いていきたいと思います!感想を書いていただけたらモチベーションも上がりますのでよろしくお願いします!

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