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闇ふり払われた後に訪れた光



 

  正直、今までで一番の頑張りだったかもしれません。


 闇ふり払うために臨んだ祭典時と同じ事を思いました。


 ・。:*:・。:*:・。:*:・。:*:・。:*:・。・


「や…ぁ…りましたよ、リューム。ご、りょ・ぅしゅさま」


 息も絶え絶えのくせに勝ち誇って見せました。


「でかした。よくがんばった」


 寝台にもたれ掛かってはいるものの、身動きの取れないリュームにご領主様の労いの言葉が掛かります。


 頭をがしがしと撫で回されてから、額に、目蓋にと口付けを受けます。


 えへへ。


 シンラにするのと何一つ変わらないやり方に、リュームも尻尾があれば良かったのですがと思いました。


 はい。

 リューム、がんばりました!


 みにゃあ、みにゃあ、みにゃあんと元気の良い産声が上がっております。


 産湯を終え、その元気な歌声を響かせる子を産婆さんが抱かせてくれました。


 リューム、感激のあまり涙ぐんでしまいました。

 幾度も幾度も赤ちゃんに唇を寄せました。

 髪の毛はリュームとお揃いの、真っ黒です。

 少し、くるんとしているようです。

 もう少し大きくなれば、ハッキリするでしょうか。


 小さな指に、小さな爪は薄く血の通った色です。


 小さくて愛しい、リュームとご領主様の赤ちゃん!


 愛しい! 愛しい! 愛しい!


 あまりの愛しさに胸が張り裂けてしまいそうでした。


 赤ちゃんがうっすらと目蓋を持ち上げました。


「―――!!」


 深い深い森の静けさを湛えたかのような、常緑の瞳がリュームを見つめて返してくれております。


(ああ―――! 女神様、感謝いたします)


 ・。・:*:・。・:*:。・。・:*:・。・:*:・。・


「ご領主様、ご覧になって下さい。エキが戻ってきましたよ。また再び、抱っこされるために」


「……エキ? 前にも言っていたな。確か猫の名前では無かったか」

「はい。エキ、猫でした。真っ黒の!」


「は? リュームまさかその名前に決める気じゃなかろうな?」

「え? いけませんか? だって、この子はエキの魂の生まれ変わりですよ」


「どこに実の娘に飼い猫の名を付ける親がいる――!!」

「エキは猫さんでしたけど、猫じゃなかったです」

「じゃあ何だという」

「魔物?」

「もっと悪い!」

「エキや、ほら、お父様ですよ~」

「うっ」


 ・。・:*:・。・:*:。・。・:*:・。・:*:・。・


 以上がお母様にねだって聞いた、わたしが生まれた日のお父様のご様子だ。


「エキルナでどうにか落ち着きました」


 お母様はいつもそう締めくくる。


 わたしは、このお話が大好きだ。


 幾度もねだって聞かせてもらう。


 このお話を聞きながら、わたしは何て幸せな子なのだろうかと思う。


 ――― おやすみなさい、良い夢を。


 そう呟くお母様の声を聞きながら、眠りに付く。

 

 わたしの名前はエキルナ。


 エキルナ・シェンテラン。


 皆はエキって愛称で呼ぶの……。





『いきなり飛ぶのかよ。』


ええ。


二人の婚礼やら新婚生活やらは、こちらでUPは不可能です。


そんな出来具合なのでございますよ。


仮タイトルからすでに※※※禁止令発令しやがりましたよ。


お い と い て 。


シェンテラン家のエキルナちゃんの冒険が始まります★


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