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FL−7
隣にいた杏奈に目を向けると、
とびっきり明るい笑顔で拍手していた。
かわいい。かわいいけれども。
「朔耶くぅ〜ん。覚悟を決めたまえ。
とっくに私は諦めているよ〜。
晒し者になることを。」
いつの間にか、にこやかに現れて
大股で歩いて行くツジーの後を、
慌てて俺は追った。
行く先で貴也と目が合って、笑みを交わす。
腹をくくるしか、ないか。
みんなの前に出ると、拍手が鳴り止んだ。
こういうのって、苦手なんだよな。
もじもじしていると、ツジーが先に
マイクスタンドへ立つ。
「レディース、エーン、じぇんとぅるめん。
今宵は、素晴らしい時間をありがとう。
KKHW2は、ここにいる朔耶くんのお陰で
完成したようなものだ。
今一度、盛大な拍手をよろしく。」
うぉい。こら。ツジーっ。
ビビるんだってば。
こんな大きな拍手を浴びるの、
初めてなんだよっ。




