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ドレイクヴァロの娘~極道の男はマフィアの娘に囚われ堕ちていく~  作者: リラックス夢土


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56 消された黒幕たち




 サイラス・マオンは焦っていた。

 ドレイクヴァロの総帥の娘の命を狙って二人殺し屋を雇ったが二人とも失敗してしまった。


 サイラスが当初考えてたよりもドレイクヴァロの組織力は強力だったのだ。

 とりあえず作戦を変えようと思い一先ず日本の隠れアジトに身を潜める。


 ドレイクヴァロも二度も総帥の娘の命を狙われて怒っていることだろう。

 黒幕がサイラスだとバレたら報復に来るはずだ。



「クソ、役立たずめ」



 サイラスは暗殺に失敗した二人の殺し屋の顔を思い出して憎々し気な表情になる。

 すると外で銃声が聞こえた。



「なんだ!?」



 このアジトは人里離れた山の中にある。

 アジトの周囲はサイラスの部下たちが守っているはずだ。

 銃声は激しくなる一方だ。



(もしかしてドレイクヴァロの襲撃か?)



 サイラスはそう思い、アジトから逃げ出す準備をする。

 そして部屋を出ようとした時に扉が開いた。



「やあ。サイラス・マオン。どこに行くんだい?」



 目の前に男が現れてサイラスは自分の銃を抜くがすぐにその銃を撃ち落とされる。



「クッ!?」



 サイラスは右手を庇い後ずさりする。

 そして武装した男たちが部屋に入って来てサイラスに銃を向ける。



「た、頼む! 撃たないでくれ!」



 サイラスは両手を上げた。

 すると男たちはサイラスを拘束してぐるぐる巻きに縛り上げて床に押し倒すように押さえつける。


 いつの間にか外の銃声は止んでいた。

 入り口にいた男がゆっくりとサイラスの目の前に立ち床に這いつくばっているサイラスを見下ろす。



「ドレイクヴァロの総帥の一族の命を狙って無事に済むと思ったのかい?」



 男の低い冷たい声にサイラスは恐怖でガタガタと体が震えた。



「私は東アジアを治めるドレイクヴァロの地域リーダーの黒の鷹という。初めまして」



 黒の鷹はニコリと微笑む。

 ドレイクヴァロの黒の鷹の名前はサイラスも知っていたがもちろん今まで会ったことはなかった。



「な、なんのことだ!? 私は何もやっていない!」



 サイラスが叫ぶと黒の鷹はサイラスの頭を足で踏みつける。



「私は嘘は嫌いなんだ。お前が脅征威連合と手を組んで総帥の娘を狙ったことは分かっている。だが私も鬼ではない。脅征威連合の誰と手を結んだか教えてくれれば君への処遇を考えてあげてもいい」



 グリグリと頭を踏みつけられてサイラスは悲鳴を上げた。



「痛い! 痛い! やめてくれ!」


「やめてほしいなら誰と手を組んだか教えてくれるかい?」


「分かった! 言う! 安木会長と若頭の宮寺だ!!」



 黒の鷹はニヤリと笑いサイラスの頭に銃口を突きつける。



「やめてくれ! 言えば命を助けてくれる約束だろ!?」


「誰も命を助けるなんて言った覚えはない。処遇を考えてやると言ったんだ。だから黒幕を教えてくれたお礼に嬲り殺しはやめて楽に殺してやる。喜べ」



 その言葉と同時に黒の鷹は銃を撃った。

 銃弾はサイラスの頭に命中してサイラスは動かなくなる。



「大丈夫だよ。サイラス。君の部下たちは全て君と一緒に地獄に送ってやるから。さて、では次は脅征威連合の安木会長と若頭の宮寺か」



 黒の鷹は次の標的への指示を部下に出した。







「会長。サイラスとの連絡が途絶えました」



 宮寺は安木と一緒に車に乗っていた。



「それはサイラスが失敗したということか?」


「その可能性が高いですね。念のため身辺には気をつけた方がいいでしょう」


「クソ! 役立たずめ!」



 安木は拳を握りしめる。



「また別の機会を狙いましょう。必ず十和麗月会を潰してやります」


「ああ。必ずぶっ潰す!」



 安木と宮寺を乗せた車は高速に乗る。



「あ、あれ!?」



 その時運転手の男が車の異変に気付いた。



「なんだ? どうした?」



 安木が運転手に聞くと運転手は必死にブレーキペダルを踏みながら言った。



「ブレーキが! ブレーキが効きません!!」


「なんだと!?」



 その瞬間車はカーブに差し掛かる。



「うわああああーー!!!」



 運転手の悲鳴が車内に響いたと同時に車は高速道路の壁にぶつかり大破し炎上した。

 車に細工をしたのはドレイクヴァロだがその衝突事故はスピードの出し過ぎによる「事故」として警察に処理される。


 ドレイクヴァロが警察の上層部に「事故」として扱うように圧力をかけたのだ。

 乗っていた安木と宮寺は死亡が確認された。


 その後脅征威連合は会長と若頭の急死によって次の会長を誰にするかで身内で揉め出し十和麗月会に手を出すどころではなくなってしまった。




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