やすみ
それからは、トントン拍子で話が進んだ。
場所と人員の手配等々。しかし、相手が何時現れるかわからない。その為に俺たちは、緊急事態に備えた待機と言う奴をする事となった。
まぁ、日常生活に戻れと言うだけの事。しかしながら、俺は学校には行けないようで……。
「すまんな、インフルエンザと伝えてある」
とのことだ。
よくよく確認をすれば倒れてから、数日がたっていた。
それでもまだ数日は休みである。気が抜ければ体の痛みにも気が付くし、勉強に遅れる恐怖もある。
マジメくんじゃないのだから、それだけ休めば追いつけねぇよ。仕方もないのでこうして横になりながら教科書を読む。ノートはまぁ、なんとか出来るだろう。アキラもいるしな。
《お友達とか、いらっしゃらないんですか……?》
その話、前もしたよなぁ!?
《まぁ、しかたないですねぇ》
そんな言葉の後に、ストンと着地音。
「お勉強、教えて差し上げましょう」
めっずらし、直接介入してくるADだ。
「お礼の一つも言えないんですか」
ぷんぷんと怒ったようなそぶりを見せるエイダ。赤縁のメガネをして、出来る女風の装い。
「……まぁ、試しに教わってみるか」
「態度!」
「お願いしますエイダさまぁ」
「ふふーん、良いでしょう、良いでしょう。教えて差し上げましょうこのエイダ様が!」
うぜぇ。
意外だが、エイダは教えるのが上手かった。一度聞けば何でも覚えている。同じセリフが何度でも反芻できる。聞いてすぐだからとかそんな話じゃない。
「って、これ洗脳だろ!?」
「うっ、バレましたか」
そりゃ、そうだ。脳に直接声をかけられるんだから、直接書き込めるよなぁ。
「まぁ、いいか」
俺はそれほどマジメではない。楽なら楽な方が良い。もっとちょうだいもっとちょうだいと、情報を求める。
「雛鳥みたいでちゅねぇ、集人ちゃんは」
「ぴよぴよ」
恥も外聞もないよ。どうせ俺とエイダしかいないし。
「にぃ」
――やべっ!?
すっと開かれる扉。その先に居るのはナギ。俺の前に居たエイダは既に――いや、居る。驚愕の表情のまま止まっている。
「やはり、居た」
にたりと笑う。赤い瞳が俺とエイダを映す。
《えっ、だって、認識阻害で……》
声が脳裏に響く。良く見れば、その姿はぼんやりとしたものであり、何故俺はエイダを認識できたのだろうか。
「既に、理解。抵抗は無意味」
小さく笑みを漏らすナギ。獲物を狙う蛇の眼光。
「にぃ、三人で話そ」




