表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ステータス、始めました。〜神社に通い続けて10年、人生が数値化された俺は、日常の全てを「修行」に変えて世界の解像度をハックする〜  作者: KZUCCA
屋上死闘編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/26

第20話「【報告】霧島さんに数珠を渡したら、予想外の話になった件」

民俗学研究部の部室に向かった。

常盤が机で何か読んでいた。霧島さんが椅子に座って待っていた。

「お待ちしていました」

「あの、報告の前に」

数珠を取り出した。机の上に置いた。

霧島さんが見た。

動きが止まった。

「これは」

「神社で会った方に預かりました。霧島律さんに渡してほしいと」

霧島さんが数珠に手を伸ばしかけて、止めた。

「その方は、どんな人でしたか」

「70代くらいの、穏やかなおばあさんです。海の家で一度会っていて、神社でまた偶然会いました。元気でやってると伝えてほしいと」

霧島さんが静かに数珠を手に取った。

しばらく、何も言わなかった。

常盤が本から顔を上げた。でも、何も言わなかった。

「黒瀬くん」

「はい」

「私の祖母は、5年前に亡くなっています」

部室が静かになった。

「え」

「この数珠は、祖母のものです。間違いありません」

俺は何も言えなかった。

確かに会った。話した。数珠を受け取った。

霧島さんが続けた。「祖母は海の近くの小さな神社で巫女を務めていました。神社本庁にも登録されていないような、ローカルなものです。その神社をずっと大切にしていました」

「あの、神社で会ったときの話を、全部してもいいですか」

霧島さんが頷いた。

海の家で最初に会ったこと。神社でまた会ったこと。霧島さんのことを聞いたら嬉しそうにしていたこと。数珠を渡してほしいと言われたこと。

全部話した。

霧島さんは黙って聞いていた。

常盤も黙って聞いていた。

「元気でやってると、伝えてくれと言っていたんですね」

「はい」

霧島さんが数珠を見つめた。「そうですか」

それ以上は何も言わなかった。

でも、いつもより表情が柔らかかった。

しばらくして、霧島さんが立ち上がった。

「黒瀬くん、少し待ってください」

目を閉じた。数珠を両手で握った。

部室の空気が、少し変わった気がした。

眼力を使った。

霧島さんの周囲に、薄い光のようなものが見えた。靄とは違う。透明で、静かなものだった。

それがゆっくりと霧島さんに馴染んでいった。

目を開けた霧島さんが、俺を見た。

「何か、変わりました」

「見えました。光みたいなものが」

霧島さんが少し考えてから言った。「封じる力が、強くなった気がします」

答えは出なかった。

でも、祖母が渡したかったものは、ちゃんと届いた。

常盤が静かに本を閉じた。

報告を続けた。

「権禰宜ですが、前回より明らかに若返っています。最初に見たとき80代に見えましたが、今は60代くらいです。何かしらの能力を使っていると思いますが、詳細はまだわかりません」

霧島さんがメモを取った。「継続して観測してください」

「残り2人は、式神リレーで絞り込んでいます。一人は大きな病院の周辺に頻繁に現れる靄だとわかってきました。もう一人は住宅街の中、同じ区画をうろついています」

「素性の特定を優先してください」

「はい。それと、政治家の件ですが」

「観測していますか」

「事務所周辺にメモを貼ってきました。靄は濃いです。先日、支援者らしい人たちと話しているのを見ました。その場にいた全員が、妙に熱心な目をしていました」

霧島さんが少し眉を寄せた。「魅了系の能力かもしれませんね」

「断言はできませんが」

「わかりました。引き続き」

女子学生の学校の様子も報告した。

「以前より状況が悪化しています。クラスだけでなく、学校全体に広がっている感じがします。廊下でも、見知らぬ生徒同士が言い争っているのが見えました」

霧島さんの表情が曇った。

「限界が近づいてるわね」霧島さんが静かに言った。「なんとかしないと」

珍しく、感情が滲んでいた。

「証拠がない以上、動けないんですか」

「今は」

俺も何も言えなかった。

難しい相手だ。わかっていても、動けない。

家に戻って、ステータスを確認した。

【ステータス】

体力 124(+2 石段継続)

筋力 98(+2 巌との筋トレ)

敏捷 109(+2 石段継続)

耐久 103(+2 石段継続)

知力 90(+1 問題集継続)

知識 85(+1 読書継続)

集中力 88(+1 式神運用)

精神 108(+1 日常鍛錬)

器用 79(±0)

魅力 90(±0)

【スキル】

眼力 Lv.3

メモ Lv.2

自然回復

並列思考

瞬歩

浄化耐性


権禰宜の観測、継続。

残り2人の素性、絞り込み中。

女子学生の学校、悪化中。


(第21話へつづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ