二十四話 手紙~拝啓 18年後の君へ~
「フローラさんに会えるかな?」
「会えなくても手紙は読んで欲しいわね。」
俺とリンは部屋に軟禁状態になっていた。というのもエルフの女王が急に涙を流し倒れた原因が俺たちではないかと疑われているからだ。あの時、「姫様に何をしたーー!!」と怒り狂うエルフに詰め寄られ、ボートから申し訳ないが、部屋で落ち着くまで大人しくしていて欲しいと言われ、かれこれ半日は経った。原因は俺たちではないのだが、さすがに不安になる。すると部屋にノックがあり、ボートが
「姫様がお二人にお話があるとの事です。こちらです。」
「大丈夫なんですか?」
「えぇ。どうやら元に戻られたそうです。」
~ローラ目線~
「姫様!大丈夫ですか!!急に倒れたから心配しましたぞ!人族に何かされましたか?」
私が目を開けると心配そうに見てくるンポポの姿があった。
「ンポポ。大丈夫です。どのくらいの間私は倒れていましたか?」
「半日ほど倒れておりましたぞ!しかし、姫様のご対応素晴らしいかったですな!いるはずのないフローラとか言うエルフをあたかも知っているかのようにお話されるとは。それにこちらが会わないと言えばすぐに人族も帰るでしょうし、探すのを口実にエルフの里を把握するのが目的だったのでしょう!どうします!?手紙は読んだが会わないとお伝えして来ましょうか!?」
ンポポはそう言っているが私にはそうは思えなかった。
「ンポポ。しばらく一人にしてくれない!」
「姫様!?」
「いいから早く部屋から出ていってちょうだい!」
私がそう言うとンポポは驚きながらも部屋から出ていった。
(しばらく大声なんか出したことないから喉が痛いわ。それにしてもタイガって名前に何が引っ掛かっているのかしら!?)
私は人族から預かった、手紙を見た。
(開けても大丈夫見たいね。変な魔術は使われていないわ。)
フローラ、元気にしてるか?って何か変だな。君を探しに行くのに。手紙なんてガラじゃないが、見つけたときにちゃんと俺の気持ちを伝えられるように手紙を書いた。俺らしくないが、せっかく書いたので読んで欲しい。今でも出会った時から今の今まで君の事を忘れた事はない。18年経ったよ。ようやく君を探しに行ける。本当はすぐに探しに行きたかったけど、リンが成人になる18になってから探しに行こうって決めた。リンは口が悪いところもあるが、君に似て気遣いが出来、優しく、素敵な女の子になったよ。俺は何度もリンの存在で助けられた。3人で一緒に暮らしていけたら、最高だろうな。でも、最近斗真とか言う冒険者が気になってるから、そっちを選ぶかな!?斗真はなかなか強くて見所のある青年だからきっと君も気に入るはずだ。ドラゴンを倒した時の事を覚えているかい!?虎太朗もガーベラも騎士団もみんな倒されて、俺と君だけが残った。俺は最後に玉砕覚悟でドラゴンに挑みに行くと、俺以外の時間、いや、俺と君、二人以外の時間が止まったんだ。だって君の方を見たら、知ってるフローラはいなくて、知らないエルフ姿の君がいたんだから。その時の事は聞けなかったけど、その事を気にしていなくなったなら何も心配なんかする必要はないよ。二人で過ごした時間は間違いなく俺と君だけの時間だ。愛してる。フローラ!君の姿はあの頃とあまり変わってないのかな!?俺はおっさんになってしまった。けど、これから君に会えると思うと年甲斐もなくワクワクしてる。
必ず見つけてみせる。待っていてくれ。
「あー………タイガ、、全部思い出したわ。私もあなたのこと愛してるわ。」




