657/710
FL−6
「今年は激動ではあったが、皆無事に
慰労会を迎えられて安堵している。」
ナイト・オブ・ルビーの豪華な大広間に、
相変わらずの黒いドレスを纏った会長の
力強い声が、マイクを通して響き渡る。
『公認吸血鬼』が7名に対して
『聖職者』は、ざっと見100人くらいいる。
思ったよりも多くて驚いたが、
吸血鬼の少なさを改めて自覚した。
やっぱ、絶滅危惧種なんだな。俺たち。
「KKHW2が完成し、我々の血の供給は
大きく変わっていくだろう。
それとともに、『聖職者』の責務が
軽減していく事を期待している。
研究開発に携わった綾辻 星弥と、
薬の元になった大地 朔耶の二人に、
盛大なる拍手を送ってほしい。
二人とも、前に出て一言願う。」
えっ。前に呼ばれるとか、聞いてない。
割れんばかりの拍手が起こって、
さらにビビる。




