二十三話 氷の女王~ローラ~
「姫様!本当に人族を受け入れてよろしいのですか!?」
相談役のンポポが勢いよく言う!
「ンポポよ。仕方がないのです。人族がこのタイミングで手紙を出して来たと言うことは何か掴んだ可能性が高い。それに人探しが目的だなんて明らかに嘘!。何を言ってくるのかしら。。。どちらにせよ、真の目的を探るには会うのが一番合理的です。」
「それはそうですが、、、」
「大丈夫です。エルフのために最適な方法を選択しますから。まずは川辺にエルフを待機させ、人族の者が来たら丁重に私の所まで案内するように伝えてください。」
「かしこまりました。姫様。仰せの通りに。」
何日か森の中を歩くと、木の上に可愛らしいリスのような動物を発見した。あまりに可愛らしいので手なずけようと、木の実をかざして、
「こっちおいで!!」と言うもリスは見向きもしてくれない!すると、リンが
「こっちおいで!こわくないよー!」
リンが言うとリンは少し警戒しつつもリンの持っている指先に近づいてくる。
「どーぞ」と言ってリスに渡すとリスは喜んで受け取り、再び木の上に戻り美味しそうに食べ始めた。
「ほぅ。リリスが人になつくとは珍しい。普通は斗真殿のように見向きもしないが。リン殿は動物に愛されていますね。」
スワンにそう言われるとリンも少し誇らしげに笑って、また先に進む。旅の道中は魔獣に襲われる事はなかった。スワンさんに魔獣がいないのか聞いてみると、いるが別動隊が倒してくれているとの事だ。そんなこんなで順調に進み、エルフの里に着いた。
「エルフって精霊魔術が栄えているから都会かと思ったけど案外質素ね。」
俺は失礼な事を言わないの!っての思ったけど俺も正直同じ感想だ。畑があって、木造の家があって、田舎の風景だ。すると、スワンさんに聞こえていたのか
「我々エルフは自然を愛する。それにエルフであればみな精霊魔法を嗜んでおるから、必要な物は必然的に少くなる。ただ、王宮は魔導師達が日々研究した成果を十分に発揮して作成されておるから、エルフの魔力の高さを拝見出来るぞ!」
それからしばらく歩き、王宮に案内された。すると、滝があったり、所々緑が生い茂っている。上空にはシャボン玉の様なものがフワフワ飛んでいる。何なのか聞いたところ、書類等を運ぶんだそうだ。たしかにここは緑と近代魔法の融合した建物のように思えた。
「それでは俺はここまでだ。王宮の中はボートが案内する。」
そう言ってるスワンさんの横を見るといかにも偉そうなオーラがある見た目40歳ぐらいの短髪、金髪、七三の男性がいた。
「ようこそエルフの国へ。私はこのエルフの国で宰相をしておるボートだ。女王の準備が出来るまでもうしばらくかかりそうなので、申し訳ないが案内する部屋で少しゆっくりしておいて欲しい。こちらへ。」
宰相に案内された部屋に着くと、温かい紅茶とドライフルーツを出されて
「美味しいね。」「歓迎されてるのかなぁ!?」とたわいもない会話をしながらゆっくりくつろいでいるとノックがあり、返事をすると宰相が部屋に入ってきた。
「お待たせしました。謁見の間ヘどうぞ。」
俺たちは謁見の間に入る。ここは人族の宮殿と変わらず、赤絨毯が女王の椅子まで続き、両サイドは偉いエルフ達が並んでいる。
(王様との面会を思い出すな。)
俺とリンは玉座の前で頭を垂れて片ヒザを付いて座っている。すると誰かが玉座に腰を下ろし、
「面を上げてください。」
顔を上げると白いドレスを来た白銀の髪の毛で、姿はまるでお人形の様だ。顔を上げたのを確認して、
「私はエルフの女王。ローラです。人族の者よ。よくおいでくださいました。」
(うわっ!これが氷の女王の由来。無表情だ。。。)
しかし、気を引き締め
「この度はエルフの国への訪問を許可していただき誠に感謝します。」
「よい。ドラゴンを倒した英雄に私も興味がございます。あなた達はこの国に人を探しに来たと聞いたが、それは本当ですか?」
「はい。フローラと言う名前の女性を探しに来ました。ただ、人ではなくエルフです。」
会場がざわめきだす。
(聞いてたのと違うって感じかな!?)
「そうか、人ではなくエルフですか。。。そのエルフの特徴は何かありますか!?」
「茶色の髪の毛で、左目の下にホクロがあり、目がわりと大きいと聞いています。」
(これだけの情報でわからないかも知れないが、フローラって人に会ってギルマスの事を聞けばいずれは見つかるはずだ。)
「茶色の髪の毛で、左目の下にホクロがあり、名前はフローラなら知っています。その方を探してどうしようと言うのですか?」
「えっ!」
俺とリンはお互いに目を合わせ驚いた。この情報ではどのくらいかかるのか想像がつかなかったが、すぐに見つかってビックリしていると、
「どうかしましたか?」
「い、いえ。こんなに早くから見つかるとは思って見ませんでしたので、、、あっ!会ったらこの手紙を渡したいのです。」
俺は懐から手紙を取り出し女王に見せる。
「あなた方に会うかどうか彼女に確認が必要です。私からお渡ししてから、お返事してもよろしいですか!?」
本当は直接渡したかったが、確かに女王の言うことも一理ある。俺とリンはお互いに頷き、手紙を女王に渡すことに決め、隣に来たボートさんに渡すと、ボードさんが女王に手紙を渡した。
「この手紙、エルフの女王が確かに受け取りました。では、おって連絡します。それまでごゆっくりお部屋でおくつろぎ下さい。ては。」
女王が玉座から立って退出しようかといったところで、リンが
「あの!その手紙。私の父タイガからの最後の依頼なんです。必ずフローラさんへお渡しお願いします!」
「もちろん。女王の名に懸けて、、、、タ……イガ!?」
「えっ、、はい。私の父タイガは辺境の街でギルドマスターをしていましたが、ドラゴンに殺されてしまい、その手紙をフローラに渡して欲しいと言うのが最後の依頼になりました。」
~~
「ギルマス!ドラゴンやっつけましたよ!わかりますか!?」
「親父!死ぬな!S級冒険者はそんな簡単に死なねーんだろ!!」
「くそっ!ありったけのポーションをギルマスにかけろ!!」
「あぁ、、、もう見えちゃいねーが倒したのはわかる。。。よくやった!」
「ギルマス!」「親父!」
「リン!そこにいるのか………!?」
ギルマスの手がリンの頭を撫でながら、
「お前の父親になれてよかったよ。幸せに生きろ!」
「親父!何言ってんだ!!頑張れ!」
すると、ギルマスは次に俺の胸に拳を当て、
「斗真!リンをよろしく頼む。。。それと執務室の引出しに入っている手紙をフローラへ渡して欲しい。」
そー言い終わるとギルマスは手を下ろし、
「あー。向こうに行ってもフローラがいないことを祈るよ。」
「待て!行くな!ギルマス!」
「親父ーーー!!」
~~
「タイガが死んだ……!?」
今まで無表情の女王からスーっと涙が流れ、その場で倒れた。




